「権力」vs「自由」
権力は自由な存在であるような行為者を拘束する←伝統的な見解。
実際には? ……権力は相手の意志を経由して作動する。(暴力との相違点)
権力とともにあるような自由とは?
自由→思い通りに行動できる能力
−×→思い通りの結果を実現できる能力。
自由は結果に対する責任を伴う。

なぜ思い通りの結果を実現できないのか?

「他者」→個人の自由を限界づける存在
「私の自由にならない他者」が存在する。←思い通りの結果になるとは限らない。

私は他者と同様に「自由である」ために、私は世界に対して「自由でない」

他者の行為を配慮するような自由な社会関係は安定する。
→そのような社会関係は必ず権力を含む。
(ここに微妙に飛躍を感じたりもするんですけどね。)

(ここでいう権力の例って、上司と部下で、「命令に従わなかったら首を切る」くらいの単純なもの思い浮かべて頂ければOKです。)

社会に権力が存在する理由……
いや、権力は必要・不必要に関係なく存在するのでは?
自由である他者がいる……配慮によって社会秩序が生まれる……権力が成立する

☆ しかし、権力を守るために個人を圧殺する必要はない!
☆ 権力の問題は個人の問題ではなく、制度の問題であり、習慣の問題なのでは?


● 権力を問題にする意味

社会科学の役割は社会現象を理解すること。そのことで社会を成立させている根拠を明らかにする。→権力の概念はそのための準拠を提供する。
(ここで「明らかにする」ということは「批判する」と言う言葉に置き換えてもよい)

人は、望ましい関係と望ましくない関係を直観的に判断する。
→権力は社会関係の非対称性の強度を測ることで、その直観に根拠を与える。

「批判」
……社会科学者は、価値中立的であることが期待されている。
しかし、これは現実的ではない。
なぜなら、権力を批判するものが権力に侵されている可能性は低くないから。
権力に対して絶対的に中立な立場は存在しないから。

→批判するものも批判に対して開かれていることが社会科学者に求められる。


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