D&D Basic Rules Boxed Set

編集責任者Tom Moldvay
制作/レイアウトHarold Johnson and Frank Mentzer
編集/シナリオLawrence Schick,Allen Hammack,David Cook,Kevin Hendrix,Jon Pickens,Patrick Price,Paul Reiche III,Evan Robinson,Ed Sollers,Don Snow and Steve Sullivan
挿絵Jeff Dee,David S. LaForce,Erol Otus,James Roslof,Bill Willingham
表紙Erol Otus
第 2 版編集J. Eric Holmes
Special Thanks toBarbara Davis,参考文献の一部を編集するにあたってお世話になった Lake Geneva 公共図書館の司書さんです。
ページ数64
発売日1981 年 1 月

概要

Tom Maldvay 編集の,D&D(R) 第 3 版 Basic Rules ボックス・セットです。First printing - January,1981 とあるので,店頭に並んだのは 2 月以降でしょうか。箱には以下のものが含まれます。

  1. Dungeons & Dragons(R) FANTASY ADVENTURE GAME BASIC RULEBOOK
  2. B2 The Keep on the Borderlands
  3. Dragon Dice

BASIC RULEBOOK の表紙は朱色に近い赤で,緑色のドラゴンと戦う戦士と女魔法使いが描かれています。TSR, Inc. がまだ“TSR Hobbies, Inc.”という名前のころに出版された製品で,TSR のロゴには“The Game Wizards”の文字があります。おもしろいことに,「この本にはバインダーで綴じるための穴が開いているので,この本のページをセクションごとにばらばらにして,これから発売されるルールブックと混ぜ合わせて 3 穴バインダーに綴じるとよいでしょう」と書かれています。ご丁寧なことに,きちんと定規を使うようにとの注意書きまであります。

BASIC RULEBOOK は以下の 8 つのセクションに分かれています。

第 1 部「はじめに」
全体的な背景の説明と簡単な用語の定義です。
第 2 部「プレイヤー・キャラクターについて」
プレイヤー・キャラクターの作り方が順序よく説明されています。
第 3 部「呪文」
マジック・ユーザー,エルフ,それにクレリックの呪文の解説です。
第 4 部「アドベンチャー」
アドベンチャーの進行の手順について書かれています。装備の価格や重量,キャラクターの移動速度,経験点の算出などといったルール的な事柄ばかりでなく,パーティの編成や隊列,地図の描き方などに始まり,ダンジョン内で気をつけるべきことに至るまで,様々なアドバイスが掲載されています。
第 5 部「エンカウンター」
モンスターに遭遇し,戦闘が始まるまでの手順と,戦闘での処理についての説明です。戦闘の例に 1 ページを割いてあります。
第 6 部「モンスター」
D&D(R) に登場するモンスターが 100 種類以上掲載されています。
第 7 部「財宝」
アドベンチャーでキャラクターが得るであろう品物についての説明です。
第 8 部「ダンジョン・マスター用情報」
シナリオの作り方と運用にあたってのアドバイス,それにサンプル・シナリオとリプレイが 1 つ載っています。

これらのほかにも,第 1 部で説明しきれなかった略語の説明や,参考になるであろう数々の書籍の紹介があり,最後のページには GEN CON の広告が大きく載っています。 第 4 版の半分である 64 ページという限られた紙面ながら,過不足なくロール・プレイングのエッセンスを詰め込んだ,すばらしいルールブックです。

いまさら説明の必要もないでしょうが,このセットで扱っているのはレベル 1-3 のキャラクターを対象としたダンジョン中心のアドベンチャーです。レベル 4 以降のキャラクターや屋外での冒険については Expert Rules で詳しく説明されます。また,レベル 15 から 36 のキャラクターを扱う予定の“D&D(R) COMPANION SET”に関する記述もありますが,実際には Companion Rule Set は第 4 版になってから発売されましたし,扱うレベルも 15-25 でした。


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