CD-ROMの繋がらないPCにアップグレード版Windows95CDをFDでインストールする

更新日 99年10月27日

 

Windows95は通常版ですとFDでソフトウェアが販売されますがアップグレード版はCD-ROMでの販売となっており、CD-ROMを読めないPCにはインストールできません(LANを組めば別ですが)。ただWin95はCD-ROMのwin95フォルダさえ認識できればセットアップできるはずですから、フォルダの中身をFD経由でWin95をインストールしたいPCのHDDにコピーしてそこからセットアップを起動すればインストールできてしまいます。と言うわけでその方法をまとめてみました。なおこの手順はCD-ROMの読めるPC(もちろんFDD付き)を別途用意できることが前提となります。

例えば、今までデスクトップPCにWin95を入れていたがLinuxに乗り換えたよ、じゃあ今まで使っていたWin95があいたからWin3.1で使っているノートPCにでも入れてみようか、でもCD-ROMはデスクトップに付いているのしかないし、せっかくライセンスがあるのにもったいないなあ、という人や、Win95をクリーンインストールしたいけれど起動ディスクにPCMCIAやSCSIカード、CD-ROMのドライバを組み込む方法がわからないよ、わかるけどめんどくさいなあ、といった人にはお勧めです。最低限必要なものはファイルをコピーするための空のFD1枚のみです。ただしすごく手間はかかります。(余談ですが、PCカードスロットのあるノートPC用にPCMCIAドライバの入った起動ディスクを作っておくとこれはこれですごく重宝します。)

さて、必要なHDD容量ですが、win95フォルダをコピーする容量(約50MB)とWin95をインストールするスペース(80MB以上)が必要となりますので、最低でも130MBはHDDの空き容量がないとインストールできないと思われます。

インストールする際の環境ですが、HDDをきれいにしてインストールする(クリーンインストール)するならばHDDを一度フォーマットしてからインストールします。アップグレード版のWin95でもWin3.1のディスク1があればクリーンインストールすることが出来ます。ただし、HDDをフォーマットするとHDD内のすべてのデータが消えてしまうので必要なデータはあらかじめバックアップしてください。逆に今の環境(DOSやWin3.1の稼動している環境)を残したい場合は、アップグレードインストールします。通常版のWin95は既存のOSが動作している環境にインストールできませんので、この場合はOSを消去してください。(と言う以前にライセンスに違反する可能性があります。)

インストールの方針が決まったらさっそくインストールの準備に取りかかります。セットアップまでの大まかな手順は以下のとおりです。なお既存の環境にアップグレードインストールする場合はフォーマットおよびシステム転送の手順は必要ありませんので、Win95フォルダの作成からはじめてください。

 

<HDDにクリーンインストールする場合>

* FDDをAドライブ、Win95フォルダをコピーするHDDパーティションをCドライブと仮定します。必要に応じてドライブ名を置き換えてお読みください。
* HDD内のデータをすべて消去するコマンドが記載されていますので、一度本文すべてに目を通されてから作業を進めてください。

まずWin95起動ディスクで起動したあと、HDDをフォーマットします。(注)以下のコマンド(format)を実行するとHDD(Cドライブ)内のファイルがすべて消去されます。必要なデータが残っていないか確認してから実行してください。ルートディレクトリ(c:\)から dir と入力すればCドライブのファイルを確認できます。1画面分以上ファイルがあって確認できない場合は dir /p と入力すると1画面分ずつポーズがかかります。HDD内のすべてのファイルを消去して良ければ次のコマンドを実行してください。

format c:

そのあとシステムをHDDに転送します。

sys c:

ただこの状態だとキートップの文字と入力文字が一致しない、日本語でメッセージが出ない等の問題(慣れればたいした問題ではありませんが)が起きます。自分でconfigを編集してドライバをロードすれば良いのですが結構面倒なので起動ディスクの内容をそっくりコピーします。(この場合ファイルをコピーしたあとシステムを転送したほうが良いみたいです。)

copy a:\*.* c:\

こうすれば一通りのツールがHDDのシステムで使えるようになるので結構便利なのです(エディタまで使えます)が、Win95をインストールしたあとルートディレクトリに不要なファイルが残ってしまいます。どちらを選ぶかはお好みです。

ここまで終わったらFDを抜き、再起動してください。このあとはHDDのシステムで作業を進めます。

次にHDD上にWin95フォルダを作ります。

md c:\win95

あとはWin95CDからwin95フォルダの中身をFD経由でHDDのwin95フォルダにコピーしていきます。まずCDからFDにファイルをコピーします。もちろんFDの容量内なら複数のファイルをまとめてコピーできます。(エクスプローラの操作法は省略します。)そのFDをインストールしたいPCに挿入し、ファイルをコピーします。

copy a:\*.* c:\win95

以上の作業をひたすら繰り返してWin95フォルダ内のファイルをすべてコピーします。
この作業は最低1枚FDがあれば行なうことが出来ますがひとつのファイルをコピーし終わるたびにFD内のファイルを削除して新しいファイルをコピーしなければならなくなり非常に手間がかかるので、出来ればある程度のFDを用意しておいたほうが作業が楽に進められます。

以上の作業が終了しましたらWin95フォルダ内のsetup.exeを起動します。まずカレントディレクトリをwin95に移動して

cd win95

その後、setup.exeを起動します。

setup

そうするとWin95のセットアップが開始されますので、後は画面の指示にしたがってインストールを進めてください。

うちの230(YB7)で試してみましたがまったく問題無くインストールできました。ファイルのコピーですが、FDを2枚使って230にコピーしている間にAptivaでCDからFDにファイルをコピーする方法を取りましたが、所要時間は約1時間でした。あと文中では起動ディスクのファイルをHDDにコピーする方法を紹介しましたが英語モードでのキー配列さえわかっていればシステムを転送するだけで良いと思います。setup.exeを起動した直後に文字化けしますがインストール自体には問題ありません(GUI画面になればキチンと日本語が表示されます)し、この方がHDDに余計なファイルが残らずに済みます。

なおこの方法がWindows98にも使えるかどうかは不明です。と言うよりはファイルが大きすぎて試す気にもなりません(^^; よっぽど暇になったらやってみたいと思います。

なおWin95フォルダ内のファイルでファイルサイズが大きすぎてFDに収まらない場合は、ファイルを分割コピーできるソフトを使用してください。ベクターなどに行けばDOS用のフリーウェアがたくさんありますのでお好みのものを選んでください。

 

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