「大人っぽくなったね」 「そう?」 カモメ鳴く、茜ちゃんそっぽ向く病室(どんなだ) 「髪、似合うよ?」 「——ありがとう」 「……」 「働いてるんだってね」 「どう?」 「……うん。結構、大変」 「あ……」 「……」 「——そうだ」 「ん?」 「水月、水泳……やめたんだって?」 「え……」 「……」 風が吹き込み、水月の顔を撫でゆく 「まぁ、ね」 「どうして?」 「……うん」 「限界——感じちゃってさ」 「それで……」 「限界?」 「……」 「っ……」 堪えられなくなり、そっぽ向いてしまう茜ちゃん 「……」 「……」 「ん……」 うつむく水月 「ごめん。やっぱり、ちゃんと話す」 手をモジモジさせつつ 「え?」 「遙、あたしね——」 「っ!?」 何を言わんとするか察して、はっと振り向く茜ちゃん 「あたし……」 「あたし、孝之と——」 「っ?」 「……ごめん」 さて、バイト編。孝之が食器運んでる所がカットインされます 「嘘——」 「嘘でしょ? 水月——」 「……」 「……」 「茜?」 「ぇっ? っぁ……」 気まずそうにうつむき、顔を背けます 「どうして……」 水月を見つめつつ。シーツをギュッと握りめる遙 「どうして……水月が……?」 「ごめん……。遙が事故に遭ってから、色々あって……」 「……」 「——でも、もう別れた」 「ぇ……?」 「……」 「あたしが悪いんだ」 「っ?」 「……?」 「あたしさぁ、別に、孝之のこと好きだったわけじゃなくて……」 「なんていうか……誰でも、よかったんだよね」 「ぁ……」 「辛かったからさ……」 「あ、それは、遙のせいじゃなくて」 「——あたし自身が、弱かったから」 「……」 「そしたら、ちょうどそばに孝之がいて」 「それで——」 「別に、気持ちは無かったんだけど……」 パンッ!! 「あっ! はぁ、はぁ、はぁ……」 「遙……」 「ごめん——」 「……出てって」 「……」 「今すぐ出てって!!」 「ぁ……」 遙も泣いてます。水月は、涙を拭いもせず、逃げるううに走り去ります さっきの衝撃で落ちた花びらを、風がさらっていく 嗚咽をあげながら、走っていく水月 「水月が悪くないのはわかってる!」 「だって……だって、私は三年間、孝之君に何もしてあげられなかったんだもの!」 「お姉ぇちゃん……」 「でも……嫌ぁ!」 「……」 茜ちゃんも泣いてます ……というか、一番割りくったのって、茜ちゃんだよね 連れてきたらいきなりカミングアウトで、気まずいったらないですな (まぁ、前回の暴走の報いということで、涙をのんでいただきましょう) |