WAVE 〜deepⅡ〜

 

 

           暖かい手の温もりが伝わってくる。
           そっと触れただけだったけれど高耶はビクッと反応した。それを千秋が弄ぶ。

           「…ぁ・・っ……・」

           高耶がそっと声を上げる。その反応が面白くて千秋はとりあえず無言で高耶を責める。
           高耶は焦らされて焦らされて、それでもねだる事も出来ずに体をしなやかに動かす。

           「気持ちいい?」

           千秋の声がそっと耳元で聞こえる。
           声を出す時の息が、少し長い髪の毛が耳に当たってそれさえも快感の刺激になった。

           「……やぁっ…」

           高耶がシーツをギュッと握り締めた。
           千秋はもう片方の手でシーツを握り締めている手を優しく包んだ。
           その瞬間高耶と千秋の視線が絡み合う。目が潤んでいてううつろな高耶が千秋の瞳に映った。
           こんな高耶の表情を見るのは初めてだ。ただ愛らしいと思う。

           400年間側に居た。
           近づきたくても近づけない存在……一定の距離を置いてだったらいくらでも付き合えた。
           いや、そうじゃない。奪おうと思えば出来たのかもしれない。
           でも俺はこいつが幸せならそれでいいと思ってたから。

           自分の心はイイ。一緒に居られるだけでイイ。
           こんな感情を景虎に持ったのはきっと初めてではないだろうけど心の奥底に押しこめて押しこめて
           殺してきた。外に出してはいけない感情。禁忌。
           今の関係が壊れたらどうやって俺達は付き合っていくのだろう?
           ずっとそう思っていた。でも今は違う。自分の腕の中に景虎がいる。

           「千秋?」

           動きの止まった千秋を変に感じ高耶が首をかしげて千秋を呼んだ。

           「ん?どうした?」

           千秋はたまらなくなってそっと唇を重ねた。高耶もそれに答える。
           千秋はそっと高耶の潤んだ瞳に舌を這わせる。
           涙の味がした。そのまま耳朶をそっと噛む。その間も高耶の弱い部分はやさしく攻めていた。

           「…っ…」

           高耶の反応から一番感じる部分を読み取った千秋はそこを執拗に攻めたてる。
           熱を浴びて高耶は無意識に千秋を自分からはがそうしたが、その手は千秋のもう片方の手に
           捕らわれてしまう。千秋は高耶の頭の上で手を軽く押さえつけた。
           そしてもう片方の……高耶自身を握っている手をさきほどとは比べものにならないくらいに使い
           高耶を快楽へと誘い、だんだんと激しくなり高耶を揺らす速度が速くなる。

           「…っ、あっ…ぁぁぁぁ……」

           高耶が千秋の手を強く握る。その瞬間白い液体が千秋の手を覆った。
           高耶は肩で息をしている。潤んだ瞳からは涙が溢れている。千秋はそっと指で涙を拭ってやる。
           まだ放心状態の高耶には千秋が涙を拭いている事がわかっていないのかもしれない。
           しばらく虚ろな目をしていた高耶だったが段々意識がハッキリしてきたのか

           「千秋はいいの?」

           なんてことを聞いてきた。
           始めはその言葉の意味がわからなかったがややあってから千秋はばーかと言って
           高耶の頭をくしゃくしゃと撫でた。

           高耶が目で訴えてきたので千秋は起きあがると高耶を自分の膝に座らせた。
           そしてそっとキスをする。ゆっくりと千秋は高耶の中に挿入する。
           高耶がビクンと跳ねたので千秋は一度動きを止める。高耶と目が合った。
           千秋の目はやめてもいいんだぜと言う顔をしているが高耶はゆっくりと首を横に振った。
           それを見て千秋も覚悟を決めたらしい。

           「泣いてもやめないぜ」

           と高耶の耳元でそっとささやいた瞬間に高耶の腰を勢いよく自分の方に引き寄せ貫いた。

           「…・っ…・!!!」

           声にならない高耶の悲鳴。部屋の空気が乱れる。
           完全に入ったところで千秋がゆっくりと突き上げ高耶を揺さぶる。
           高耶もゆっくりとではあったが腰を上下させて千秋を貪る。千秋はそのリズムに合わせてやった。
           勿論高耶自身もしっかりと手で愛撫している。
           高耶は両方から責められて半狂乱状態になりつつある。

           「…んっ、・・ぁっ…」

           高耶の口からは途切れ途切れの甘い声が漏れた。
           最初は悲鳴にも近かった声だがそれが喘ぎ声に変わるまでそう時間はかからなかった。

           「ぁっ…ちあ・・きっ…」

           高耶が激しく千秋の背中に爪を立てる。切れはしなかったが痛みが走る。
           それだけ高耶の想いが今千秋にあるということだ。
           はじめはゆっくりだった腰の動きもだんだんと速さを増す。
           それと比例するように息遣いもあらくなっていく。

           「も・・だ・・め…・っ。やぁっ!!」

           激しい動きに耐えかねて高耶が意識を手放した。
           それとほぼ同時に千秋も高耶へと愛を注ぎ込んだ。

 

 

           しばらくベッドでぼけっとしていたが千秋がうつぶせになって高耶の顔を覗きこむ。
           高耶は天井の一点を見ていて視点が定まってない。
           千秋が顔の上で手を振ってみるとやっとこっちを向いた。千秋はちょっと意地悪そうに笑って

           「気持ちよかった?」

           と聞くと高耶は真っ赤になってそっぽを向く。

           「そっち向くなって」

           千秋は高耶の頬を触って自分の方を向かせる。
           真っ赤になって睨んでいる高耶がなんだか愛らしい。
           しばらくにらみ合っていたがいきなり笑って二人はどちらからもなく唇を重ねる。

           それからしばらくは優しい時間が二人を包んだ。

 

           ザーッザーッと波が寄せてはかえす音がする。それはまるで地球の深呼吸のようだ。

           そんな音が聞こえる部屋で、二つの影が一つになった。

 

   END                   

 


           や、やっと完結しました〜。(ToT)

           年内完成予定とかいいながらおもいっきり2000年にくい込んでるし。(爆)
   
        こんなんでいいのかなぁ?最近ちょっと自分の文章に嫌悪気味なのでよしあしが分からん・・・(^_^;)

           やっぱり書いてて思った事は私にHシーンは書けないんだなぁってことかな。(爆)
           
どうかいていいのかわからんしめっちゃ難しい。かなりいっぱいいっぱいです。(苦笑) 
           
突っ込み入れないでねん。(切実・・・・・)

           しばらくは甘〜い雰囲気もののお話で落ちついておこうと思います。
           
(それだって駄文だけどぉっ。(ToT))

           でも精進したらまた懲りずにチャレンジするかも・・・・?!

           でもやっぱりちーたか良い♪
           
直高も好きだけど直江とはまた違った甘々で書けるからやっぱり止められません。(笑)

           もしよろしかったら感想などよろしくお願いします。<(_ _)>

2000.1.6 沙良