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FCCの免許を取ってみよう



 近頃、掲示板等でも話題になることの多くなった、アメリカのアマチュア無線免許について、まとめてみました。


1. 免許の種類



 現在、FCCが発行しているアマチュア局免許は下記の通りです。

ライセンス一覧
種類 必要なElement 運用バンド・モード・出力 日本での扱い
Technician Element 2 50MHz以上・全モード・1500W 4アマ
Technician + Morse Element 1,2 50MHz以上・全モード・1500W
HF(周波数制限あり)・CW(10mはRTTY,data,SSBもOK)・200W
3アマ
General Element 1,2,3 全バンド(HFで周波数制限あり)・全モード・1500W 2アマ
Extra Element 1,2,3,4 全バンド・全モード・1500W 1アマ

注:10MHz帯(10.100〜10.150MHz)、28MHz以下のノビスサブバンド(3.675〜3.725MHz,7.100〜7.150MHz,21.100〜21.200MHz)では、
  全ての局の出力は200W以下(Region2以外では、ノビスサブバンドのうち、7.100〜7.150MHzが、7.050〜7.075MHzになる)


2. 受験料



 受験料は、$12です。日本国内で受験する場合は、試験を実施するVE teamが、その時の為替レートを元に定めた金額の日本円で払う事も可能です。
 一度受験料を払うと、Element 1から受験を始めて、不合格のElementが出るまで、最初払った受験料だけで受験可能です。(Element 2については、Element 1(モールスの試験)に落ちても受験することが可能です)
 ですから、たった $10で、一気にExtraまで取る事が出来るのです。
 また、一度落ちても、その場でさらに $10を支払えば、落ちた Elementからの再受験が可能です(この際、問題は別の物になります)。ただ、用意してある問題の種類に限りがありますので、せいぜい同一エレメントにつき、2回程度までと思っていた方が良いでしょう。

3. 問題集(Question Pools)



 試験に出題される問題は、Question Poolsとして、全て公表されています。
 インターネット経由で入手することも可能で、Amateur Exam Question Poolsからダウンロードできます。

Question Pools
Element ライセンスクラス plane text版 PDF版 有効期限
Element 2 Technician 問題(text版) 問題(PDF版) 2007/06/30
Element 3 General 問題(text版) 問題(PDF版)
2004/06/30
Element 4 Extra 問題(text版) 問題(PDF版) 2006/06/30


 各elementは、出題分野単位で、10個(element 4は、9個)のsubelementに分かれています。
 また、各subelementは、それぞれいくつかのgroupに分かれています。
 groupの中には、10問程度の問題があり、各groupの中から 1問ずつ出題されます。

subelementと出題(group)数
subelement element
No. title 2 3 4
1 Commision's Rules 9 6 7
2 Operating Procedures 5 6 5
3 Radio Wave Propagation 3 3 3
4 Amateur Radio Practices 4 5 5
5 Electrical Principles 3 2 9
6 Circuit Components 2 1 5
7 Practical Circuit 2 1 7
8 Signals and Emissions 2 2 4
9 Antennas 2 4 5
10 RF Safety 3 5 -
35 35 50
合格ライン 26 (74.3%) 26 (74.3%) 37 (74.0%)


4. 電波法規 (FCC Rules: Part 97 and other Rule Parts)



 アメリカのアマチュア無線に関する法規は、主に

  Title 47 of the Code of Federal Regulations, Part 97 (47 CFR Part 97)

 に記されています。
 Part 97は、Part 97 Amateur Radio Serviceで見る事が出来ます。
 Part 97以外の関連法規へのリンクは、FCC Rules: Part 97 and other Rule Partsにあります。

 なお、HAM CRAMには、Question Poolsと FCC Rules: Part 97がまとめて書いてあります。


5. 参考書



 Question Poolsだけで勉強しても十分なのですが、参考書が必要と思う場合は、下記URLを参照してください。
 ともに、インターネットで注文することが出来ます。

  ARRL's License Manual Series
  W5YI/QRZ License Upgrade Library


6. オンライン模擬試験



 Web上で、模擬試験を受けられるサイトがいくつかあります。
 他にもあるでしょうが、いくつか挙げておきます。それぞれに特長がありますので、好みで使い分けてください。

W8MHB.COM
Practice Amateur Exams Online
特定のサブエレメントを選んで練習出来るなど、かなり高機能。
AA9PW amateur radio exam practice page 最後に、各サブエレメント毎の正答率を表示してくれるので、苦手分野の把握に便利。
eHam.net Ham Exams 問題の出題方式は、AA9PWと同様、一気に表示する。サブエレメント毎の正答率表示はない。
Amateur Radio License Element 2 Practice Test
Amateur Radio License Element 3 Practice Test
Amateur Radio License Element 4 Practice Test
解答選択肢の順番を変えているので、選択肢順を変えられると間違えてしまう様なことはなくなる。
QRZ's Practice Amateur Radio Exams 上記2つのサイトは、全問を一気に解答する形式だが、ここは一問ずつ出題してくれるので、解答直後に正誤が分かり、覚えるのには都合が良い。
San Angelo Amateur Radio Club
Practice Amateur Exams Online
qrz.comと同様の内容。
Jonathan Williams
Amateur Radio exam
一問ごとの出題。


7. 電卓の使用について



 試験中、電卓の持ち込み・使用はOKですが、関数電卓は使えません(ルートとパイだけならOK)ので注意しましょう。
 高級な電卓しか持っていない人は、100円ショップなどで安い電卓を用意しておくと良いでしょう。
 計算問題で出てくる演算は、下表の通りです。

計算問題で出てくる演算
Element 2 (Technician) 四則演算
Element 3 (General) 四則演算,ルート
Element 4 (Extra) 四則演算,ルート,指数・対数,(逆)三角関数

 Element4で、指数・対数、(逆)三角関数が必要になり、関数電卓が必要そうに感じますが、指数・対数が出てくるのは、時定数に関する問題と、EPRでのdB計算で、時定数分時間が経過すると、電圧は1/e (eは自然対数の底 2.718)になること、電力の1dBは、約1.26倍ということを記憶していれば計算できますし、インピーダンスの所で出てくる、(逆)三角関数については、x:yが、1以上なら角度は45度以下、1以下なら角度は45度以上という常識的なことさえ把握していれば、まじめに計算しなくても正解を導き出せるように問題が出来ています。
 ということで、関数電卓が使えない事がさほどデメリットにならない様になっていますので、安心してください。


8. 試験日程



 日本国内での試験日程は、ARRL Exam Session Searchを見ると分かります。

 また、関連団体へのリンクを下記にまとめておきます。

VEC 団体
ARRL/VEC
W5IY/VEC
ARRL/VEC 東京 TEAM 次回開催予定:2004/07/17
W5YI/東京 VE TEAM 活動の予定なし
ARRL/VEC 名古屋 VE TEAM 次回開催予定:2004/10/03 (原則として、2月、6月、10月のいずれかの日曜日)
ARRL/VEC VE 岡山 TEAM 次回開催予定:2004/09/19 (原則として、3月、6月、9月、12月の第3日曜日)
W5YI/福岡 TESTING TEAM 次回開催予定:2003/8/31(済)


9. 免許発給状況の確認



 下記のサイトで、免許の発給状況が確認できます。

免許発給状況
FCC License Search のtabを参照
ARRL American Radio Relay League のライセンスサーチです。
qrz.com 毎日の免許発給状況が出ています。


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