天女の散歩

今日は何して遊ぼうかなあ
人間界に行ってみようか
人には見えないようにして
天女は考えた


よくこんな世界にいたものだ
あっというまに人は成長し、
老い
消えてしまう

きっと明日はもうあの美女は
見る影もないだろう
神々の一日は人間世界の
50年

美しい男性を見つけた
彼は天から降りてここにきていたのか
思い出して欲しい
一緒に戯れたことを


心の中ではお互いに
好意をもったでしょう
あなたは忘れている
封印されている

でも
思念すると動くでしょう
現象が
意思した方向に
   

あなたは神々の
仲間だったのよ
わたしよ
わたしなのよ


思わず彼に
触れた
途端
天女は消えた

あれ、今何か
思い出さなくてはいけないことが
あるような気がしたんだけど
なんだろう
あとで考えよう (人間て神々のなれの果てなのね)  

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