「 良い人 」

「あなたはとても良い人ね。だから何時までもお友達でいましょうね!」
 
 このフレ−ズは何十回聞いた事だろう?こう言われたら全ては終わりだ。



若かりし頃、何度も痛い目にあっている。



だから私はこのフレ−ズが大嫌いだ!

それから二十年以上が経ちすっかりこのフレ−ズに縁が無くなり、

また、耳にすることもなくなった。

青春の苦々しい思い出!

話は変わるが

最近、駅周辺の商店街の空き地が軒並み100円駐車場に変わってきている。

デフレの影響で大型ス−パ−、大型量販店に顧客を取られ廃業したんだろう。
で、その後は管理も楽で人手も掛からない青空100円駐車場になってしまう。


私は駅周辺に用事のある時、割と良くこの100円駐車場を利用する。

 先日も用事があって2時間ほどその駐車場に止めた。そろそろ出ようと思って精算機の前で順番を待っていた。前の若い女性がやり方が分からなくて戸惑っている。

 雨も降っていて傘をさしながら硬貨を入れたり、つり銭を取ったりするのは結構大変だ。私はすかさず手伝った。


「何か良い事したな!」なんて思いながら


 自分の順番が来て手馴れた様子でお金を入れようとした。
2時間強だから6〜700円だなんて思いながら1000円札を入れても、


うんとも寸とも言わない。


 
「え〜お金が足りないんだ。」1000円札をもう1枚追加するとジャラジャラって百円硬貨が数枚落ちてきた。何かちょっと高いなって思いながらも、車に乗り込んでエンジンかけて発車しようとした。




ギギギギギギギ−!



 え〜、引っかかってる。stopperが下がってないんだ。
急いでbackして、車から降りて駐車場の地面に書いてある数字を見た。


No.6じゃない。No.9なんだ!これじゃ〜出れるわけない。


 仕方なく精算機に戻って料金を入れなおした。液晶表示板の金額を見ると600円って出てる。2時間だからこんなもんだろう。って事は2時間止めて2000円近く払ったって事?


まあ〜しょうがないな!



自分が間違ったんだから。



そんな事思いながら車に戻ろうとした。


急に駐車場No.6の車が動き出した。水溜りの水がはねて服や体にかかる。


「う"〜!」



思わず運転している人の顔を見た。



頭の禿げ上がった小太りのオヤジだ!



「顔なんか真っ赤にして、このオヤジ、絶対一杯飲んでるぞ!」





私はこのタコオヤジの為に駐車料金払ってあげて



その上、服までビショビショにされて






私って今でも





良い人?