第一節


「ここがRime・・・」

葵は驚いた。木々が生い茂り、見た事の無い生物、全く汚れていない湖、

そして、無防備にも玄関を開けっ放しでの外出、考えられない・・・。

「これが普通なの?」

「なにが?」

「いや、いいや。それよりも今日はオピアの家にとめてよ?」

「んー俺ん家ちょっと遠いから、誰かのうちに泊めてもらおうよ?」

「近くに友達の家でもあるの?」

「まっさかぁ〜」

「・・・もしかして知らない人の家に?」

「うん。」

はっきり言わなくても呆れた。んな、馬鹿な。葵は柄にも無く思った。

しかしオピアは

「おばちゃーん今日泊めて!」

そう言って近くにある家の年配の女性に声をかけた

そして、

「いいよ」

あっさりokの返事。葵には考えられなかった。

「ホントに良いんですか?」

葵がそういうと年配の女性が

「良いけど、どうしてそんな事聴くの?」

と尋ねた。どうしてそんな事を尋ねるのか聞きたかったが

「いえ、なんとなく」

そう答えた。

「まぁいいわ。入って。」

そう言われ葵、オピアは家の中に入って色々と案内してもらった。

「今日はココに泊まってってね。」

「ありがとう。おばちゃん」

オピアがそういうと

「私の名前はウィンタだよ。」

と答えた。

ウィンタは

「今日は夕飯6時くらいにするからお風呂に入ってきな。」

そう言って部屋を出て行った。

葵、オピアは言われた通りに風呂に向かった。

風呂から出て葵は部屋に行き、これからどうするか、を又考える事にした。

オピアはウィンタの所に行き食事の手伝いをする事にした。

食事の用意ができ、オピアは葵に用意ができたと伝えに行った。

「いただきまーす」

そう言い食事を食べ始めるとオピアが

「ウィンタ、このご飯おいしい」

といい、ウィンタも

「オピア君が手伝ってくれたからだよ、なかなかの腕を持ってるじゃないか。」

と答えた。本当に美味しい。葵はそう思った。今までは人工的なものしか食べてなかったが、

別に空腹を満たせればいい。そう思っていた。実際美味しいものを食べるなんて金の無駄だし

そんなに金を使ってまでして、食べたいものなのか。としか食に対しては思わなかった。

葵が黙って食事をしていると、ウィンタが

「もしかして地球の子?」

と尋ねてきた。

「はい。」

と答え、葵は食事を続けた。ウィンタから見ると無理して食べてるように思えたのか

「さっきから黙って食べてるけど、不味かった?無理しなくてもいいのよ」

そんな事を聞いてきた。

「いえ、すごく美味しいです。」

葵が答えると、ウィンタが笑顔になり、オピアが

「じゃあ美味しそうに食べなきゃ。」

と言った。美味しそうにって私にどーしろと。そんな事を考えていたら

「地球じゃどんなものを食べてるの?」

ウィンタがそんな事を聞いてきた。

葵は人工的なものを食べてる事を話し、その話題から色々と発展していった。

気がついたら自然に笑っていた。そして、食事が終わり、後片付け。今度は葵も手伝った。

部屋に戻り、すぐにオピアが眠った。葵も今日はすぐに寝る事にした。いつも寝てる時間よりかなり早い。

朝になり、いつもより早く起きた。コレがRimeの普通。そう思いながら外に出てみると、

ウィンタがいた。庭から何かを取っている。

「何してるんですか?」

葵が聞くと、

「食材をとってるんだよ」

と、答えた。葵はウィンタに食材の取り方を教えてもらい、手伝った。

オピアが来て食事を作り、昨夜の様に食事をして、部屋の荷物をまとめた。

そして出発。ウィンタが玄関で見送りをしてくれた。

「ありがとうございました」

葵はそう言いオピアは、

「いってきまーす」

そう言って、旅立った。