(あなたは誰?)
 Golden Weekのはしり、4月27日、久々の高校同窓会があった。前回は4年前、気が付くともうそんなに経っているんだ。何かあっという間だ。街中の割と良いホテルで夕方6時からの開催予定。

何となく、早く行きたくなかった。

 普段から連絡したり一緒にゴルフ行ったりしている同級生と顔を会わせるのは良い。でも卒業以来、全く会っていない人だっている。二十数年間のBlankを埋める作業は面倒だ。


こちらも変わっただろうけど相手も変わっているだろう。
 

 何となく行きそびれてぶらぶらしていたら仲の良かったクラスメ−トと出くわした。
ちょうど良い。これで何とか会場に入り込める。

 Floarには丸テ−ブルがクラスごと置いてあって自然とそこに屯する。4年前に会った同級生には軽く会釈し、二十数年来一度も会ってなかった友人にはそれなりに近況を紹介しあう。

「う〜ん、みんな凄く変わっちゃったな。」だいぶ髪が薄くなった人もいるし、でも大体の人は何となく分かる。名刺なんか渡しあっちゃって一端のビジネスマンだ。どの名刺もそうそうたる一部上場企業の名前だし、かなり重要な役職だ。みんなそれなりに頑張ってきたんだろうな!他人事ながら嬉しくなる。

 昔話に花が咲いて互いに共通の思い出の中に浸っている。それだけみんな年取ったんだろう。

でも今ここにいるのは40過ぎのオッサン、オバサンじゃない 。

気持ちだけは高校出たての18歳だ。


 一時間程が過ぎ一通り挨拶が済んだ後、周りを見回すと見たことのない人が何人かいる。目線が会った時、それなりに挨拶は交わすんだけど私自身は全くわからない。暫くすると向こうからこちらに歩み寄ってあれこれ話し始めた。


「やあ〜久しぶり!どうしてた?君、変わってないね!」

って見たこともない同級生が言う。


 
「うん、まあ〜ね!ところで今何してるの?」って私は答えた。




内心、お前は誰なんだ?って思いながら!



「ああ、今、●菱商事の海外事業部長しているんだ。」

「何かあったら連絡してよ!」


名刺を差し出しながら彼は言う。

「ああー、分かったよ。何かあったら連絡する。」





でも本当は君が誰だか




分からない!

分からない!

分からない!
分からない!
全然、からないんだよ!

でも男だったらまだ許そう。卒業後一度も会っていなかった女の子(当時だよ)に


「ほ〜んと、久しぶりねえ〜!元気にしてた?」


なんて言われたって


「あんた、誰だか俺は分からないよ!」

    街ですれ違ったって絶対に分からない。で、そうこう話しているうちに


「私、旧姓●■よ!」


   って言われて初めて誰なのか分かった。


でも昔の面影は何処かへ







すっ飛んでる。





俺ね!この際だから言わせてもらう!




「何であの初々しいかった女子高生がこんなんなっちゃったんだよ!」




「何で3倍になっちゃってんだよ!」




「どこか背中に空気入れる所でもあるの?」




「あんたね、それは反則だよ!」




「俺の青春返してくれよ!」




でもね、彼女たちだって心の中じゃ言ってると思う。





「何でお前、倍になっちゃったんだよ」って




でも、私は声を大にして言いたい。




「2より3の方が大きいんだよ」

今月はここまで!感想やお気付きの点はまで!
来月は蘇州続編、上海特集でお送りします。お楽しみに