PC110使いこなし術

更新日 98/11/13


PC110にどれだけいろいろなことをさせられるかと、今までやってみたことを七つほどまとめてみました。実用的なものからほとんど無意味なものまでありますが、可能性を追求したということで大目に見てやってください。

1. PC110 デジカメ化計画

2. PC110 MIDIシーケンサ化計画

3. PC110 携帯ゲームマシン化計画

4. PC110 ボイスレコーダー化計画

5. PC110 通信端末化計画 (Part1 パソ通 Part2 インターネット)

6. PC110 LX化計画

7. PC110 電話化計画

 

1. PC110 デジカメ化計画

使用したハードウェア --- PC110, Canon CE300

一番最初にやったのがこれです。PC110専用のPCカード型カメラCE300を使えば簡単にデジカメになってしまいます。このCE300はキャノンが出しているものですから、そこそこ使えます。このサイトで使っている画像もPC110とCE300で撮ったものです。プログラムはreadmeを合わせても200KB程度なので110本体だけでも運用できます。画像データはJPEG形式で保存されるので汎用性は抜群、フラッシュカードを使えばカードの容量だけ撮影できるというなかなかの優れものです。しかも110はPCだからフォトレタッチソフトを入れておけば撮ったその場で編集なんていう離れ業もできます(もちろんそれなりのストレージが必要となります)。唯一の難点は110の液晶ディスプレイ、外ではほとんど見えません。

 

2. PC110 MIDIシーケンサ化計画

使用したハードウェア --- PC110, Roland SCP-55P, Flash Card 10MB
使用したソフトウェア --- Windows3.1, シーケンスソフト

もともと110を買った理由のひとつに、ローランドのSCP-55を使いたかったということがありました。SCP-55というのは同じくローランドのSC-55mark2互換のtype2 MIDI音源カードです。なぜSCP-55を持っていたかというと、 VSC-55 (これもローランドのソフトウェアMIDI音源) を買った、 --> とてもいい音なので人に聞かせたい(自慢したい)、 --> うちの220ではとても動かない、 --> 外部音源に頼るしかない、 --> 持ち運びに便利で電源の要らないPCカード型のいい音源が欲しい、 --> SCP-55を買う、という経緯があったのです。どうせ買うならMIDIコネクタとシーケンスソフト(Win3.1用とWin95用)のついたほうがいいということになり、SCP-55Pを購入しました。その後220にSCP-55をセッティングしましたが、 音は鳴るが画像がついてこない(大体220では、Win3.1自体動かすのが辛い)、しかも220を持ち運ぶのは気が引ける --> 200LXで使うのはちょっと危険(壊れても誰にも文句は言えない) --> Win3.1かWin95がまともに動いて持ち運びの楽なPCはないか、 --> ちょうど110の安売りをやっている、ということで110を買ったのです。最初は音を聞かせることが目的だったのに、いつのまにか意地でもシーケンサを動かそうとしてついにはPC本体を買ってしまう、まさに恐るべきPC連鎖反応!
で、本題ですが、110に内蔵の4MBフラッシュではWin3.1とシーケンスソフトを入れるのは無理なのでtype2のフラッシュカードが必要になります。そのころ私が持っていたtype2フラッシュは、200LX用のEPSONのフラッシュ10MBとモデムのコンボカードしかなかったので苦労しました。なにしろDOSとWin3.1とシーケンスソフトを10MBに入れなければならないのですから。これはポトリなしの110ユーザーはよくやると思いますが、別のPCカードスロットつきのPCにインストールして削った後にそのままフラッシュにインストールする方法でやりました。ただ無理やり10MBに押し込んだのでスワップファイルは作れない、MIDIファイルもほとんど置けないなどかなり制約もありました。またがんばってもやはりあのスペックでは辛く、譜面の進行(音に合わせて音符の色が変わっていくあれ)もスムーズとは言い難いです。それでも譜面の編集ができるだけでも凄いことだと思います。そしてついにお披露目の日がきたわけですが、やはり人に与えたインパクトは相当強く、みなSCP-55の音と110に一様に驚いていました。というわけで当初の目標は達成されたわけです。
なお今ではメモリを20MBに増設、ストレージも40MBのフラッシュに換え、以前より快適に動作するようになりました。

 

3. PC110 携帯ゲームマシン化計画

使用したハードウェア --- PC110, Flash Card

これは単にゲームソフトをインストールするだけなのですが、あの大きさのマシンに入れるわけですから結構いい感じになります。ストレージに余裕があればWinゲームなどもインストールできますが、ハードのスペックを考えるとやはりDOS用のゲームソフトが快適に遊べると思います。ただ日本でDOSゲームとなるとほとんど98用になってしまいますので、海外のAT互換機用がターゲットになります。海外のソフトだと英語モードを要求されたりするので結構面倒なのですが、いいゲームがたくさんあります。英語版だと入手が困難かと思われますが、オンラインでシェアウェアを購入することもできますし、輸入ソフトコーナーなどに行くといい感じのソフトがあります。それもちょっと古めのゲームが良いですね(ハードウェアに対する要求も軽くなります)。110本体の4MBでもゲーム環境が作れるかもしれませんが、基本的にはある程度のストレージは用意したほうが良いと思います。
DOOMとかTerminal Velocity、Wolfenstein 3Dなんかいいですよ。でも一番はまったのはぷよぷよかも。

