「人あるところにお酒あり」という言葉があったような気がするが、それだけ酒は人にとって身近なものである。
これは、当然といえば当然で、食べ物、特に炭水化物が多めのものは、酒になりうるからである。ほっときゃ出来てることがあるのである

生物のほとんどは、普段は、酸素を使って糖を分解し、水と二酸化炭素にすることによって、エネルギーを得ている。ところが、酸素が乏しい状態になると、エネルギー発生効率の悪い分解によって、エネルギーを得ようとする。
この、効率の悪い分解は、いくつか種類があるが、このうちエタノール(早い話が、飲めるアルコール)を作り出すものがある。これにより酒は作られるのである。
酒には多くの種類があるが、それは、材料や、使用する細菌、作ったあとの加工によってである。

腹がすいたときに酒を飲むのは結構危険である。
胃は自分自身を溶かさぬよう、粘液を分泌して、胃壁にめぐらせ、ガードしている。ところがアルコールはこの粘液を溶かしてしまう。
先に何か食べていれば、粘液の分泌量も増えるので、多少の事では粘液のガードはなくならない。
しかし、食べる前に飲むと、粘液の分泌量がすくなく、ガードがはげてしまう。そして、胃液は胃自体を消化してしまい、胃潰瘍などになるのである。

吸収したアルコールは肝臓にて分解され無害化される。
この能力が生まれつき弱い人達が下戸と呼ばれるひとたちで、これは遺伝するのである。
しかも、下戸の人はモンゴロイド(黄色人種)にしか存在していない。これは、人類の分化の過程の上で重要な証拠でもある。

酒は人類とは切っても切れないものである。禁酒法というものがあったが、結果は、完全なる失敗に終わった。
結局、人間の体が求めてしまうのである。飲みすぎさえしなければ、ほぼ害はないし、リラックスもできる。適度に飲むなら、まったく問題はない。
「酒は飲んでも飲まれるな」という言葉、まさに至言というべきであろう。


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