鉄球堂

 

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古本屋で本を買いあさっています。山積みになってきました。

 

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「うろおぼえ」

溝の口のゲーセンにヴァンパイアセイヴァーが入っています。
しかも対戦台。ずいぶん昔のゲームですけど十分面白いです。
今見ても遜色ない出来は流石です。

豪血寺の新作は10年前に見ても遜色あったかも・・・。

3勝1敗でした。


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『死の記憶』 Mortal Memory  T・H・クック  文春文庫  1993

 去年(2002年)読んだ本の中で順位をつけるとすれば、一番はこの本です。
ジャンルとしてはミステリーなのですが、とても怖い。雰囲気だけでぞっとさせられました。

 5人家族を支える父親、ウィリアム・ファリスはある日家族3人を殺害し、そのまま姿を消す・・・。唯一惨劇を逃れた幼いスティーブ・ファリスはそのときの忌まわしき記憶を意識のそこに沈めていた。20数年後、作家レベッカ・ソルテロによりインタビューを受けるまでは・・・

 
 
レベッカは自分の家族を殺した人々の本を書く作家であり、そのためスティーブに父親が起こした事件について取材に来たのでした。そして二人は家族の過去について調査を進めていくのだが・・・。

 少しずつスティーブは記憶を掘り返し、その当時の家族の様子を思い起こしていく。
「私の望むのはこれだけだ」と告げる父ウィリアム。
”かわいそうなドッティ”母ドロシー。
いつも怒りを胸に抱いていた兄ジェイミー。
美しく、夢見がちであった姉ローラ。
幼い子供のスティーブ。

 家族の間に緊張が高まり、熱気が渦を巻いていく。そして運命の日にいたる・・・。
 そのときいったいなにが起こったのか?父ウィリアムはなぜ家族を殺さねばならなかったのか?

”父は勇気をふるって決意した・・・殺される前に家族を殺そうと”


 そして最後に明かされる悲しくやりきれない結末。全編を通して流れる重苦しいムード。
降り注ぐ雨。まさにのしかかるような暗い雰囲気。圧倒的です。クックはこういう「重苦しさ」を描写するのが非常にうまいです。

 大体どの本屋(あるいは古本屋)に行ってもクックの本は置いてあります。結構売れているのかも。初期のころの『鹿の死んだ夜』や『神の街の殺人』ではまだ荒削りな感じですが「記憶シリーズ」になると作家としてのスタイルが固まってきたのか安定した面白さがあります。

 この重厚な雰囲気は一見の価値あり。「読まなきゃ死ねない本リスト」の上位に来る一作です。

日記とは「自分の死後見られることを予想して他人の悪口を書いておくもの」(A・ピアス)だそうです。

ホームページの定義はいったいなんでしょうね.


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