1.いで湯・・・日本最古の温泉、道後温泉

愛媛県の昔の国名は「伊予」であり、これは道後温泉の「湯」(いゆ)から来ているという
説があります。
道後温泉はわが国最古の温泉で、古代では日本書紀、万葉集に伊予温湯、(いよのゆ)
熱田津石湯(にぎたつのいわゆ)伊予温泉(いよのゆ)等と呼ばれていました。

聖徳太子が褒め称え、多くの皇族方や文人俳人に愛された道後の湯は温泉として約
3000年の歴史を有しています。
今も滾々と湧いている伊予の湯は、訪れる人々を暖かく迎えています。
泉質は弱アルカリ性単純泉で非常に滑らか、湯上りは爽やかです。

又白鷺が発見したとも伝えられていて、昔足を痛めた一羽の白鷺が谷あいの岩間から
湧き出ている温泉を見つけ、毎日その温泉に足を浸しているうちに傷が癒えて勇ましく
飛び去ったといわれています。
この伝説によって白鷺が道後温泉の象徴となったのです。

尚、土地の伝承を集めた「伊予風土記」逸文には、大国主命少彦名命が伊予に巡遊の
際に少彦名が倒れられ、湧き出る湯で温めると快愈されたと言う神様との伝説もありま
す。
二人の神様は、湯釜と湯神社に祀られています。

伊予の方言

「道後の湯は、ええお湯じゃけん、いっぺん遊びにおいでんか〜
ぬくい気候と人情は-な、みんなにきっと気にいるぞなもし・・・」  

道後温泉駅前広場に立てられている 柳原 極堂の句碑です。
その昔、伊予路の のどかな風情がよく詠まれています。

「春風や ふね伊予に寄りて 道後の湯」
         俳人 柳原極堂

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