<対策>
川や湖の水、海水などは、私達にとってなくてはならないものです。国や地方自治体は、法律や条例を制定して、汚染を防ごうとしています

 

日本の対策

対策の基本となる法

◆ 水質汚濁防止法

この法律は、日本で初めてできた公害に対する法律(「水質保全法」「工場排水規制法」)では、十分でないということでつくられました。そして、1970年、水質汚濁防止法が制定されました。その主な内容は、

○ 排水の基準を決める。…「排水の中に、どの物質が、どれくらい含まれていたら違反か」というように、排出基準を明確にする。

監視を強化する。…汚染物質を排出するおそれのある工場・事業所などについても定期的に検査する。

○ 違反者を処罰する。…原料・生産方法・浄化方法・などについて改善の勧告をしたり、排水の停止・罰金の支払い・逮捕などの処罰をしたりする。

 

国際的な対策

汚染は国境をこえる!?

 また、海洋汚染は一国の問題ではないので、早くから国際協力が進められていました。これにあわせて、各国における海洋汚染対策が整備されてきています。船舶からの油についてはちょくちょく規制が強化されてきました。生物資源と海洋資源に害を及ぼし、海洋の快適な環境を損ない、海洋の正当な利用を妨げるような海洋汚染。その背景には、近年の著しい産業活動の発展にともなう海洋汚染の急速で広域的な進行があります。1972年にスウェーデンのストックホルムにおいて開催された「国連人間環境会議」では、そのような汚染に対してあらゆる可能な対策が採られることが求められました。 同時に、各国政府及び関連する国連機関に対して、海洋汚染の防止のための条約などによる規制促進を勧告しました。

 

 このため、国際的にもその対策の充実化が要請されることとなりました。


海洋汚染物質はいつも陸上でつくられる!

◆「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」

1972年に採択された条約で、海洋汚染の主な原因である陸上で発生した廃棄物の海洋投棄を規制する法律です。

◆「1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書」

1978年に採択された、船舶からの油、有害液体物質や廃棄物の排出等を規制する条約です。

◆「国連海洋法条約」

1982年の、海洋に関する法律による新しい秩序の確率を目的とした条約です。沿岸200海里の区域について、海洋保全に関する沿岸の国の責任が定められました。

これらの条約によって、おおまかには次のような規制が実施されています。

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・廃棄物の海洋投棄

 プラスチック類やカドミウム、放射性廃棄物等の特に海洋環境に有害な廃棄物の投棄の禁止。

・海の上での焼却

 水銀、カドミウム等の焼却の原則禁止。その他一定の有害物質を含む廃棄物の焼却には特別 の許可が必要。

・船舶からの排出

 船に乗っている人達の、生活に使うものをむやみに投棄することの禁止。油分の規制及び事故等の油流出を抑制するための船体構造の規制等。

 

私達ができること

私達ができることは、実態を知ることだと思います。直接できることはあまりありません。しかし、事実を知っているのであれば、海洋汚染を進めるような行動を許さない人になれるでしょう。