平成16年5月7日
フィリピン共和国ルソン島・クラークフィールド内クラーク博物館
九六式25ミリ連装機関砲
海軍の代表的な対空用機関砲です。
昭和10年頃、フランスのホチキス社からライセンスを得て生産開始。
昭和11年、正式採用。
砲の右側に座った機銃員が旋回方向、左側に座った機銃員が俯仰調整して直接照準で射撃を行いました。
データ
口径:25ミリ
有効射程:対地の場合で6,700m、対空の場合で1,350m
初速:900m/1秒
発射速度:220〜230発/分
弾丸の重量:250g
給弾方式:15発入箱型弾倉
平成18年11月22日
九六式25粍ミリ連装機銃
九六式25粍連装機銃はフランスのホチキス社が設計したのを昭和11年に日本が国産化したものである。
陸海軍の艦船や陸上基地など殆ほとんど全てに対空防御用として使用された。
ここに展示のものは昭和43年、ブーゲンビル島・ファウロ島遺骨収集団全国派遣団がラバウルの海軍防空砲台で収集したものである。
(説明板より)
九六式25粍連装機銃 (東京・靖国神社遊就館) (平成18年11月22日) |
平成21年3月3日
パプアニューギニア独立国・ニューブリテン島ラバウル・ココポ博物館
JAPANESE DOUBLE BARREL ANTI TANK AIRCRAFT CANNON MODEL 96 (1936) TYPE 2 Calibre 25mm Range 14000ft Weight 5330lb Rate of fire 300 rounds per minute Recovered from Gunanur Plantetion |
平成21年3月3日
パプアニューギニア独立国・ニューブリテン島ラバウル・ココポ博物館
JAPANESE TREBLE BARRLE ANTI-TANK AIRCRAFT CANNON MODEL 96 (1936) TYPE 2 Caliber 25mm Range 14000ft Weight 5330lb Rate of fire 300 rounds per minute Recovered from Vnakanau 旅日記参照 (平成21年3月3日) |
平成21年3月5日
パプアニューギニア独立国・ニューブリテン島ラバウル・タブイポイント
九六式25粍機銃 |
日本海軍の対空機銃の代表的なもので、フランスのホチキス社から現品及び製造権を購入して昭和11年(1936)に採用された。
口径が25ミリもあるのにもかかわらず「機銃」と呼ぶのは、海軍は口径40ミリ以下で連続して発射できる兵器を「機銃」と呼んでいたからである。
本銃には単装、連装、三連装の3種類がある。
最大射程は約2500メートルだが、飛行機に命中が期待できるのは直線弾道が維持できる距離である約1500メートルと言われていた。
【L.P.R.照準器】
ホチキス社から機銃を購入する際に一緒に購入。
昭和14年に採用。
この照準器は、移動目標を狙うとカムの働きで自動的に見越みこし角(リード)をとり、銃弾を目標の未来位置に撃ち込むことができた。
この照準器の出現により対空射撃法は解決したというほど海軍は信頼を寄せていたが、実戦で使用してみると意外な欠点を露呈した。
見越角を取るため、高速で移動する敵機に対し、照準線が次々と修正され、銃身の方向が振られて定まらなくなるのである。
機銃の照準は、3発に1発曳光弾を入れて、その曳光弾を見てそれで照準を直して当てるとされていた。(弾倉1個は15発入り)
対空射撃は、最初に放った第一射の曳光弾を観測して以後の第二射、第三射を行うとされていたが、敵機が高速のため修正が極めて困難だった。
また、この照準器は機構が複雑なため大量生産ができない。
そこでカムを用いない簡単な機構の簡略式照準器として生産を間に合わせた。
戦争後半には、この照準器の代わりに、より簡便で実用的な環型照準器が多用された。
【環型照準器】
この照準器は3種類ある。
①直立楕円式照準器
仰角40度のときに必要な修正量(距離に応じた射角)を基準としている。
②水平保持式真円照準器
照準環が常に水平になるように作られている。
仰角をかけると下から照準環を覗き込む形となり、射角に応じた修正量を常時求めることが出来る。
③角度式環型照準器
直線弾道内での敵機を射撃するために簡略化されたもの。
これは敵機の速度ではなく方向角を各環に合致させて照準する。
新型の環式照門を使用し、さらに、発射時に発射光で目が幻惑を起こすので、連装以上の25ミリ機銃用のものは防眩フィルターを装備できた。
これは昭和19年12月から制式化された。
(参考:『歴史群像 2009年6月号』)
(平成23年10月22日追記)