「直江、なにしてるんだ?」

     背後から掛かった声に、直江はキ−ボ−ドを叩く手を止めた。

     「デ−タ−処理をしていたんですよ」

     「デ−タ−処理?」

     高耶は直江の肩に手をかけて、画面を覗き込む。画面は数字と人名の羅列だった。

     「家業のお客のデ−タ−です」

     「お前の家業って・・・、ああ、坊主か」

     「ええ、まあ」

     「へぇ。最近は坊主もコンピュ−タ−を扱うんだ」

     「今は情報化社会ですからね。たとえ、どんな仕事に就いていたとしても、コンピュ−タ−は扱えた方がいいと思いますよ」

     「そうなのかぁ。俺も少し練習した方がいいかなぁ」

     その高耶の言葉に直江はいたずら心が沸き上がった。高耶の手を掴んで、自分の膝に座らせる。

     高耶は気を抜いていたので、抵抗もできなかった。

     「おい!何するんだよ」

     「練習した方がいいと思っているのでしょう?私が教えてあげますよ。手取り、足取り」

     「手取り、足取りって・・・」

     直江は高耶の両手を掴んで、キ−ボ−ドの上に乗せた。背後からかぶさる。

     膝の上に座っているので、腰と腰が密着してしまう。高耶は恥ずかしくなって、どこうとしたが、直江に手を抑えられているので、身動きが取れない。

     「このキ−は、この指で押すんですよ・・・」

     直江が高耶の手を動かしながら、説明をしていく。

     だが、直江はわざと高耶の耳元で説明をするので、高耶は集中できない。

     「どうしたんですか?高耶さん」

     「も、う、いい」

     高耶は直江の声だけで感じ始めてしまっていた。膝に座っているので、

     身体の変化が直江にも解ってしまう。直江は面白そうに囁いた。

     「ベッドに行きますか?

     「お前、わざとこんな座り方させたんだろう?」

     高耶が恨めし気に直江をにらむ。だが、その瞳は既に濡れていて、いつもほどの迫力もない。

     「そんな瞳でにらんだってだめですよ。誘っているようにしか見えません」

     高耶はため息を吐いた。直江の膝に座ったまま、直江の首に手を絡ませた。

     「わからねぇのかよ。誘ってるんだよ・・・!

     真っ赤になりながら、囁く。直江はクスリと笑いながら、今度は高耶を抱きかかえた。そのまま、隣の寝室に向かっていく。

     「ふふ。強情なんですね。最初から、素直に言えばいいのに」

     「うるせぇぇぇぇ〜」

 


 こちらはホームページ開設記念(といっても仮設OPEN時)に碓氷さんから頂きましたっ♪

 とっても気に入っております。パソコンを教えながら高耶を自分のペースに持っていく直江がステキだわ。

 碓氷さんの書く小説はとっても素晴らしいです。LINKのページにありますので、もっと読んでみたい!

 という方は是非是非遊びに行って下さいね。碓氷さんのHPでは「おでこにキス」という題名でこの小説+αが掲載されています。

 そちらもGOOD!!

        ☆碓氷さんありがとうございました☆