セルゲイ決意


「皆さん、目を覚ましてください!!」
08:セルゲイは山頂から大声で叫んだ。
こんなことをしたら原作のバトロワのように殺される危険性が大であったが、セルゲイにはそうならない自信があった。
ハカロワの良心、仲裁役と言えばセルゲイ。
そうした信頼を勝ち取ることに成功しているからだ。
セルゲイは叫ぶ。山頂のさわやかな空気と必死な熱気が合わさり、異常な雰囲気が出来上がる。
(誰が、誰か来てくれ)
気が薄れそうになったその時。
「セルゲイさん!」
声がした。

(やった)

ふと気が抜けて、片膝をついた。
達成感がある笑顔を声の方に向けた。

現れたのは、33:#4-6と17:NBCであった。
「僕らもセルゲイさんに協力しますよ!」

(これならきっと、うまくいく)

セルゲイは確信に近い思いを抱いて、彼らと握手を交わす。
そうこうしているうちに、また人影が現れた。

「セルゲイさん!」
声がした。

(やった)

三人目。
これで自分を含めれば一割の賛同者を得たことになる。

「あなたの事嫌いでした!!」

思わずこけるNBC。
それを踏み台にして、31:にいむらの膝が来た。

「セルゲイさん、危ない! 逃げてください!」
#4-6が間に割って入る。
ガツンと嫌な音がして、#4-6は倒れた。即頭部が陥没し絶命している。

「き……貴様ッ!」
セルゲイが怒りに身をふるわせる。
2mの巨体が、いつもより大きく見えた。
「ひ!」
予想外の体格差に、にいむらはおびえた。
だがもう遅い。
セルゲイはにいむらの首根っこを捕まえると、そのまま地面に叩きつけ、馬乗りになると左右の巨大な拳を
振り下ろした。
「ひぎゃあああ」
「にいいぃぃいいむらああぁぁあ———ッ 君がッ!  泣くまで!  殴るのをやめないッ!」

NBCは、セルゲイの攻撃があまりにも激しいため、思わず止めに入った。
「セルゲイさん! それ以上いやったら死んでしまいます!」
NBCがセルゲイの左手にしがみつくと、そのスキを逃さず、にいむらは抜け出した。

「NBC! 僕はもう我慢の限界だッ! 邪魔をするなッ!」
座ったままNBCに抗議をするセルゲイの肩を利用して、にいむらの膝が来た。
またガツンと嫌な音がして、NBCが倒れた。眉間から流血し絶命している。

「なっ!何をするだァ————ッ ゆるさんッ!」
叫び掴みかかるセルゲイをかわして、にいむらは逃げ去った。
「この体力バカめ! いつか殺してやるからな!」

【17:NBC 死亡】
【33:#4-6 死亡】
【31:にいむらたくみ 逃げる】
【08:セルゲイ 調停失敗】