TurboLinuxServer7構築 IBM ThinkPad 240

2003/9/14

 TurboLinuxServer7はFTPサイトにISOイメージのファイルがありませんので、ノートパソコン(IBM ThenkPad 240)にネット接続で導入してみました。
 現在稼働している自サーバーは電源ファンの音がやや大きいのと、データベースの動作実験をするため、より高性能で静粛で小型でと欲張ったマシン?を用意しました。

■ 1.Install Disk作成

 ノート用のCD-ROMドライブをもっていないため、Pcmcia-LANカードを認識させるInstall Diskを作成します。
ftp.turbolinux.co.jp/pub/TurboLinux/TurboLinux/ia32/7/Server/installから

 ・イメージ書き込み用ユーティリティ dosutils\rawwritewin.exe
 ・イメージファイル imges\pcmcian.img

をダウンロードします。

 rawwritewin.exeを起動し、イメージファイルpcmcian.imgを指定してFDに書き込みます。

■ 2.Network Install

 2-1.パーティション設定

 インストールをする前にパーティションの設定をあらかじめ決めておきます。本来なら細かく
 /boot、/ 、/usr、/var、/tmp、/home
 としたいところですが、どのように変化するか予測出来ないので簡単に以下のようにしました。

パーティション 概要 容量
/boot ブートパーティション。起動時のカーネルイメージが置かれる。 64MB
/ ルートパーティション。システムパッケージが置かれる。 残り全部
swap メモリに入りきらなくなった情報が置かれる。 メモリ容量の2倍。256MB

 Linuxのファイルシステムにはext2とext3があります。ext3ファイルシステムは常にファイルの状態をデータベースで管理しており突然のシャットダウンなどによりシステムがダウンしても短時間に復帰が可能になります。

 パーティションには基本パーティションと拡張パーティションがあり、基本パーティションは1ドライブに4つまで作成できます。それ以上のパーティションが必要な場合は、基本パーティションを3つまでとし、残りを拡張パーティションとして作成していきます。いくつまで作ることができるかやったことがないので不明です。

 2-2.インストーラの起動

 PCMCIA-LANカード IBM-CREDIT CARD ADPTERをカードスロットに差し、外部ディスプレイに接続し、インストールFDから起動すると、

- Press to start installation
- Type "text" to install without GUI
boot:

 と表示されますので、textとタイプします。ネットワークインストールでは、GUIのグラフィカルモードは使えませんのでテキストモードを使用します。
 
 2-3.言語選択

 インストール時に使用する言語を選択します。ここでは当然Japaneseを選択。

| Choose a Language |

English
Japanese
Simplified_Chinese
Traditional_Chinese
Korean

 2-4.キーボード選択

 日本語キーボードを使用する場合はjp106を、英語キーボードは最後のusを選択。ここではjp106を選択。

| キーボードの種類 |

 :
it-ibm
it2
jp106
la-latin1
 :

 2-5.インストール方法

 インストール元を指定します。CD-ROMから起動した場合は、CD-ROMとHDが追加されています。ここではFTPを選択。

| インストール方法 |

NFS image
FTP

 2-6.TCP/IP設定

 このマシンのネットワークアドレスを設定します。サーバーとしての使用ですから固定アドレスにします。ここでキチンと設定しないとインストール先のFTPサイトに接続できなくなり、先に進めなくなります。

| TCP-IP の設定 |

[ ] 動的 IP 設定を使用する (BOOTP/DHCP)

IPアドレス:
ネットマスク:
デフォルトゲートウエイ(IP):
プライマリネームサーバ:

 2-7.FTPのセットアップ

 FTPサイトに接続してインストールします。FTPミラーサイトを参照して下さい。大文字小文字は反映されますので間違えないように。

 なお、各ミラーサイトは接続数が設定されているようなので曜日や時間帯により接続できないことがあります。その時は、別サイトにするかしばらく待ってから再接続した方がいいでしょう。

| FTP のセットアップ |

FTP サイト名:
インストールディレクトリ:

