2000.5.14
ケンウッド D919 MP3データを再生できるカーステレオ データを収録したCD-Rディスクを入れるだけ |
このところ新製品続々のMP3プレーヤー。ついに,カーステレオまで登場した。
CD-R/RWにMP3データを収録すれば,通常の音楽CDと同じ操作で再生できる。実際に音楽データを再生させながら運転してみた。音質は及第点。音楽CDと比べても遜色ない。
「D919」はカーステレオ型のCDプレーヤーだ。1DINサイズ(DIN:車のコンソールサイズの規格。1DINは高さ50×幅178mm)で音楽CDやCD-R,CD-RWの再生が可能だ。MDプレーヤーなどほかのコントローラー付きプレーヤーに追加するプレーヤーで,CDスペクトラムアナライザー機能も付属している。
最大の特徴は,CD-R/RWに収録されたMP3形式のデータを再生できること。音楽CDの1/10サイズに容量を圧縮するMP3データなら,1枚のCD-Rに音楽CD10枚分のデータを収録可能。まさにチェンジャーいらずのカーステレオなのだ。もちろんCD-DA形式のCD-Rも再生できる。
同じシリーズに「Z919」という製品もあり,こちらはアンプ,チューナー機能も装備し,単体で音楽CDやCD-R,CD-RWの再生が可能だ。価格は6万円である。アンプ出力は最大45Wで4チャンネル。また,音のゆがみを軽減するチップ「System E's PRO」も搭載する。 今回は,ケンウッドが用意したD919搭載の広報車を使い,製品を体感した。車はスバルの「レガシィツーリングワゴンGT-B」(平成10年式)。スピーカーはフロントスピーカーとサブウーファーが装備され,それぞれケンウッドの「HS-016W」と「KFC-HQW251」を使った。リアスピーカーは使っていない。
プレーヤーの操作は簡単。CDを挿入すると,まず音楽CDかデータCDかを判断する。データCDの場合,音楽CDに比べて再生開始まで数秒間多くかかる。余分にかけている時間で,CD中にMP3データが入っているかをサーチし,入っていれば再生する仕組みだ。再生中はフロントのディスプレイ部分にファイル名が表示される。MP3データでも,曲のスキップやバック,早送り,巻き戻しなど音楽CDと全く同じ感覚で操作できる。
CD-R/RWのファイルフォーマットはISO9660 レベル1,2に対応している。このフォーマットで使えるファイル名は英文字,数字,アンダーバーだけ。文字数はファイル名,ディレクトリー名ともに31文字まで,階層は8階層までだ。
最後に,一番気になる音質について。洋楽,邦楽ポップス,クラシックオーケストラなどの楽曲を音楽CDとMP3で聞き比べた。その結果,重低音を強調しているポップスでは,MP3と音楽CDの区別がほとんどつかなかった。一方オーケストラの場合は,MP3の方が奥行き感に乏しく,やや貧弱な印象を受けた。とはいえ,全体的な印象は良好。よほど音にこだわるのでなければ,音楽CDと同じつもりで使えると言って良い。
おすすめ度 | |
新しさ | |
機能 | |
使いやすさ | |
価格 |
製品名 | D919 |
開発・販売 | ケンウッド |
周波数特性 | 10Hz〜20kHz(±1dB) |
S/N比 | 93dB(1kHz) |
サイズ | 幅178×奥行き160×高さ50mm |
価格 | 4万7000円 |
出荷 | 2000年3月 |
問い合わせ先 | 03-3477-5335, http://www.kenwood.co.jp/ |
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