ぴん☆けとりおの旅日記
第六話 雪上の4WD
四十年ぶりの大雪が中国縦貫道を覆い。
北房インターではチェーン規制が敷かれた。
生まれて始めて取り付けたチェーンは簡易なものだった。
高速道路を基準に地図を調べたので他の道は解らない。
泣きそうになりながら滑走した。高速の上はまだましだった。
一般道に下りると、道路と側溝の区別のない一面の雪景色だ。
空腹と緊張でギリギリだった。
雪にハンドルを取られチェーンが宙に舞い側壁に激突した。
反対側には川が流れていた。私達は幸運に感謝した。
私が運転していたのは不幸中の幸いだった。
「俺、上着が赤で目立つから車の前で立ってるわぁ。」とがっちゃん。
「JAFと警察に電話してくるわ。」と私。
電話のある場所までどれくらい距離があるのか解らない。
でもがっちゃんは待ち続ける。私とげんさんは小走りになった。
そこへファミリアが通りがかった。四駆だ。アベックだった。
「・・乗せてもらえますかぁ。」
「ええいいですよ。どうぞ。」
快く引き受けてくれた男性は、雪道に慣れた見事な運転で
喫茶店まで運んでくれた。
「やっぱり違うなぁー。」
私とげんさんは目を合わせた。