[ ] anonymous(匿名)FTPを使わない

【FTPミラーサイト】
FTPサイト名 インストールディレクトリ
ftp.dti.ad.jp /pub/Linux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.iij.ad.jp /pub/linux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.kddlabs.co.jp /pub/Linux/packages/turbolinux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.mirror.nucba.ac.jp /mirror/TurboLinux-J/ ---- FTP Error ----
ftp.nuie.nagoya-u.ac.jp /pub/Linux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.st.ryukoku.ac.jp /pub/Linux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.u-aizu.ac.jp /pub/os/Linux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.jaist.ac.jp /os/Linux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.airnet.ne.jp /mirror/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.twin.ne.jp /pub/linux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install
ftp.denshi.ac.jp /pub/Linux/TurboLinux/TurboLinux/ia32/Server/7/install

 FTPサイトに接続したら次のメッセージが表示され、約3〜5分程度でインストーラモジュールがロードされます。

|ロードしています|
/mnt/runtime/usr/ ramdisk をロード中です

|インストーラ|
ターボリナックス へようこそ!

 2-8.インストールの種類

 ここでは、新規インストールしますので標準インストールを選択します。

|インストールの種類|

標準インストール
アップグレード
セキュア イレース

 2-9.インストール先設定

 自動パーティション設定を選ぶと、全てのパーティションが削除されますので注意がして下さい。特にWindowsと同居させようとして自動パーティションを選ぶと全てが消滅してしまいます。

 ここでは、手動パーティション設定で/boot、/、swapパーティションを作成します。

 ループバックインストールは、WindowsのインストールされているパーティションにLinux用のパーティションを作成するそうです。(試してないのでわかりません)

|インストール先設定|

自動パーティション設定
手動パーティーション設定
ループバックインストール

 2-10.TFDiskによるパーティション設定

 TEXTモードでは、TFDiskが選択されます。細かいパーティションの設定が必要であればFDISKも選択できます。このTDFiskは残りの空き容量を計算しません。グラフィカルでは計算してくれるのですが。

 しかし、最初にパーティションの設定を決めてありますので、その方針でパーティションを設定します。

 容量は、MB(メガバイト)単位で指定しますが、ある程度誤差(システムで丸めてしまう)が出ますが支障はないようです。

 DOS Free (xxxxxxMB)を選択し、Enterキーを押します。

|TFDisk|

/dev/hda (xxxxxMB)
 DOS Free (xxxxxMB)

 OK 全削除 再読込 RAID LVM 戻る

 パーティションの追加を選択。

|メソッド|

メソッドを選択して下さい
パーティションの追加

 最初に/bootパーティションを作成します。容量は64MB必要ですから64を入力し、次にLinux ext3を選択し、マウントポイントに/bootを入力します。

|TFDisk|

ファイルシステムとマウントポイントを修正して下さい
 容量(MB):64 /xxxxx

Linux ext2
Linux スワップ
Linux ext3
PPC PreP Boot

マウントポイント:/boot

 /bootパーティションに64MBを設定したのに、結果は62MBしか確保できていないが警告メッセージがないのでこれで良しとする。

 次に、DOS Free(xxxxxMB)を選択し、/ パーティションの設定に。

|TFDisk|

/dev/hda (xxxxxMB)
 /dev/hda1 (62MB) -> /boot(linux ext3)
 DOS Free (xxxxxMB)

 容量の設定は空き容量から256MBを引いた残りを入力する。ファイルシステムは/bootと同じLinux ext3を選択し、マウントポイントに / を入力する。

|TFDisk|

ファイルシステムとマウントポイントを修正して下さい
 容量(MB):xxxxxx /xxxxxx
Linux ext2
Linux スワップ
Linux ext3
PPC PreP Boot

マウントポイント:/

 最後は、残り全部(256MB超えている)をswapパーティションとしてLinux スワップを選択する。マウントポイントにはLinux スワップを選択すると設定されるので改めて設定の必要はない。

|TFDisk|

ファイルシステムとマウントポイントを修正して下さい
Linux ext2
Linux スワップ
Linux ext3
PPC PreP Boot

マウントポイント:

 パーティションの作成が終わると、フォーマットパーティションが現れる。ここで注意が必要なのは不良ブロックをチェックするにチェックすると、相当な時間がかかることを覚悟しておくことが必要だ。

