全裸にマントの魔剣士



円環少女 サークリットガール 煉獄の虚神(上)
初読:2006年5月1日
再読:−(予定無し)


全体評価 並上〜中下



ショーガクセーのサドっ気女の子魔法使い小説第二弾!!

これは上巻ということで、色々な部分は纏めて下巻の感想の方で

話としては、連載第一話——武原とメイゼルの出会いをイントロとして一番最初に
話が終わった後、今までのはきずなが過去を夢の形で覗いていたのだ——というのはいいと思う
時系列も上手く繋げられるしね

そしてメイゼルの二連敗、
神に匹敵する魔導師と瑞希や五百十二分身をする最高位魔導師といった協会、公館側とのバトル
最後はメイゼルの三連敗で上巻終了となります


内容的には、武原のヘタレとメイゼルのS娘っぷりと前巻以上の魔法バトル
カッコいい伽羅なんかも出ますよ〜
基本シリアスだが、きずなと瑞希や武原、メイゼルらの笑えるシーンもそこそこありました
凄かったのが、〝全裸に黒マントの女剣士〟 錬金大系は変態さんばっかですか?
……全裸で笑いながら空を飛ぶ変人より、真顔で全裸マント女の方が、怖いよな

てか、最初の脱衣に加え、「裸」の文字が五回。四ページ中
(肌描写は三回)
……そんなにハダカが好きか!

九音「さらに二ページ後、全裸剣士の描写に加え、増援にも最初から全裸の者……真性ね」

読者受け——するのか俺は疑問だが——もバッチリだね♪


分量的には1、3巻が300枚超なのにこの巻は200枚ちょいなので、読む時間も短かった
最初「あれ——? おかしいな、読み慣れたのか?」とか、時計見て疑問に思いましたからね


以下は文章について。やはり読み辛いことに変わりはないなぁ……
人称は、一人称に近い三人称。シーンごとの主人公の視点
(正確に言えば、主人公の後ろから世界を見ている視点者)
ラノベではかなり多い形だね。俺もこれです(一人称作品もあるが)

例:きずな
「……あの、どうしていいかわかりません」
「先生もどうしていいかわかりません」
 教室が、爆笑に包まれた。花崎さんまで背中を震わせて大笑いしている。瑞希だけが強い瞳できずなを見あげる。
「だいじょうぶ。私も……どうしていいか、わからない……」
 まじめに勉強しようと思った。


メインを「きずな」と呼んでおきつつ、
その後で「まじめに勉強しようと思った」と一人称になったような形——
は、多少気になるところではあるが
むしろ、それなりに作品を出してるプロでもこれでいいのだから——と勇気付けられるべきか

九音「世間の文章評価は『悪文』だけどね」


例2:仁
意識するとき恥ずかしくなって、早く魔法で転移してくれと指を上に差す。メイゼルは慌て
る仁の姿に、うれしそうな笑みで頬をとろけさす。意地悪が楽しくてたまらないとばかりに、
ほどけかけたリボンを結び直すまでこのまま抱いていてと、後ろ髪に細い手を伸ばした。
 ——さすがに耐えきれませんでした。

このように、唐突に語調が変わるものだから
視点者が素を出したのか、この一文だけはシーン主人公の感想なのか……


あと、挿絵。話の中で裏面が日本語になってると言ってるのに、
絵の中の名刺は英語文面じゃなく、日本語の方が表だ……

九音「気にするだけ無駄。ゴブリンを人間の少年に描いたSWの小説よりは大分マシだから」



無駄に比喩や修飾が多いんだよな。やりすぎは只でさえウザイのに、
↓のようにバトル中にやられると……。バトルは特にテンポよく盛り上げなきゃダメでしょ

 少女の黒い靴の下から、小石を投げて水面を切るように高速で波紋の連鎖が弾み、雷鳴を封じこむ風のトンネルができあがる。

 少女は観測できる限りの魔力を、巨大な井戸を構成して一気に落ちこませる、勾配を滑り落ちる電子の嵐が、幾百万の力線で魔法陣を漆黒に塗りつぶし、神罰の代行者の胸先で煌々と光を放ちだす。



相変わらずな文章ではあるが、バベルの方がそれなりに面白かったならば、
買って損は無い——とそれなりに思う






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