性の問題。 ……と、いっただけで、眉をひそめる人は多い。おそらく私の母の世代だったら、9割はそうだろうと思う。もしもそれが私の偏見だったら申しわけないが、イメージとしてはそうだ。 「性」という言葉は、私が知る限りではずっと、口にしてはいけないこと、はしたないこと、言うべきことではないこと……だった。まして女の子にとっては。高校は女子校だったから、性のこともけっこうあっけらかんと話せたけれども、小中学校は共学で、教室で性の話をできるのは男の子だけだった。性のことを口にしようとすると、先生にやんわりとたしなめられたりもした。 そういうなかで育ってきたから、「性」というのは、ずっとタブーにされてきた話題だったのか、と思っていたが、さて、調べてみると、そうでもない。と、いうか、昔から小説や詩や短歌の話題には恋愛が多いわけで、となれば、性の話もくっついてくる。まして日本は、昔の方が性に対しては開放的だったのではないかと思えてくる。データ的に示せるわけではないけれども、たとえば歌垣の話とか聞くと、……ぶっちゃけた話それって乱交じゃん? とか思う。 まあ、でも、歴史的にどうだったか、とか、社会的にどうだったのか、とかいうことにまで考えがいたったのはつい最近のことで、その前は、「性」なんて口に出すのはとんでもない! 恥ずかしい! と、思っていたのだ。私も。高校卒業くらいまでは。 ……私の場合、母親の口癖が「はしたない」「いやらしい」「みっともない」だったから、その言語感覚が非常に強く影響しているとは思うけれども。 さて、上述のように「性」と書いたとき、ひとはそれを見て何を思い浮かべるのだろうか? セックス? ジェンダー? セクシュアリティ? 行為? 思想? 指向性? 恋愛? 性意識? 肉体? 精神? 性別? 複数回答可。その他の言葉があったら示してください。……なのは当たり前で、「性」と書いたら、上の単語の意味はほとんど含まれてしまうだろう……と、思う。もしくは類似したものとされるか、関係性があるとされるか。しかも言語感覚ってのはひとりひとり違って、おまけに「性」というのは全ての人間に関わる(はず?)のものだから、それぞれ違う考え方をしていて当たり前だと思う。 (なお、私は「性」を考えるときに、上の語群にいくつかの単語をくわえ、さらにそれを広い範囲でみようと思ってますけど……まだ、明言できるほどしっかりしたものではないので、思案中、ってことでちょっと置いとかせてもらいます。逃げじゃないのでお許しください) さて、では、これのどれが眉をひそめる対象に、口に出してはならないとされるものになるんだろう? これは、肉体的な・行為としてのセックスにかかわるものなのではないかな、と、私は勝手に思っている。もしくは、別にそれを考えるってわけじゃないけど、「性」って言葉がセックスを連想させるから口にしない方がいいんじゃない? とか。(それ以外で眉をひそめているとしたら教えてください。私にはそれは考えが及ばない……) ……セックスのどこが口に出しちゃいけないことなのよぉ、ってとこから私の反論はあるのだけれども、まあ、とりあえずそれはおいといて、 「性」=セックス・性行為。……というのは、間違いじゃない。それは当たり前。 でも、より正確に言うなら「『性』はセックスや性行為を含む」(記号で表そうとしたが字がなかった)のであって、「セックス・性行為は『性』の必要条件」だけれども、「必要十分条件」じゃない。セックス・性行為が「性」の全てじゃない。……だって、「性」行為なんだし。性行為は「性」の一部分、って、言うまでもないこと。 でも、一般的には、そのへんの区別はされていない。そもそも「性」を口にしちゃいけない社会なんだから、そんな区別なんかされてるわけない……。 だんだん混乱して来たから整理するために言ってしまうと、私は、「性」の話がタブーにされてる、ってことに反論したくて、こんなにてろてろ書いているんだけれども、 考えてほしい。 あなたにとって「性」ってなんでしょうか。 できれば私は、日本中の人に、世界中の人に考えてほしい。 なんで「性」を口にしちゃいけないのか、「性」ってなんだと考えているのか。考えてきたのか。 タブーとしているなら、それはどうしてタブーなのか。 そうでないなら、どうしてそうでないのか。 「性」と言う言葉から受けるイメージはどんなものなのか。思いつく言葉はどんなものなのか。 だって、ずっとそうだった(タブーだった)から、という言い方は、まあ、それはそれでいいけど、もし私がそう言われたら、 じゃああなたは? あなた自身はどう思う? と聞き返します。 私は、「性」は口に出すべきことだと思ってる。考えるべきことだと思ってる。 それは私の考えだから、「口に出したくない」という人に強制はしないし、「私の前で口にしないで」という人がいたら、……まあ、それに対する反論さえも拒否されたら、それはしょうがない、あきらめるけれども…… でも私の希望を言わせてもらえば、口を閉ざしても、考えを閉ざさないでほしい。 口に出しちゃいけないこと=考えちゃいけないこと、ってことにしないでほしい。 私は、「性」を口に出さず、表に出さず、研究の対象にするのも避けてきた日本に問題があると思ってるし、そうやって育ててきた両親にも、教育機関にも、かなり、文句があるので…… (そのくせ「今の若者の性意識は」とかいうことは言ってるけどね。研究者。その「性意識」って言葉がどんなものを示すのもすごーく曖昧な気がしますけど。) もしも、いやだと思わなかったら、 考えてみてくださいな。「性」ってなんだろう、というところから。 「性」のことなんか考えるのもいや、という方には、もちろん強制はしません。 考えて、私に話して、とかいうことも言いません。そりゃ話してくれるのは大歓迎ですけど♪ とりあえずこれから続くのは、「性」のこととか「差別」のこと。セクシュアリティやジェンダーのこと多いと思うので…… そのうち載せると思う私の考えを読む前に、まず、考えてみていただけますか? その方がおもしろいと思いますしね。 そろそろ長くなってきたので、このページはこれで終わり♪ もどる。
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