失敗の少ない投資手法を研究しましょう

証券会社も運用会社も、正確な将来ができる訳ではないのです(第一回)

一年前から指摘してきましたが

 この数年、世界中の投資家が、インターネット・バブルに踊らされました。米国のトップ・アナリスト達も、バブルに幻惑されたのは同じでした。Investor.comという会社の調べによると、米国株投資にあたり、主幹事、副幹事証券のアナリストによる投資判断に従った場合、過去4年間の投資パフォーマンスはマイナス50%程度でした。一方、幹事証券以外のアナリストは、マイナス数%にとどまったそうです。専門知識も深く、業界の状況に精通しているで著名なアナリストでも、将来予想は、なかなか当たらない訳です。

 日本株でも、ある機関投資家の方が独自統計を作成し、アナリストの判断はインデックスに勝てないといった話をしていました。会社によって程度の差はあれ、アナリストの判断には、バイアスがかかることがある点は、忘れてはならないと思います。また、一度、強気の投資判断をすると、それを変更するには社内での軋轢もあるという話も聞きました

 最近の行動ファイナンス学は、こうした人間や集団が持つ様々なバイアスを解明することに主眼を置いた学問です。実務の世界でも、まだ実地に応用しようという人は少ないようです。投資の経験が長い方ほど、このアプローチには参考になることが多いと思います。気が付かなうちに自分に都合の良い情報だけを探しているというような失敗=典型的なバイアスによる意志決定の誤り、を避けるためにも、この分野の知識は欠かせません。

(冷静な投資)

 ところで、日本から見ていると乱高下した感のある米国株ですが、私が付き合いのある米国人たちは、彼等の個人投資にかかる株式投資で、あまり痛手を受けていないように見えます。その理由は、テクノロジー、通信株といった最近の人気セクターに傾斜することなく、インデックスに近い運用の投信に投資していた、株だけでなく、債券など資産を分散していたからです。

 私自身、日本株バブル、ベルリンの壁崩壊後のドイツ株バブル、アジア株バブル、インターネット・バブルを経験し、冷静な投資が結局、一番強いことを学びました。次回以降で、私が危険が少ないと考えている投資のやり方を、ご紹介しようと思います。



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