PS/55note 再生の記録(開腹記録)

更新日 99年6月16日

 

Part1 壊れかけのPS/55note

(その1) 最近HDDを認識しなくなって、いよいよHDDも終わりかと思っていたのですが、電源を入れるたびにカレンダーが元に(1990年12月31日)戻っているという症状を考慮するとどうやらバックアップ電池の寿命らしいです。(エラーコード8602、161と163、下記対応表参照)というわけで電源を切るたびにシステム情報が消えてしまい、起動のたびにリファレンスディスケットでシステム構成を設定しなければHDDを認識しないという困った状況になってしまいました。一応FDDからの起動は出来るのですがそれではHDDを認識しないのです。

(その2) というわけでバックアップ電池さえ調達すれば直ると思い、市販のカメラ用リチウム電池を購入し(PS/55noteに付いていたのが3Vのサンヨー製電池、購入したカメラ用リチウムのほうがやや大きかったのですが)、とりあえず差し替えたところ見事に復活!電源を切ってもそのままHDDを認識してくれます。これで当分使えそうです。(ちなみにリチウムとは別に、もうひとつサブバッテリーがあることには開腹するまで気がつきませんでした。)

(その3) と思いきや、翌日電源を入れるとエラーコード8602、161、163に加え601が、、、(下記対応表参照)。どうやら状況が悪化したようでディスケットドライブのエラーまで出る始末になってしまいました。カメラ用リチウム電池をテスタで計ったところ電池は生きていましたのでどうやらシステムボードのほうがおかしくなったようです。結局もとのように外付けFDDをつないでリファレンスディスケットから起動して、装置設定をして再起動してからやっと使えるようになるという状況に戻りました。うーん、せっかくキーボードの質感が気に入っていたのにこれでは起動がめんどくさくて使う気にならない、、、。

(その後) さすがにカメラ用リチウムをつないだままにするのは怖かったので本体のバッテリーともども外したら、以前から懸案の右矢印キーの不良が治ってしまいました。どうやらNiCDバッテリーが悪さしていたみたいです。

(その後2) ジャンクなS04を購入、そちらのリチウムが生きていたので移植したいと思います。本体も特にエラーもなく起動したのでシステムボードごと取り替えようかとも考えています。いよいよ復活間近か?

* エラーコード対応表 (5523-S 保守マニュアル・サービス編より Copyright IBM Corporation)

161 装置構成の確認 Lithium Battery , System Board
163 日時設定? System Board
601 SystemBoard Diskette Drive ASM , Diskette Drive Cable
86XX マウス , 数値キーパッド , System Board

 

Part2 開腹と移植

というわけでPS/55noteのジャンクが手に入ったので1号機を復活させるため、ノートPC系サイトの定番メニュー、開腹にチャレンジしてみました。

お断り 作業の都合上1号機、2号機の画像が混在していますが分解の流れを説明する上で問題無いと思いそのまま掲載してあります。また個々の画像には拡大表示のリンクをはってあります。

画像1 画像1

画像1の本体底面のネジを外します。底蓋の手前側に3本、バッテリーに隠れて1本あります。

画像2 画像2

両脇のつめに注意しながら底蓋をあけます。少々硬いので注意してください。

画像3 画像3 

中は上の画像のようになっています(画像3)。左上の赤枠は増設メモリ、左下はモデムカードです。出来れば両方とも開腹前に外しておいたほうが良いです。

画像4 画像4

あの緑青が諸悪の根源だったのです(画像4)。バックアップバッテリーやキーボードユニットまで錆びついていました。

画像5 画像5

さて、開腹手順ですが、まずHDDおよびFDDコネクタを外します。最初にHDDとフレキのコネクタを抜いて(1)、次にネジを外します(2)。HDDで4個、FDDコネクタで2個ネジがあります。最後にFDDコネクタとフレキの接続を外して終わり(3)、これでHDDとFDDコネクタは外れます。フレキのコネクタを抜くときは精密ドライバー等を使ってゆっくりと抜いてください。なおFDDコネクタには外装の蓋がそのままついてきます。またHDDのバッテリ側側面には金属のプレートがついてます。

