第一節

オピアが寝てる横で葵は一人、考え事をしていた。

いったい、両親は、師炉は何処へ言ってしまったのか。

そして、自分も消えてしまうのか。そんな不安を胸に詰め込み、寝付こうとウトウトしていると

足音が近づいてくる。

葵は身を潜め静かに銃を構えた。

足音はドアのすぐ近くに来て止まった。

「葵!いる〜?」

葵は一瞬誰かわからなかったが、高く掠れたような声、すぐに誰かわかった。

琉璃(るり)だ。親友ってほどでもないけど、仲のいい友達だ。

「いるよ、入って。」

葵は銃をしまい琉璃を中に入れ何の用か聞いた。

「師炉がいなくなったって聞いて・・・その子は?」

琉璃は師炉の事を聞こうとしたらしいがオピアの事が気になるらしい。

「この子はオピア。Rimeの子だよ。」

「Rimeって・・・なんで!?」

「師炉が消えた少し後に突然現れたの。」

「・・・師炉が消えたって、殺されたの?」

琉璃が物騒な事を言うが葵は表情を変えないまま言った。

「私の両親みたいに突然スッと消えたの」

「そぉ・・・明日師炉の両親に伝えとくね。」

「うん」

「今日はココに泊まってもいい?」

琉璃はそう言って寝転ぼうとしたが

「ダメだよ。あんたはこんな物騒なとこに居ちゃ。帰る家があるんだから帰りなさい」

「今から家に帰っても危険だもん。」

「じゃあ送ってくよ?」

「オピア君が一人になっちゃうじゃん?」

葵はもう琉璃の事どうでも言いと思ってきたが、

「オピアも起こして連れてくから、それでいぃ?」

とうとう琉璃も折れて

「はーい」

と返事をした。葵はオピアを起こし琉璃と琉璃の家に向かった。

「こんな時間に何?」

寝ぼけてオピアが言うが葵は説明もせずオピアの腕をグイッと引っ張り歩かせた。

それはまるで姉と弟、とても同年齢には思えなかった。