昨年、暮近い寒いある日。
とある街の人通りの多い道でこの冊子を手に持ち、「200円！」
っと声を出して売っている初老の男性を見かけた。
もしやホームレスの方かな？っと思わせる男性と冊子の表紙の海外のスター・・・
何となく気になってそちらの方に目を向けたが足早に通りすぎてしまった。

そして、その後この冊子はホームレスの方の仕事を作り、自立を助けるシステム
であり、彼らがこれを一冊売ると１１０円の収入が得られるということを
何かで知り、「あの光景がそうだったのか・・・。」
と、妙に気になった冬のあの日のことを思い出した。

先日、BigIssueを売る販売員の方を見かけた。
買ってみようと思っていたものの、いざ目の前にすると、なんとなく“勇気”がでない。
（私は募金なども「しようかな？」っと思っても、駅前で箱を抱えている人を前にすると
思わずドギマギしてしまうのだ。）
たまたま一緒にいた母も、ちょうどこの冊子のことを知っていたらしく
こういう時にさっと行動に移せないんだよね・・・と話したものの
「でも、一度買えば次から気軽に購入できるわよ。」っという母の後押しで
販売員の方へ向かった。
「１冊ください。」
なぜか緊張してしまい、ただそれを言うのが精一杯で、
冊子を受け取ると「ありがとうございました！」
というおじさんの元気な声を背にし、走って母の元へ駈けてしまった。

せめてもう少し笑顔で買えればよかったなぁ。。。
これから暑くなる季節。
販売員の方も炎天下の中、今日も明日も冊子を売るのだろう。
いつか、きちんと職を得て、自分の部屋を持てるその日がくるまで・・・
みんなも頑張っている。
私も頑張ろう。そして希望が持てる明日のために少しお手伝いできるよう
また、今度はもっと自然体でBIGISSUEを買いたいと思う。

追伸：冊子の中身は
表紙ジョン・ストーンのインタビューにはじまり、
パレスチナの村々を切り裂く「アパルトヘイトの壁」という記事などの
社会的な問題を取り上げるなど盛りだくさんである。
これで、200円なら購入者としても中身は面白いし、
もしかしたら少しおじさんの役に立ったかな・・・と思えるし、
双方がハッピーになれる冊子です。