第二条
締約国は、相互間に起こる一切の紛争又は紛議は、その性質又は起因のがどのようなものであっても、平和的手段以外にその処理又は解決を求めないことを約束する。
第三条
1 本条約は、前文に掲げられた締約国により、各自の憲法上の用件に従って批准され、かつ、各国の批准書が全てワシントンおいてに寄託せられた後、直ちに締約国間に実施
される。
2 本条約は、前項の定めにより実施されるときは、世界の他の一切の国の加入のため、必要な間開き置かれる。一国の加入を証明する各文書はワシントンに寄託され、本条約
は、右の寄託の時より直ちに当該加入国と本条約の他の当事国との間に実施される。
3 アメリカ合衆国政府は、前文に掲げられた各国政府、及び実施後本条約に加入する各国政府に対し、本条約及び一切の批准書又は加入書の認証謄本を交付する義務を有
する。アメリカ合衆国政府は、各批准書又は加入書が同国政府に寄託されたときは、直ちに右の諸国政府に電報によって通告する義務を有する。
第1条〔目的〕
国際連合の目的は、次の通りである。
1
国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに
平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。
2
人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。
3
経済的、社会的、文化的又は人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自
由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。
4
これらの共通の目的の達成に当って諸国の行動を調和するための中心となること。
第2条〔原則〕
この機構及びその加盟国は、第1条に掲げる目的を達成するに当っては、次の原則に従って行動しなければならない。
1
この機構は、そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている。
2
すべての加盟国は、加盟国の地位から生ずる権利及び利益を加盟国のすべてに保障するために、この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない。
3
すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。
4
すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しな
い他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。
5
すべての加盟国は、国際連合がこの憲章に従ってとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え、且つ、国際連合の防止行動又は強制行動の対象となって
いるいかなる国に対しても援助の供与を慎まなければならない。
6
この機構は、国際連合加盟国でない国が、国際の平和及び安全の維持に必要な限り、これらの原則に従って行動することを確保しなければならない。
7
この憲章のいかなる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではなく、また、その事項をこの憲章に基く解決に付
託することを加盟国に要求するものでもない。但し、この原則は、第7条に基く強制措置の適用を妨げるものではない。
第25条〔決定の拘束力〕
国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し且つ履行することに同意する。
第39条〔安全保障理事会の一般的権能〕
安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第41
条及び第42条に従っていかなる措置をとるかを決定する。
第40条〔暫定措置〕
事態の悪化を防ぐため、第39条の規定により勧告をし、又は措置を決定する前に、安全保障理事会は、必要又は望ましいと認める暫定措置に従うように関係当事者に
要請することができる。この暫定措置は、関係当事者の権利、請求権又は地位を害するものではない。安全保障理事会は、関係当事者がこの暫定措置に従わなかった
ときは、そのことに妥当な考慮を払をなければならない。
第41条〔非軍事的措置〕
安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合
加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関
係の断絶を含むことができる。
第42条〔軍事的措置〕
安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空
軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる
第43条〔特別協定〕 1 国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ一つ又は二つ以上の特別協定に従って、国際の平和及び
安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。
2 前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。
3前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によって各自の
憲法上の手続に従って批准されなければならない。 第44条〔非理事国の参加〕
安全保障理事会は、兵力を用いることに決定したときは、理事会に代表されていない加盟国に対して第43条に基いて負った義務の履行として兵力を提供するように要
請する前に、その加盟国が希望すれば、その加盟国の兵力中の割当部隊の使用に関する安全保障理事会の決定に参加するようにその加盟国を勧誘しなければならな い。
第51条〔自衛権〕
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個
別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国が措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この
措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も
及ぼすものではない。
第8章 地域的取極
第52条〔地域的取極、地方的紛争の解決〕
1
この憲章のいかなる規定も、国際の平和及び安全の維持に関する事項で地域的行動に適当なものを処理するための地域的取極又は地域的機関が存在することを妨げるも
のではない。但し、この取極又は機関及びその行動が国際連合の目的及び原則と一致することを条件とする。
2
前記の取極を締結し、又は前記の機関を組織する国際連合加盟国は、地方的紛争を安全保障理事会に付託する前に、この地域的取極又は地域的機関によってこの紛争を
平和的に解決するようにあらゆる努力をしなければならない。
3
安全保障理事会は、関係国の発意に基くものであるか安全保障理事会からの付託によるものであるかを問わず、前記の地域的取極又は地域的機関による地方的紛争の
平和的解決の発達を奨励しなければならない。
4
本条は、第34条及び第35条の適用をなんら害するものではない。
第53条〔強制行動〕
1
安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極又は地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理
事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って
規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を
防止する責任を負うときまで例外とする。
2
本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。
