<海の汚れのメカニズム>
海洋のプランクトンは重要だ!

海における汚染は、タンカーの座礁、積み荷の原油の流出、海に不法に投棄される廃棄物、などがしばしば大きな問題になってきました。

海は、地球上の7割をしめる。その海が滅ぶとはどういうことなのでしょうか?今は、熱帯林に比べると、海洋のプランクトンが意識されていないのが現状かもしれません。

海洋の植物プランクトンは、陸上の植物と同じように光合成を行っています。また、そのCO2を吸収し固定化します。総量 は、陸上の植物全体で固定化するCO2の総量にほぼ等しいといわれています。

海は体積が膨大なので、化学物質の濃度検出が非常に難しいのです。しかし、測定できないということは、存在しないということではありません。また、食物連鎖によって化学物質が濃縮され、最終的にそれを口にする人間にかなり高い濃度で入り込んでしまうでしょう。 海洋の化学物質がどういう経路をたどって来たかを解明するのは難しいことです。海洋の沿岸域には、河川からの流出や直接の廃棄などで大量 の化学物質が海底などに蓄積されています。ですが、一方でこうした化学物質を扱う工場はなどは少なくないのです。海流によって運ばれるものもあるでしょうが、大気経由で運ばれる場合もあると考えられます。また、わが国では、蓄積性の高い農薬や化学物質の一部は使用禁止されていますが、世界全体、とくに発展途上国での使用はむしろ増えてきています。よって世界全体では減少しているとはいえないのです。

 

赤潮

化学物質だけではない!
日本では、春から夏にかけて赤潮が発生して多くの魚介類が死に、養殖業者などに大きな被害を与えることがあります。赤潮というのは、水中のプランクトンが大繁殖して、海水が赤く変わる現象〔褐色・緑色になることもある〕をさす言葉です。

 

その赤潮は、水産業に大きな影響を与えるため、「厄水・くされ潮・苦潮」などとも呼ばれてきました。 その原因は、赤潮のもととなるのは、家庭排水・工場排水などの流入による、海水の富栄養化です、さらに春から夏にかけては、

○ 海水が、上下に滞留することが少ない。

○ 太陽光が射し込む部分に、栄養分の多い海水がたまっている。

○ 適度な水温・塩分がある。

その被害は、

◆プランクトンの大量発生 → 大量の酸素が使われる

◆プランクトンが寿命を終えて死ぬ → バクテリアがプランクトンの死骸を分解する → 分解する時に再び酸素が使われる

となり、こうして赤潮とともに海中の酸素不足が起こり、魚介類が死んでいくになるのです。

また、

○ プランクトンの中には、有毒物質を分泌するものがる。

○ プランクトンが魚のえらに詰まる。

などということも、魚介類への被害のもとになります。

参考 環境問題最前線 古川清行 著