 ここは、このまま両方をフォーマットする。

|フォーマットするパーティションの選択|

[*] /dev/hda2 /
[*] /dev/hda1 /boot

[ ]フォーマット中に不良ブロックをチェックする

 2-11.LILO

 1024シリンダ以降、等という表現が最近では古いマシンにインストールすることが少なくなったせいかあまり見なくなりました。1024シリンダはハードディスクの8.4GB以降をさすもので、これ以降にブートイメージを置くと起動できないという問題がありました。これを回避するためにLBA32モードを使用します。但し、FDからは支障なく起動が可能です。

|LILOの設定|

[ ] リニアモードを使用する(一部のSCSIドライブで必要)
[*] LBA32モードを使用する (一部の大容量ドライブで必要)

 LILO(Linux Loader)は、Linuxと他のOSも起動することが出来ますが、ここではLinuxのみの起動ですので省略します。マスターブートレコード(MBR)を選択します。

|LILOの設定|

ブートローダーをインストールする場所を指定して下さい

/dev/hda     マスターブートレコード(MBR)
/dev/hda1     ブートパーティションの最初のセクタ

 システムをブート(起動)するデバイス、ブートラベル名称を指定します。フロッピーディスクからブートしなければこのままでいいでしょう。

|LILOの設定|

デバイス パーティションタイプ  デフォルト ブートラベル
/dev/hda2 Linux Native      *     Linux

 2-12.ホスト名の設定

 ホスト名つまりマシンの名称を設定します。私はLinuxの開発ネームを使っています。ちなみにTurboLinuxServer7はesprit、TurboLinuxServer6.5ではJupiterです。

|ホスト名の設定|

ホスト名

 2-13.タイムゾーンの設定

 ここでは、使用する時間帯を指定します。Asia/Tokyoを選択します。

|タイムゾーンの選択|

[ ] システムクロックで UTC を使用?
Asia/Tokyo

 2-14.Boot パスワード

 Bootパスワードは、管理者つまりrootのパスワードをさいます。システム全体の管理を司りますので極めて重要です。パスワードは、英数字の組み合わせが有効とされています。英字だけの単語はすぐに見破られるおそれがあります。

 ここでは、管理者つまりrootのパスワードの登録になります。ユーザーアカウントはインストール終了後速やかに追加するようにしておかないと、ネットワークからのログインが出来ないこととなります。

|Boot パスワード|

パスワード:
パスワード(再入力):

|メッセージ|

パッケージ情報を読み込んでいます...

 2-15.インストールパッケージ選択

 このマシンでは、サーバーの仕様ですから、インストール後は本体のディスプレイを使用することはありません(初めから付いていないけど)。従ってX-Windowsはインストールの必要がありません。

 以下のメニューではX-Windowsがインストールされますので、カスタム選択で必要最小限のモジュールをインストールします。

|標準選択|
  
ランタイムシステム( 625MB)
インターネットサーバー( 669MB)
イントラネットサーバー( 804MB)
すべて(1573MB)
 OK カスタム選択 各種設定 戻る

 インストールから除いたものです。ここでは311MBのトータル容量になりました。

|カスタム選択|

311MB
[ ]X用設定ファイル
[ ]X-Window-System
[ ]GNOME
[ ]KDE共通

 インストール開始のメッセージが表示され

|インストール開始|

 /boot、/ パーティションのフォーマットが開始されました。

|フォーマットしています|

 パッケージ数254、容量318MB、インストール時間は約30分。(ここのADSLの下りは約1.3MBであるようだが、実際は1MB位ではないだろうか。交換局から2Km超。)

|パッケージのインストール|

パッケージ 254
容量 318MB

 2-16.セキュリティレベル設定

 サーバーがインターネットに接続する前提で高レベルを選んでおくこと、サービスの起動は最小限に設定されます。高レベルでのサービス起動は、network、randam、rawdevices、keytable、apmd、atd、pcmcia、syslog、crond、xinetd、sshd、synctimeのみです。

|セキュリティレベル設定|

(*) 高レベル
( ) 中レベル
( ) 低レベル

 2-17.ブートディスク作成

 システムがハードディスクより起動できなくなったときに、FDから起動させますので安全のために作成します。

|ブートディスク|

システムのブートディスクを作成しますか?

 2-18.完了

 基本システムのインストールが完了しました。再起動してエラーが表示されないか確認して下さい。

|完了|

インストールが完了しました

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