FF4DSの完走…もとい感想
『正義よりも正しいことよりも、大事なことがある』
これは試練の山でセシルがパラディンになった時のクルーヤの台詞です。
SFC版が出た時から、これが何なのか色んな意見がありました。(分からなかったって意見も少なくなかったような)
私は、昔から『人を許すこと』かなと漠然と考えていたんですが、DS版はそこら編の話が強調されているような気がしました。
もともとFF4はセシルが自分の罪を償うために祖国を捨てて、最後はゴルベーザを許す事で終わるお話じゃないですか。
DS版ではラストダンジョンのリディアの一言コメントで、そこら辺をズバリ言っちゃってるんですよね。
セシル……。許せないの……お兄さんを……?
私も憎んでた……。最初は……セシルを……。
なぜお母さんは……ドラゴンをセシルたちに……?
守ってたんだ……。お母さんもドラゴンで……!
セシルも……私を守ってくれた……。
許さなきゃセシル……。ゴルベーザを……!
上から順番にラストダンジョンを進むたびに更新されていきます。素晴らしい。ラスボス戦ではいつも寝てるけど、リディアってストーリー上は重要キャラですよね。リディアの件がなきゃ、話が動かなかっただろうし……。おっと脱線しましたな。
セシルとゴルベーザ、セシルとリディアの関係以外にも、テラがギルバートを許したり、セシルとローザがカインを許したり。
憎まれたり、許されたり、色々あって最後に対決する相手が、『すべてを憎む』って言ってるゼロムスだっていうのがまた面白い(ゴルベーザのHPも2943(にくしみ)ですしねー)。セシル達とゼロムスは対の存在なのかなぁと思いました。
全体的な感想はこれぐらいで後はバロン三人組+ゴルさんの印象などを。
■セシル
CV効果かもしれませんが……キャラ……変わった……?
何か色々変な属性が付いてますね。エッジいわく不思議系キャラだし。
酒場でミルク頼んだり、幼女に哀れまれるような悲しい表情するし、フライパン渡されて、「これで何かを作れば……?」とか天然発言するし。
新しいイベントを見た限りでは、セシル母はバロン王が昔愛した人だったって話のようですね。なんという主人公補正。
子供時代にカインに言われてた通り、甘やかされていたのは間違いないと思った。
えーと、一言コメントを見てもよく分からないキャラだと思いました。
印象に残ってるのは、この二つ。
・リディアが仲間入りした後の『ありがとうリディア……。この償い……僕の一生を賭けてでも……』
上に書いた事と繋がるんですが、セシルの償いってゴルベーザを倒す事だったんでしょうね。
・ラストダンジョン突入前の『僕は……どうしたい……?』
これは見てちょっと切なくなりましたね。ローザへの気持ちすら、危機的な状況にならないと気付けなかった奴ですからね。
それにゴルベーザのやった事を考えると、自分の気持ち一つでゴルベーザを許してしまっていいのか、そういう迷いもあったんでしょう。
リディアだけじゃなくて、ミシディアやミストの人たちへの償いもあるし。テラへの誓いもあるし。
能力的には、かなり強化された気はします。白魔法プロテス、シェル、レイズ地味にありがたい。回復量も装備次第ではローザ超えるし。
終盤すばやさが上がらなくて、スカスカ攻撃外しちゃうんですが、地下世界あたりからセシルに『引き付ける』を付けないと安定して戦えないので、大変お世話になりました。老若男女、すべての人を守るって戦いぶりが、パラディンの性質と合ってて素晴らしい。不言実行ですよ。
ボス戦で、セシル一人だけが立ってる状況とかザラにあったなぁ。そこから挽回するのがまた大変なんですが…。
CVは、SFC版のテキストのイメージが強く残ってて違和感を感じる部分もあるんですが、台詞の解釈の幅が広がったりして好感をもてました。
以下、いい!と思った所。
・オープニングのセシルとローザのやり取り全般
・パラディンになるシーンの『これは僕自身との戦いだ!』 セシルが珍しく激するシーン。
・シド離脱時の『バロンへ向かう……』 感情殺して言ってる感じ出てて良いです。
・テラ死亡時の『テラ……アンナの仇は……僕らが……!』 SFC版だと『僕らが討つ!』って言い切っていたんですが、ちょっと変わってますね。感情殺しつつも強い意志を見せる感じが出ていていい。
・カイン復帰時の『何も言うな』 セシルがこの一瞬だけ笑うんですよね。何気ない台詞だけど好き。
・ラストバトルの 『負けるわけには……行かないッ!』。名台詞。某所の中の人の発言のせいで、笑ってしまうではないですかorz
SFC版より台詞が控えめだったり、ローポリキャラがあんまり表情変えなかったりで、声優経験がない人にやらせるには難しい役だったんだろうなーと思いました。別に……これは……棒読みじゃないんじゃない?
