ファミコン説法 [不定期更新コラム]
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ゲーム解釈学 2002/02/16
ゲームが大容量になってから、メタルギア、Dの食卓とか手柄は親の総取り
みたいなゲームがあります。多いです。確かに世界観は大事です。
でも、世界観に染まれるか染まれないか、それだけのゲームが増えてます。
例えば、別に小島Pの掲げるテーマなんてどうでもいい自分にしてみれば、
せっかく良く出来たアクションなんだから、ハリウッド的な安いドラマ挿入
は程々でいいと思うのですが、ファンはソコに「感動した!続編希望!」と
言わなければいけないらしいですね…グリーンベレーは良かった(シミジミ
本来、「続編希望」という賞賛というのは、やり残している部分を感じる作品
に与えるものだと思うのです。批判が無い作品に続編を希望するというのは、
ユーザー側で自分の頭で消化されて無い事の表れのような気がします。
想像するに、この作品は世界観が秀逸でゲームバランスもとれている、機会が
あったら是非やってみてほしい…と、お決まりの文句に納得して買ってみた
ところ、確かにそういった印象を受けた。これは良質なんだ続編も期待だな…。
どこか納得いかないのに、いつのまにか「そういうモノ」だと思ってませんか。
作家の意図した所や、雑誌が説明した所を楽しむゲームって多くないですか。
国語の授業が好きだった人には解らないかも知れません。
「太宰治は私小説で破綻の美学だ」なんて説明受けると、先生を尊敬の眼差し
で見てしまうくらい納得して、たまたま反抗期なんかにあると読み漁る人。
心理学的に言えば、威光効果によって形成されたバイアスが云々と説明されそう
ですが、確かに太宰的な人生を歩むのは、一般的に考えて不都合で得るものより
失うものが大きく「破綻」と説明づけると安心感があります。納得させます。
しかし、作品は一人歩きをするから解釈学などがワザワザ存在するわけです。
作家が意図した所と、教師が意図する所、それはそれで存在を否定しませんが、
そこで納得できる作品は全然深く無いし、続編は不要では無いかと思います。
少なくとも、説明されて納得出来る概念って、殆ど大した事無いですよね。
制作者の独善主義、内輪ネタに笑えなければ遊べない窮屈な作品、本来マニア
向けでしかないものが安易に名作として紹介されて来た事の後遺症でしょうか。
発売本数から言って確認されずに名作として語られて来たメタルスレイダーとか。
ゲームの楽しみ方の一つの方法論、映画的評価が絶対的になってしまった…
もっとも、ゲーム機がDVDを再生出来る時代だから仕方ない所はあるにしても。

ゲーム分類学 2002/02/16
最近、かつてクソゲーと呼ばれていたものが次々にバカゲーに変化してますね。
この世にクソ人間はいないと言う如く、世の中にはクソゲーなんて存在しないと
言う空気がありますよね。この調子でいけば、FF8なんかも10年後にはバカ
ゲーと認知されそうな勢いです。駄作が批判できないなんてあんまりです。
それはバカゲーなんですか、どこがバカゲーなんですか、何を以ってバカゲーと
しているですかと聞いてもハッキリしていません。乗るか反るか、勝つか負けるか
しか無かった時代に生きてきたファミコン世代からみれば、小遣い叩いて買った
作品がクリアを拒絶していれば、自動的にクソとしか言いようが無かったのに…。
呆れるほどクリアしがいの無いゲームも、やはりクソとしか言いよう無かった…。
ゲームの難易度は低下してるうえに、改造ツールやエミュレータで、クリアが
簡単になった事で、明らかに評価能力が低下しています。
そもそも、クソゲーという定義はみうらじゅんによる感覚的概念であるために、
適用条件や選別方法などが確立されていません。バカゲーも同様です。
ゲーム動作部分のレベルで4分割、勝手に仮条件を提示してみましょう。
 良質なゲーム…適度な労力でクリア出来て、最後まで楽しかった
 軽度のクソゲーム…クリアは可能だったけど、途中から投げ出したくなった
 バカなゲーム…クリアを拒絶してはいたけど、途中で快感も感じた
 重度のクソゲーム…クリア不可能、途中で投げた
上の条件ならゲームの難易度と、自己の主観で決定出来ます。重要なのはゲーム
のジャンルではなく、浸透しやすいかどうか主観的な親近度という事です。
主観が介入する以上、必ずしも絶対的なクソ・バカが無い事実を証明しています。
しかし、なんでもかんでもバカゲーにすれば良い訳で無い事も説明出来ます。
あとは、ゲーム市場的には表面上クソに見えたり、表面上バカに見える2つの
「ジャンル」の存在を認識して区別しておかないと評価を誤ってしまいます。
 固定客ゲーム…続編・キャラ・大作・作家の属性を持ちワゴン落ちしやすい
 偽バカゲーム…意図的な操作で偽装、クリアが容易に可能な点で判断可能
「主観的概念」と「一般的ジャンル」を混同すると、偽バカゲーを掴まされます。
冒頭に出したFF8の例に戻ると、恒例行事に似た固定客ゲームに属していて
自分には軽度のクソゲームと判断できるので駄作に振り分けています。
FF8程度の難易度に断絶感を味わって、それでも楽しめたと言う人間がいるなら
その人にとってFF8バカゲーなり名作と言えるかも知れません。
ボヤいていても始まらないってことで、最近は重度のクソゲーなのに苦し紛れに
バカゲーと言てるケースや、偽装したバカゲーをバカゲーと言っているケースが
目立ち嘆かわしいと、そういう思いをSWATの攻略記事に込めました。
参考 SWAT攻略記事


BROUGHT YOU BY FAMICOM BUDDHA 2002

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