この作品は1985年にブロードウェイで初演されて、トニー賞も7つ獲得したものだが、2003年の上演は健聴者と難聴者と聾唖者の俳優が混合で演じているという特徴を持つ。もともと2001年にDeaf West Theatreの本拠地であるロスアンジェルスにて上演され、いくつもの賞を得て、2002年にはロスのマークテイパー劇場(円形のキャパ600席くらいの私もお気に入りの劇場で、常に話題作が上演される)に移されて上演された。そして2003年にブロードウェイ入りを果たす。
初演のプロダクションは来日公演もして、見たことのあるシアターゴーアーズもいるはずだ。この時のプロダクションはスタンダードな仕立てで、今回のプロダクションとの違いを見比べて見るのも面白いはず。
ラナバウト劇場では限定公演だったため、7月1日にプレビューが始まって、9月14日にはクローズという短期公演だったが、今年のトニー賞ではリバイバル作品としてノミネートまでされた。ストーリーは12歳の浮浪児同然のハックルベリー・フィンが冒険を求めて、脱走した奴隷のジムと共にミシシッピー川をいかだで下り、いろいろな事件に巻き込まれ、自分の中のヒューマニズムを見出し成長していくという話。