『最愛の先生へ』

最愛の先生へ。

お元気ですか。

こっちは秋から冬へと

風も冷たくなり色々なことが変わりつつあります。

そして私も今の生活に慣れ自分の考えを見直す

ゆとりができました。

そしてこの変わりきった生活の中でも

先生

あなたのことをいまだに思い出す時があるのですよ。

あなたの第一印象は

怖い人。

一番最初 私たちを前に

「俺はおまえたちが嫌いだ。」

なんて言葉を口にするあなた

どんなに怖かったことか。

でも口ではそんなことをいいながら

先生

あなたは一番私たちに真剣に接してくれました。

あなたは一番私たちを見ていてくれた。

造り物のような大人たちの中で

不器用ながらも真剣なあなたは

私にとってどんなに大きな存在だったか。

覚えていますか。

あの日のことを。

造り物のような大人たちの手によって

私が望まぬ籠に閉じこめられた

あの日のことを。

誰もが分かる

勝手と矛盾  不正と暴挙

造り物のような大人たちが我が身可愛いさで

傍観者の立場を選んだ中

先生

あなただけ

たった一人あなただけ

捨てられた子猫のような私に

手を差し伸べてくれた。

たった一人あなただけ

造り物のような大人たちに異論を唱え

私を救いだそうとしてくれた。

 

結果

なにも分からなかったけれど。

 

今私はまだ籠の中。

今あなたは遠くの地へ。

でも

だけどね 

現在 私も今の生活に慣れ自分の考えを見直す

ゆとりができました。

そしてその変わりきった生活の中でも

先生

あなたのことをいまだに思いだす時があるのですよ。

あなたは私に絵を教えてくれました。

歴史を教えてくれました。

努力を教えてくれました。

本当の優しさを教えてくれました。

だからもう

私は先生を待ちません。

先生を嘆き、悲しんだりしません。

私には私を守る力が

あるんだから。

先生が教えてくれたから。

この籠の本当の姿…

それは私自身の弱さなんだってわかったから。

だから私は先生を待ちません。

自分の力でこの籠の戒めを断ち切ってみせようと思います。

そして先生

私はあなたを必ず迎えにいきます。

絶対にあなたを探しだしてみせます。

そして最後に

たった一言最後に

私の口から

あなたに「ありがとう」と。

 

 

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