■ローザ
DS版やって株がストップ高です。強いヒロインは好き。
ラストダンジョンに行く前の『私がいなければ回復はどうするの?』『分かった、あてにしているよ』のやり取りは、恋人同士じゃなくて、戦友みたいでしたよ!時代に即した感じにしたかったのかなぁ。
ストーリー的にはあんまり重要じゃない(ぉぃ)けど、能力的にはかなり重要キャラになりましたね。ラスボス戦では、全体化ヘイストやケアルガにお世話になりました。祈るも回復量が増えた上にMPまで回復するようになって、使いやすくなりました。
ただHPはリディア並に低く…orzエッジと同じぐらいは伸びたのになぁ。
一言コメントでは周りの人たちへのやさしさも見せていていい感じでした。
印象に残っていたのは、この辺かな?
ラストダンジョン深部の『私だけじゃない……みんな……あなたが好きなのよセシル……!』『だからセシル……自分の思いのために……!』
この台詞も深い。
この戦いセシル自身の為のようでいて、そうでなかった部分があるから……。(主に血に翻弄されて)
最後は唯一の肉親を助ける為に戦ったっていいじゃないかっていう。さすがローザ。
この台詞でセシルって自分の気持ちにも他人の気持ちにも鈍い奴なんだなと、理解しました。
■カイン
DS版やって、えらく繊細な奴なんだと思いました。『フッ』とかクールっぽく振舞ってるけど、そんなのポーズに過ぎなかったのですね。
何回も操られちゃうのは、そこら辺が原因なのかなぁと。
能力的には、セシルに次いで生き残りやすいので、ボス戦では頼りになりました。DS版はカウンターが痛いので、一回の攻撃で大ダメージを与えられるジャンプも生きるし。ただ、HP低くなっちゃいましたよね?セシルには劣るけどもっと上がっていたような。
基本的にボス戦はセシル・ローザ・カインの三人いればどうにかなるんですよね。
FF4の話自体がこの三人のマッチポンプだった事を象徴するかのようなバランスですな。
一言コメントは自分への問いかけ系が切ない。
印象に残っていたのはこの辺。
・ヤン離脱後『俺は……命を捨てられるか……?ヤンのように……』 自己犠牲に憧れてませんか?
・シド離脱後『あんたがいなきゃ……誰が俺を叱咤してくれる……!?』 それほどシドに依存していたとは。(この時セシルは前に進むことしか考えてなかった)
・月のクリスタルとの会話『セシル……俺を許すなら……ゴルベーザを……』 カインもこう言ってるんだから、素直になろうぜセシル……。
・ラストダンジョン突入後『グッ……違う……!俺は……』『俺は……セシルを……憎んでなど……いない……!』『ローザ……おまえを……憎めるはずが……!』『なめるなよゼムス……人の……心を……! 』ちょっ、ラストダンジョン突入後もゼムスの思念で苦しんでいたんですかorz 切ない。
■ゴルベーザ
ゴルベーザは本名じゃなかったんですね。そりゃそーだ。
追加エピソードを見る限り、ゴルベーザは全然悪くないじゃないですか。
『いいですとも!』はカットされなかったけど、声付きじゃなかったorz
CVは悪役モードの時は良かったんですが、正気に戻ってからはなんか調子狂うなぁと思ったのは私だけ……?
地下世界で戦った時はえらく強くなってて驚きました。バリアチェンジはやめて……。
THE ENDの画面で、クルーヤ、セシリア、幼少ゴルベーザの三人の後姿が出た時は感動しました。ああ、セシルはたった一人の肉親とももう会えなくなっちゃったんだなぁと。TAで会えるといいですね……。