U,S,A

おとなしくて、口数が少なく
いつもクラスでは微笑みながら頷いているタイプ
今では自分の夢を実現させようと
一人でアメリカに飛び立ってしまったあたしの親友

出会った頃はいつも
「そうだね、そうするよ」が口癖
そしてあたしはいつも言ってた
「自分のやりたい事ちゃんと言いなよ」
「嫌な事はイヤって言いなよ」
それでも彼女は「そうだね」と、ただ頷くだけだった
そんな彼女と短大卒業後、同居する事になった
女同士の同居はかなり困難
お金関係・家事の分担・男関係 etc・・・
しかもその頃、お互い就職したてで忙しくて
同じ部屋に住んでいながらきちんと話す機会がなかった
彼女の話をちゃんと聞かないといけない時期に
自分の事で精一杯だった
そんなある日、部屋に置き手紙があった
「今日の夜、話があります」と
彼女はその日、会社を辞めてきていた
そして「アメリカに行く」と彼女は言った
それは学生時代、彼女がこっそりあたしに打ち明けてくれてた彼女の夢だった
そして彼女はアメリカに旅立った

それから何年か過ぎた今も、彼女はアメリカにいる
たまに電話してくれて
「夢の実現は難しいよね」と、笑いながら話してくれる
おとなしかった彼女が、アメリカという国に旅立って
クラスの誰よりも自分の一番やりたい事をしてる
YESとNOをはっきり言える人間になってる

夏休みに彼女は一時帰国予定
また大きくなった彼女に会える日がとても楽しみだ

Day