「で、ココが夏でも涼しいんだ〜」

「へー。そうなの?」

ヤバイ、誰か来た!

そう思い俺は煙草を隠した。火を点けたばっかりだったし消すのは勿体無かった。

ドキドキしながらその場に居ると来たのは、広人の彼女、村上冴子。

前に会った事があったからわかった。もう二人居る。おそらく村上の友達だろう。

「あ、瑞樹君。来てたんだ?」

「邪魔したか?」

俺がそう聞くと村上の友達だろう子がハッキリと言ってくれた。

「あぁ、邪魔だ」

かなりムカツク台詞。俺は煙草を一口吸ってから

「はいはい。吸い終わったら出て行きますよ〜」

そう言ってまた一口吸った。

「おい、冴子。コイツ誰だ?」

ハッキリと邪魔って言ってくれた子が冴子に話し掛けた。

「広人にこの場所教えた人だよ。」

「もしかして瑞樹って奴か?」

何で俺の名前知ってんだよ!

「そうだけど・・・」

「おいっ、瑞樹!」

「なんだよ!」

「お前これから私の助手だ。今決定した。」

思えばコレが運の尽き。これから俺の人生が・・・平凡な日常がこの女によって破壊される時

「何のだよ!ってか何でだよ!」

「広人から噂は色々と聞いてる。私はお前の事が気に入った。だからだ。」

そして、広人を始めて恨んだとき。

後になってだが、思えばふざけるなと言ってやりたかった。

「何の助手かって質問だがそれはトレジャーハンターの助手だ。」

馬鹿か?こいつは・・・?今時トレジャーハンターなんかで食ってけるのかよ。

そう思いながら

「お前勝手に決め付けんなよ。俺はそんなモンになる気はねぇんだよ!勝手に決めるな」

そう言ってやったが、

「拒否する権利は無い。」

そう言いながら携帯を開き何時取られたのか知らないが俺の喫煙シーンを見せてきた

コレが学校にバレたら退学になる。獣医大にも行けない。最悪だ。

「わかったよ。助手にでもなってやるよ。」

俺は諦めた。諦めざるを得なかった。そしてこの女とアドレスを交換した。

名前は南風風鈴。変な名前。そう思いながら渋々とアドレス帳に登録。

煙草も吸い終わり帰ろうとした時にもう一人、村上の友達が小声で言った。

「可哀想に・・・」

ハッキリ言って泣きたくなりましたよ。その時は。もう切なくって。

そして南風風鈴が

「じゃあな。瑞樹!」

って言った。ホント、もう彼女には会いたくありません。

憩の場所から家へ行く途中早速、南風からメールが来た。

【明日またこの場所で会うぞ。】

悪夢だと思いたかった。人に、振り回されるのが嫌いな俺にとっては・・・

しかし弱みを握られている以上何の抵抗もできない可哀想な俺。

【わかった】

そう返信して家へと帰る可哀想な俺でした。