画像6 画像6

この図ではまだFDDコネクタがついていますがHDDを取ると、このような感じになります。保守マニュアルではここまでしか記載されていないのでここからは独自の手順で開腹していきます。

画像7 画像7

システムボードとI/Oポートのコネクタを外します。

画像8 画像8

I/Oポートのそばにあるネジを2個外します。左右長さが違うので注意しましょう。さらに画像にはありませんが電源スイッチのキャップを外します。これは力を入れなくても簡単に取れます。

画像9 画像9

いよいよシステムボードを外しにかかります。システムボードはこの段階で5個のネジで止められています(画面左半分の5個)。さらにサブバッテリーホルダーも外します(右上2箇所)。

画像10 画像10

モデムスロットの下(上?)にある紙をめくるとスピーカーのようなものがあります。画像10のしるしのネジがシステムボードを止めているネジです。ちなみにこの紙をめくるとモデムのコネクタのそばに386SXが見えます。

画像11 画像11

サブバッテリーホルダーのネジは2個です。ひとつはバッテリーに隠れていますが退かせば取れます。またケーブルを止めているテープも簡単に剥がせます。

画像12 画像12

最大の難関はシステムボード裏にあるケーブル2箇所のコネクタを抜く作業です。システムボードとキーボードユニットがフレキで繋がれ分離不可能なため、十分な作業スペースが無く(画像の角度が最大)、またコネクタも硬いです。まず奥の白と黄色2本組のケーブルを精密ドライバなどを使って抜きます。次に束になっているケーブルですが、これはモデムスロット側からも責める必要があります。あせらずゆっくりと抜きましょう。

画像17画像18

ちなみにコネクタの形状は上の画像のようになっています。左が束のほう、右が2本組のほうです。

画像13 画像13

システムボード裏側の全体図です。しるしは例の難関コネクタの部分です。

画像14 画像14

最後にキーボードユニットを外します。キーボードユニットはこの段階で7個のネジでとまっています。下列左から2・3番目のネジはテープで隠されていますが、簡単に剥がせます。

画像15 画像15

ばらばらになったPS/55noteです。左上からメモリスロットカバー、FDDコネクタ、4MB増設メモリ、内蔵モデム、HDDサイドの金属プレート、HDD、中央上からシステムボード、キーボードユニット、右上から底蓋、LCDユニットとなっています。ちなみに今回は分解しませんでしたが、システムボードをさらにばらすことも可能です。

画像16 画像16

緑青で汚れた部分を食器用洗剤+歯ブラシでごしごし、その後水洗いして陰干ししました。緑青は完全には落ちませんでした。せっかくですからキーボードのほこりなども取りましょう。あとは分解した順序と逆に組み立てて終わりです。

最終的に1号機から流用したのは上蓋(LCDユニット込み)部筐体とHDDのみで、それ以外はすべて2号機から移植しました。もちろん増設メモリ、内蔵モデムも取りつけました。

Part3 復活の日

機器構成が変化しているのでリファレンスディスケットでの起動が必要となります。FDDを繋いでいよいよ電源オン。しかしPS/55noteは沈黙したまま、何度電源を入れても変化無し、さすがに冷や汗が出そうになりましたがふとしたはずみで電源が入りました。メモリカウントが終わったあとエラーコード162の表示、確認すると機器構成を変えたら出るコードのようです。そうこうしているうちにリファレンスディスケットが立ち上がり、機器構成の自動更新が無事終了しました。電源を切り、FDDを外して再度電源を入れたところまたもや沈黙、今回は3回目くらいで電源が入りましたがどうも2号機のシステムボードは電源関係が弱いようです。ただそれ以外は特に問題無く動いています。PS/55note、見事に復活してくれました。周辺機器もある程度揃ったことですし、これから大活躍?してもらおうと思います。

* エラーコード対応表 (5523-S 保守マニュアル・サービス編より Copyright IBM Corporation)

162 装置構成の確認 System Board, Diskette Drive ASM, Disk Drive ASM, Diskette Drive Cable, Disk Drive Cable, Internal Modem

おまけ PS/55note内蔵モデムの取り付け方

PS/55noteのページへ