Frighten


ティムカ&ヴィクトール

僕は 狂ってしまったのか?なぜ あの人のことを考えると こんなにも 体が熱く焼けるように 感じるのだろう? あの人の瞳には僕しか映せないように  あの人の耳には僕の声しか聞こえないように あの人の唇からは僕の名前しか言えないように あの人の脳細胞のひとつひとつは僕のことしか考えられぬように 願うこの心 あの人が僕のことを「愛している」と言ってくれたら 僕はもう何もいらない 祖国も王位も捨て去り あの人と何処までも行こう それが例え 地獄の底だろうと あの人に無視されることの方が 僕にとっては「死」に等しい 嫌われても 疎まれてもいいから 僕を見て 悲しいけど あなたが僕のことを 考えてくれるだけで嬉しいから 僕の心はあなただけを求める 痛いほどに、、、 ティムカが目を開けるとそこは見慣れた自分の部屋だった。熱い空気が むんとして、ティムカの鼻を熱帯植物の匂いが刺激する。 外からは活気づいたなにやら売り子の声が聞こえてくる。 ティムカは天蓋つきのベットから降りると、大きく開かれた窓の側へ近づき 外を見渡した。そこには城下町が広がって、、、。ティムカは驚き部屋の ドアへかけよりドアを開けようとするが、鍵が外から掛かっていて開かない。 「誰かっ!誰かドアを開けなさいっ!お父様っ?お母様っ?」 ティムカは大声をだしてドアを叩き続けるが何も外からは聞こえてこない。 「誰か、このドアを開けてっ!お願いっ!!ああ、、、。」 ティムカは、ドアの前でめまいを起こしかけたが必死で瞳を見開き、 「誰かっ!誰も、、、いないの?」ティムカは叫んだ。 その時、にわかに外が騒がしくなってきた。急いでティムカは窓から外を 見ると、、、。 そこには王立派健軍の軍服を着たヴィクトールとお付きの者らしいふたりが、 城門を馬に乗って出て行こうとしていた。 「待って!ヴィクトール様っ!?待ってーーーっ!!」 ティムカは叫ぶが、あまりにも遠すぎて声が届くことは難しい。 城門を偶然にもヴィクトールが振り向いた時、ティムカの身体は、、、 宙に舞った。あの夜、ティムカが聖地の庭園で散歩をしていた時 ヴィクトールと出会い、彼が「きれいだ」と誉めてくれた民族衣装の刺繍が 施されているロープを着たまま、、、。 「ふわり」と、まるで大きな美しい蝶が地面へと舞い降りるように、、、。 「うわあああああああああああっ!」 ヴィクトールは、執務室の机の上で勢いよく飛び起きた。彼が顔を上げた時 側に置いていたインクのツボを落としてしまい青いインクが床や机上にぶちまけ られた。もちろん、ヴィクトールの袖口も、、、。 ヴィクトールは目覚めてからもしばらく息があがった。リアルすぎる悪夢。 どうして俺があんな夢を見なくてはいけないんだ?  ティムカが学芸館へ戻ってきて1週間がすぎようとしていた。 少年の体力はあっという間に回復していつもと変わりなく振るまい、女王試験の為 せっせと仕事をこなしていた。 聖地に帰ってきて以来、なぜかティムカはヴィクトールにまとわりつくのをやめたか のように挨拶だけを交わすようになってきていた。ヴィクトールは変な気負いみたい なものがスーと降り、気が抜けたというかほっとしていた矢先、、、。 「こんにちわ!ヴィクトール様。」 「ああ。」 或る日の昼下がりティムカはヴィクトールと学芸館へと続く道の途中で出くわした。 「いいお天気ですね、て、聖地じゃいつもいいお天気か。くすっ。」 ティムカは口元に手をあてて小さく可愛らしく笑ってみせた。 「そうだな。」ヴィクトールの足は自然と早くなり自分の執務室へと急ぎ始める。 やはりティムカをどこかで避けようとしている。 「、、、そんなに僕のことを怖がらなくてもいいじゃないですか?」 「なんだと?」 ヴィクトールはギっとティムカを睨みつけた。ティムカは妖しく唇 の端で笑い返す。その、人を馬鹿にしたような態度にヴィクトールはカッとなった が、そのまま何も言い返さず、ティムカの前を通り過ぎようとした。 「逃げるんですか?」ティムカは完全に挑発している。 しばらくの間ふたりは睨み合った。ヴィクトールは、ティムカの肩を掴むとそのまま 自分の私室へ強引に連れ込んだ。 「俺と寝たいのか?」ヴィクトールは後ろ手に部屋の鍵を閉める。 なるべく相手を威嚇するように傷つけるように冷たく、なんの感情もこめず 言い放つ、、、。 琥珀色の瞳はまるで小動物に飛び掛ろうとする獅子のように身体じゅうが殺気だっている。 怒りのオーラに包まれたヴィクトールに少しティムカは、ひるんだ(怯えた)。 ヴィクトールの鬼迫のある険しい顔つき、怒りを映し出す瞳を「美しい」と思いつつ、 見惚れる自分をなんとか押し殺し期待に胸を弾ませながらティムカは、 「僕に抱いて欲しいの?」