<メカニズム>
湖沼の汚れ

河川は、よく次の理由により汚れきっていました。

・各家庭からの生活排水の流入
・工場排水の流入
・雨による地上のゴミなどの流入

そして、水の汚染は、その性質から4つの種類に分類できます。

汚染にはその社会が影響する!

 aL機物による汚染

有機物の発生源は、生活排水、農業排水、工場排水など多様です。欧米では生活排水の処理のための下水道整備が進んでいます。が、日本では普及率40%と低い状態です。発展途上国に至っては、し尿を含めた生活排水が都市部など一部を除いてほとんど処理されておらず、直接河川や湖沼に流入している状況です。 

 bx栄養化

湖や川に、人間活動から排出される有機物や窒素・リンの栄養塩などが流入することによって起こる現象なのです。富栄養化した湖の水は、カビ臭さや藻臭さがついてしまうので飲料水としての利用は難しくなってしまいます。また、湖の生態系そのものも変化させます。熱帯・亜熱帯地域ではマラリアなど伝染病や寄生虫を媒介する生物の生育に適した環境をつくるのです。 一方、富栄養化は魚類の生産性を高めるというメリットも持っています。また、この現象には、温暖化による水温の上昇も関係するでしょう。

 c_性化

自然の状態でも酸性化している場合はあります。しかし、ヨーロッパ・北アメリカ東部や中国南部で、酸性雨や酸性降下物など人為的な原因による土壌、河川や湖沼の酸性化が問題となっています。湖沼の酸性化は、生態系に決定的な打撃を与え、農業や他の水利用におきな被害を与えています。次々と、プランクトンも魚も住めない「死の湖」が増えているのが現状です。酸性度・アルカリ度を示す単位 としてPH(7が酸とアルカリの真ん中である中性)が用いられます。 普通の雨は、弱酸性で約6になっています。しかし、欧米ではpH4の酸性雨が降ります。4、5以下の湖では魚は住めません。

 dd金属・有害化学物質による汚染

重金属や毒物、合成化合物(例えば、DDT、BHC、PCB、ABS、など殺虫剤や除草剤、合成洗剤)などが問題になっています。途上国も工場では、排水処理設備が未整備か、あっても不十分な処理しかされていないなど、監理や操作などが不十分な場合が多く、相当高濃度の排水が直接河川や湖沼に流入しているでしょう。また、毒物の流入は魚類の大量 のへい死を招くとともに、公害・水道資源としての取水停止どの社会的問題となる場合もあります。

特に問題となるのは、「d」の化学物質による汚染です。これは、かつて世界で問題になった公害をひきおこす原因となったものです。