第54条〔安全保障理事会に対する通報〕 安全保障理事会は、国際の平和及び安全の維持のために地域的取極に基いて又は地域的機関によって開始され又は企図されている活動について、常に十分に通報されていなければならない。
第106条〔特別協定成立前の五大国の責任〕
第43条に掲げる特別協定でそれによって安全保障理事会が第42条に基く責任の遂行を開始することができるものと認めるものが効力を生ずるまでの間、1943年10
月30日にモスコーで署名された四国宣言の当事国及びフランスは、この宣言の第5項の規定に従って、国際の平和及び安全の維持のために必要な共同行動をこの機
構に代わってとるために相互に及び必要に応じて他の国際連合加盟国と協議しなければならない。
第一条 締約国は国際連合憲章に定めるところに従い,それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて,国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し,並びに,それぞれの国際関係において,武力による威嚇又は武力の行使を,国際連合の目的と両立しないいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
第二条 締約国は,その自由な諸制度を強化することにより,これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより,並びに安定及び福祉の条件を助長することによつて,平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は,その国際経済政策における食違いを除くことに努め,また,いずれかの又はすべての締約国の間の経済的協力を促進する。
第三条 締約国は,この条約の目的を一層有効に達成するために,単独に及び共同して,継続的かつ効果的な自助及び相互援助により,武力攻撃に抵抗する個別的の及び集団的の能力を維持し発展させる。
第四条 締約国は,いずれかの締約国の領土保全,政治的独立又は安全が脅かされているといずれかの締約国が認めたときはいつでも,協議する。
第五条 締約国は,ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなすことに同意する。したがつて,締約国は,そのような武力攻撃が行われたときは,各締約国が,国際連合憲章第五十一条の規定によつて認められている個別的又は集団的自衛権を行使して,北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む。)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより,その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する。 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は,直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は,安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは,終止しなければならない。
第六条 第五条の規定の適用上,一又は二以上の締約国に対する武力攻撃とは,次のものに対する武力攻撃を含むものとみなす。 (i)ヨーロッパ若しくは北アメリカにおけるいずれかの締約国の領域,フランス領アルジェリアの諸県,トルコの領土又は北回帰線以北の北大西洋地域におけるいずれかの締約国の管轄下にある島 (ii)いずれかの締約国の軍隊,船舶又は航空機で,前記の地域,いずれかの締約国の占領軍が条約の効力発生の日に駐とんしていたヨーロッパの他の地域,地中海若しくは北回帰線以北の北大西洋地域又はそれらの上空にあるもの
第七条 この条約は,国際連合の加盟国たる締約国の憲章に基づく権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する安全保障理事会の主要な責任に対しては,どのような影響も及ぼすものではなく,また,及ぼすものと解釈してはならない。
第八条 各締約国は,自国と他のいずれかの締約国又はいずれかの第三国との間の現行のいかなる国際約束もこの条約の規定に抵触しないことを宣言し,及びこの条約の規定に抵触するいかなる国際約束をも締結しないことを約束する。
第九条 締約国は,この条約の実施に関する事項を審議するため,各締約国の代表が参加する理事会を設置する。理事会は,いつでもすみやかに会合することができるように組織されなければならない。理事会は,必要な補助機関を設置し,特に,第三条及び第五条の規定の実施に関する措置を勧告する防衛委員会を直ちに設置する。
第十条 締約国は,この条約の原則を促進し,かつ,北大西洋地域の安全に貢献する地位にある他のヨーロッパの国に対し,この条約に加入するよう全員一致の合意により招請することができる。このようにして招請された国は,その加入書をアメリカ合衆国政府に寄託することによつてこの条約の締約国となることができる。アメリカ合衆国政府は,その加入書の寄託を各締約国に通報する。
第十一条 締約国は,各自の憲法上の手続に従つて,この条約を批准し,その規定を実施しなければならない。批准書は,できる限りすみやかにアメリカ合衆国政府に寄託するものとし,同政府は,その寄託を他のすべての署名国に通告する。この条約は,ベルギー,カナダ,フランス,ルクセンブルグ,オランダ,連合王国及び合衆国の批准書を含む署名国の過半数の批准書が寄託された時に,この条約を批准した国の間で効力を生じ,その他の国については,その批准書の寄託の日に効力を生ずる。
第十二条 締約国は,この条約が十年間効力を存続した後に又はその後いつでも,いずれかの締約国の要請があつたときは,その時に北大西洋地域の平和及び安全に影響を及ぼしている諸要素(国際連合憲章に基づく国際の平和及び安全の維持のための世界的及び地域的取極の発展を含む。)とを考慮して,この条約を再検討するために協議するものとする。
第十三条 締約国は,この条約が二十年間効力を存続した後は,アメリカ合衆国政府に対し廃棄通告を行つてから一年後に締約国であることを終止することができる。アメリカ合衆国は,各廃棄通告の寄託を他の締約国政府に通知する。
第十四条 この条約は,英語及びフランス語の本文をともに正文とし,アメリカ合衆国政府の記録に寄託する。この条約の認証謄本は,同政府により他の署名国政府に送付される。 以上の証拠として,下名の全権委員は,この条約に署名した。
1997年9月23日
指針の目的
この指針の目的は、平素から並びに日本に対する武力攻撃及び周辺事態に際してより効果的かつ信頼性のある日米協力を行うための、堅固な基礎を構築することである。また、指針は、平素からの及び緊急事態における日米
両国の役割並びに協力及び調整の在り方について、一般的な大枠及び方向性を示すものである。
基本的な前提及び考え方
指針及びその下で行われる取組みは、以下の基本的な前提及び考え方に従う。
1 日米安全保障条約及びその関連取極に基づく権利及び義務並びに日米同盟関係の基本的な枠組みは、変更されない。
2 日本のすべての行為は、日本の憲法上の制約の範囲内において、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われる。
3 日米両国のすべての行為は、紛争の平和的解決及び主権平等を含む国際法の基本原則並びに国際連合憲章を始めとする関連する国際約束に合致するものである。
4 指針及びその下で行われる取組みは、いずれの政府にも、立法上、予算上又は行政上の措置をとることを義務づけるものではない。しかしながら、日米協力のための効果的な態勢の構築が指針及びその下で行われる取組み
の目標であることから、日米両国政府が、各々の判断に従い、このような努力の結果を各々の具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される。日本のすべての行為は、その時々において適用のある国内法令に従う。
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