と、不敵に微笑する。 「、、、俺もなめられたものだな、こんな子供に、、、。俺を本気で怒らせいか?」 「もうおこってんじゃないの?」 「俺は野郎ばかりの軍隊で指揮をとってきた男だぞ?俺に逆らう奴はどうして きたのか、お前にも教えないといかんな。」 ヴィクトールは白い手袋を外す。今まで聞いたことのないヴィクトールの低く脅し の効いた声。その厳しい顔つきにティムカは怖さで思わず身体が震える。 だが、ヴィクトールが僕をどうするのか、、、そっちの方が嬉しくてついつい 顔がほころんでしまいそうになるが、ここはわざと怯えたふりをしてもっと、もっと ヴィクトールを本気にしてやろう、、、。ティムカは、部屋のドアへ駆け寄り、 ドアノブを「ガチャガチャ」と音をたてて部屋から出ようとする。 「待て。」ティムカの細い手首をヴィクトールは掴むとドアに少年の背中を押し付け 両腕を上へあげた。両手首はヴィクトールに痛いほど掴まれていて動くことが できない。ヴィクトールはティムカの顔の位置まで自分の顔を下ろし、 「どうした?怖くなったのか?、、、もう遅い。俺を本気で怒らせたからな。」 ティムカはふるふると首を左右に振る。下唇を噛んで、「いやいや」を するように、、、。 ヴィクトールは完全に自分を怖がるティムカに満足していた。 ヴィクトールはティムカの両手首を持ったまま、ひきずるように少年をベットまで 連れて行き、自分はベットの端に腰かけてティムカの膝をベット下の床の上に つかせた。 「やり方は知っているだろう?」ティムカの手首を解放してやると、少年を冷たい目で 見下ろす。ティムカは、ヴィクトールを怖がり彼の言う事に従うよう見せた。 ティムカの頭を掴むとヴィクトールは自分の股間に抱え込む。 「はうっ?!」ティムカの口の中へ彼を押し込まれる。 「、、、早くいかせんと、お前の顎がもたんぞ、、、うっ。」 ヴィクトールは、太い首をのけぞらせティムカの舌の動きに思わず声をあげた。 更に大きくなってしまった彼のモノに、喉をつかれ「ごほっ」と、ティムカは咽る。 「なにを怠けてる?続けろ!」更に深く咥えさえる。 そこには愛情もなにもない。ただ、ヴィクトールの「欲情」を処理させているだけの 時間。さすがにティムカは、参っていた。いくら自分がけしかけたコトとはいえ、 ヴィクトールは、ティムカの身体を弄び、陵辱するだけだ。 一度も自分にキスをしない。たまらなくなってティムカが、隙を見てヴィクトールの顔 に近づこうものならば、容赦なく平手打ちされた。 ティムカの身体が悲しみと絶望で震えだす。何度もヴィクトールに抱かれ、何度も 涙を流す。ちっとも快感も何も感じなくなってきていた。 「この人は本当に怖い。」ティムカがそう思い始めた頃、やっと少年は解放された。 「おい、起きろ。ここはお前の部屋ではないだろう?もう、用は終わったんだ。 さっさと自分の部屋へ帰れ!」 ぐったりと疲れた体をヴィクトールが無理矢理起こし、裸のままのティムカに少年が 着ていた服を押し付けながら部屋のドアへと押しやる。 「ま、待って。せめて聞かせて、、、僕のこと嫌いなの?」 ティムカの言葉に一瞬驚いたが、ヴィクトールは感情のない口調で 「、、、生意気なガキは嫌いだ。」と言うと、ティムカの体を押しやり ドアを閉めた。 冷たい廊下にひとりで放り出されたティムカは、「あ、そう。」と言い残し、 ヴィクトールの歯型がついた体をひきずりながら、自分の部屋へと戻って行った。 (怖かった、、、でも、僕はすぐに分かったさ。あれは、僕に対する脅迫。 これ以上、俺を脅かすな、ていうメッセージだね。可愛いじゃないか。 だって「生意気なガキ」は嫌いだけど「僕」のことは嫌いと言ってないことが なによりの証拠さ。彼は、、、僕を好きになり始めてる。) ヴィクトールは疲れた体をベットに沈ませまどろみの中で、 (これで俺の怖さを知っただろう?もう俺に近づくことはないさ、、、。)と 満足気に笑うと眠りの中へと、、、落ちて行った。 be continue NEXT :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: もっとえっちな描写だったんですけど、珍しく良心が痛み、 割愛させて頂きました!えっちが売りもんなのにねえ〜(笑)。 私もヤキが回ったかな?うふふふ。 なんかティムカがストーカーみたくなってますが、気にしな〜いでっ。 いつものことですが、まとまりのないお話でごめんなさい! お付き合い下さってありがとうです。(^^) "Frighten"て、「〜を脅迫する」て意味だそうです。 戻る


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