服部さん(20代)

 私にとってアジア・太平洋戦争とは、遠い昔の出来事で、幾分他人事の様に思えていました。
「戦争はいけない、二度と繰り返してはならない」とは思っていても、過去の戦争について今更
知りたいとも思えませんでした。
 また、靖国神社に誰が参拝しようと、高校の歴史教科書の記述が物議を醸そうとも、私は無
関心だったのが正直なところです。
 しかし、数年前知人からたまたま勧められた本で、日本が当時アジア諸国に対しいかに多大
な被害を及ぼし、終戦から今日までその責任を取ることをうやむやにして来たかを知りました。
 その時私は、他人を傷付けておきながら自分はその事に気付いて無かった時の様が恥ずか
しい気持ちになりました。アジア・太平洋戦争は戦後世代の私にとっても決して他人事では無く、
過去の出来事と片付けてはならない問題が残されていると感じ、それ以来「知りたい」と想うよ
うになりました。
 ピースinしずおかのことは新聞で知りました。行ってみて、扱われている内容の多さに驚かさ
れました。単に戦争の悲惨さを訴えるというものではなく、日本の加害・被害の両面からアジア・
太平洋戦争の説明がなされ、そして戦後補償の問題、沖縄米軍基地、原発、核兵器、憲法問題
と多岐に渡り、「二度と繰り返さない」ためには解決しなければならない様々な現実的課題を我
々は抱えているのだということを再認識させられました。と同時に、「自分はその現実に対しどう
向き合うか」ということを問いかけられた気がします。ピースinしずおかも、実際に様々な形で活
動されて来られた方がいたからこそ開催出来たのだと想います。なかなか一般化されない。しか
し、重要な問題を世間に知ってもらう、問いかける機会としてピースinしずおかは意義ある集会
だったのではないでしょうか。私も私なりに、まずは知ることから、そして出来ることから行動し
て行きたいを考えています。

 若者として 
          金 弥玉さん(20代)

 平和展を観て何日か経ったある日、夜空があまりにもきれいな
ので、私は思わず散歩に出た。
人気もなく、一台の車も通っていない静かな広い道の真ん中に
ぽつんと立ち止まり、きんもくせいの香を体で感じながら、ふと思
った。戦争ってなんだろうと。
 戦争は、この静けさを人々から奪い取るものだのだ。もちろ
ん、家や、家族や、大切なものすべても奪い取ってしまう。
 人々には、虚しさしか残らない。
 私には、戦争がなぜ起きるのか解らないけど、それについて考えることはできる。
 少し、的はずれかもしれないけれど、私はこう考える。戦争のない平和な今、私の世代の若者
は、何か大切な事を忘れてはいないだろうかという事。
 自分達の生まれる前、歴史上で起こった悲劇をもっと想像し、知らなければならないこと。の
ほほんと暮らす毎日は楽しいけれど、たまには戦争とか平和とかを考えてほしい。
 若者として、自分の意見を持つことを、忘れないでほしいと思う。
 これを書く事で、自分にも言い聞かせることができた。