おすすめ漫画「ぼくはおとうと」非公式紹介ページ
講談社のアフタヌーンKC 作者:小原 愼司
主人公は両親を同時に交通事故で失った姉弟のおとうと(高校生)
その彼の何気ない日常を描いた作品
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もくじ
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第1話 おねえさんといっしょ
2年前から姉と2人きり、
両親は事故で死んだ。
色々な事を二人で決めるようになって、
気づいた事がある。
人生はキビシイ、
敵だらけでもないが、
味方はいない。
信じられるのは肉親だけ、
僕らは目立たない様に生きていた。
第2話 月の夜の屋根
ダッチワイフ、
僕が見たのは彼のダッチワイフ。
彼の言葉を思い出す。
夢想家は役立たずだ。
ダッチワイフに月夜の屋根を歩く美女を見た僕も、
役立たずの夢想家だ。
第3話 にこにこぷん
大体の人は金か力で、
現実に抵抗する。
運のよい人は、知恵か美しさで、
何も持たない人は、
妄想で、
現実に抵抗する。
僕には選択の余地がない。
第4話 かたい蓋
僕も姉さんも死んだ両親の事を、
ほとんど口に出す事はない。
姉さんの生まれなかった子供のことも、
勿論、
忘れた事はなかったが。
大事なものをなくした現実に、
向かいあう勇気が、
僕らにはない。
第5話 放蕩息子
僕は美大に進路を決め、
知り合いの紹介で、
絵を習い始めた。
それはほとんど、
気休め程度だったが。
デッサンの相手は、
マルスやアグリッパの胸像ではなく、
人形だった。
僕はその人形に、
引き付けられていた。
第6話 夜歩く
僕は、
その日、
初めて、
お酒を飲んで、
その帰り道、
初めて、
補導されたが、
一度、
交番を覗いてみたかったので、
かなり気分は良かった。
第7話 死んだ猫
死んだ猫を拾ったことがある。
ずいぶん小さな頃に、
僕は、
猫を抱きたかったのに、
あの小さなツメとキバに、
気圧され、
触る事も出来なかった。
ある日、
きれいな猫の死体を見つけた。
幼い自分も薄々、猫の死には気づいていたが、
そのまま家に持ち帰った。
その猫は、
かみつきも、
ひっかきも、
しなかったし、
ひょっとすると、
眠っているだけかもしれないと思いながら。
最終話 死んだ猫に
僕は、
ときどき、
姉さんの首をしめます。