あぁ、週末になってしまった。

しかも、もう九時になる。蒔李港にそろそろ行かなきゃ!

俺はそう思い、港へと自転車を走らせた。

9時2分

「着いた、、、ケド風鈴は何処だよ。」

しかし、クルーザーってヤツか。。。結構いい船が止まってる。

まさに場違い。隣の漁船とは大違いだ。

「瑞樹!」

風鈴の声だ。って、何処にいるんだよ・・・

まさか、あの船。。。

「早く来いよ!」

今日は異様に明るいな。

「風鈴!何処だよ!」

「ココ、ココ!」

漁船の近くから沸いてきたし。。。

やっぱクルーザーじゃないのか。。。はぁ。

「何残念そうな顔してるの?早く行くよ!」

珍しいくらいに明るいな。そんなにトレハンってのは面白いのかよ?

ってか期待してたんだもん。クルーザー・・・乗ってみたかったな。

「こっちだよ!早くして!」

クルーザーの方向!

「どの船で行くんだ!?」

期待と不安を胸に聞いてみた。

「そこの漁船。」

クルーザーの横の船。惜しいな。ホントに惜しい。もう一つ右だったら・・・

また、期待した俺が馬鹿だった。

何で俺はこう期待してしまうんだ。ホント、馬鹿だ。

「の右隣の船」

キター!!!風鈴、お前って結構お茶目だな。アハハ!

だけど嬉しいな!何でだろう!

「嬉しそうだね」

当たり前だろ。こんな豪華な船乗った事ね—モン。

ってか、お前も相当嬉しそうだな。

「風鈴!」

「何?」

「とっとと行くぞ!」

「やる気だね!」

何かが俺の心に火をつけた。トレハンでも何でもやってやる!

心に火がついたまま船に乗り込みイザ!鬱守のがけへ!



快適だ。漁船よりもいい。

「しっかし風鈴って金持ちなんだな〜」

「惚れた?」

「惚れた。」

ノリに決まってんだろ。赤くなんなって。

「ちょっ、こんな所で告白は無しだよ。」

「自分が振ってきたんだろ?」

気まずくなってきた・・・

「なんか初めてあった時と違うぞ?」

「あぁアレは初対面で緊張してたから。」

迷惑な緊張の仕方だな。

「今はどうなんだよ?」

「結構打ち解けた。広人が言うより面白くないけどね。」

「・・・もうソロソロ着くんじゃないのか?」

窓越しにだが欝守の崖が見えてきた。下から見ると大分違って見えるな。

しっかし洞窟なんか見えないぞ。何処にあるんだよ。

「あ、あそこ。」

ん?なんだ?・・・洞窟だ。ホントにあったのか。

「準備はいい?」

「OKできてる」

「じゃあ乗り込むよ!」

「OK」