補足: 最近(といっても去年あたりから)110にDOSで動くエミュレータを載せて遊んでいます。一押しはやっぱりNesticleですね。アクション系は厳しいですが、RPG系はそこそこ遊べます。今はまっているのはドラクエ3ですね。あとVGBなんかもいいかも。

4. PC110 ボイスレコーダー化計画

使用したハードウェア --- PC110, Flash Card
使用したソフトウェア --- Windows3.1

これも特別なハードを使うわけではなく、ただ110の内蔵マイクとWindowsのサウンドレコーダーを組み合わせて使うだけものです。これだけでボイスレコーダーの出来上がり。録音時間はストレージの容量次第です。
単に音声を録音、再生するだけのものなのですがこれが結構遊べたりするんです。気軽に録音して気軽に消せる、ボイスレコーダーが流行るのもわかるような気がします。

 

5. PC110 通信端末化計画

Part1 パソ通

使用したハードウェア --- PC110, NTT-IT THUNDERCARD AVF-288, Flash Card

なにしろ2400bpsモデムを標準搭載しているわけですから、これを使わない手はありません。ソフトウェアもパソナウェアにターミナルソフトが入っていますから後はモジュラーケーブルさえあればどこでも通信できるわけです。メールチェックも思いのままです。
でもとりあえず通信できるのと、快適に通信できるのではだいぶ違います。どうせパソ通するなら、KTXなどの本格的な通信ソフトを使ってやりましょう。もちろんモデムカードを使って高速通信することも可能です。
とりあえずうちの110には使い慣れたKTXを入れてます。なお、110でモデムカードを使うにはちょっとしたコツがあるようです。PS2コマンドから通信ポート設定メニューでポートを設定する際に、内蔵モデムをCOM1にして、残りの項目をすべて使用しないにするとモデムカードがCOM2として認識されるようです。

Part2 インターネット

使用したハードウェア --- PC110, SUNTAC DS96CF, NTT DOCOMO P153HYPER, Flash Card
使用したソフトウェア --- Windows3.1, IE3.02a, WebBoy

パソ通だけならHP200LXなどほかにも優れたマシンはありますが、110はWindowsの動くパソコンという強みがあります。ほかの携帯情報端末などと大きく違うのは自分の好きなインターネット環境を構築できるというところです。ある程度のストレージが必要となりますが、デスクトップで使うのと同じブラウザやメールソフトを使えるのです。うちの110は今、Win3.1 + IE3.02aという構成でやっています。デスクトップでもIEを使っているので違和感なく使えます。また、Windowsがなかったり、小容量のストレージしかなくても110にはWebBoyがあります。WebBoyは110用に作られたといってもいいようなソフトウェアで、110専用のディスプレイ設定なんてものまであります。これにデジタルデータカードと携帯電話があればまさにスーパーモバイラーって感じです。ただし携帯電話からだと9600bpsでしかつながらないので、いまどきの派手なホームページはかなり辛いです。まあその辺はこの小ささに免じて良しとしましょう。
マリンスタジアムでマリーンズのオフィシャルサイトから選手データをチェックしながら試合を見るっていうのもなかなかいいものでした。(あまり試合に集中できなかったけど)

 

6. PC110 LX化計画

使用したハードウェア --- PC110, Flash Card
使用したソフトウェア --- Conectivity Pack

200LXのオプションにはPCとのデータ交換、バックアップをするためのコネクティビティパックというソフトがあります(PC/AT互換機用)。このソフトのインターフェースとアプリケーション)がLX内蔵ソフトとそっくりなのです。あの優秀なPIMソフトがPC上に再現されるということで、つまり110にコネクティビティパックを入れてしまえば110がLXになってしまうのです。ただし、実際に入れてみるとかなり画面が小さくなってしましました。またLXに対して110はハードウェアのスペックは高いのですがその分バッテリーの持続時間が短いという難点があり、結局LXと置き換えることはできませんでした。まあそれでもLXのPIMが110で使えるというのは凄いことだと思います。

 

7. PC110 電話化計画

使用したハードウェア --- PC110

えー、そろそろネタ切れで、、、110は電話としても使用できます。一度やってみましたが、それっきりですね。まあこんなことも出来るということですね。あと110には留守電機能用(使ったことはありませんが)の妖しい声が入っているらしいです。

 

 

というわけで何とか七つ、110でできることを上げてみました。結構無理やりなところもありますし、また他のPCでも出来ることもたくさんありますが、110のサイズで出来ることだからこそ意味があるように思います。デジカメが果たして大きなノートパソコンで有効に使えるのか、という疑問ひとつをとってみても答えは明白だと思います。あるいは、デジカメで写真を撮って、音声を録音して、それをメールで送ってしまう、なんてことが110たった1台ですべて完結できてしまうわけです。凄いことだと思いませんか。
ただスペック的に時代遅れのマシンになってしまったことも事実です。やっぱり95を軽々と使えるほうが便利だと思いますし。願わくばぜひこのサイズでLib100程度のスペックの後継機を出してもらいたいです>IBM様。

 

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