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│渡良瀬にこにこサークル通信          │2001. 12. 7 発行 
│                       │                  
│ 577号                  │文責 山中伸之    
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例会報告 ⑦

「分かりました。では、後ほど御連絡いたしますので、お待ちください。」
「よろしくお願いいたします」
 さて、翌日。
「昨日、お電話をいただいた教育委員会の○○です。先生のご希望の公害の体
験談をお話くださるという方がいらっしゃいましたので、御連絡します。○○
町の○○さんで、○○という体験があるそうです。電話番号は○○○○です。
一応委員会からお願いはしておきましたが、後の細かいことは学校と○○さん
の間で連絡を取って進めてください。もし、謝金等でお困りの場合はまたご相
談ください。よろしくお願いします」
「ありがとうございました」
………。
というようなものである。もちろん講師がみつからなければあきらめる

(10)学級通信No155〜169
 多くの通信を発行していることは大変結構なことである。その数も100号
200号となれば、多くの人がその数の前に平伏すだろう。このサークル通信
も570号を越えており、その数字だけでも圧倒的な威圧感を持つ。
 しかし、私も今までに書いた各種通信の量なら負けない。だから、数の前に
平伏すことなくコメントを述べよう。
 今回、黒須氏と平塚氏の双方から通信が出されている。黒須氏が15枚、平
塚氏が2枚である。資料は全て読んだ。その中で、通信として真っ先に記憶に
よみがえるのは平塚氏の2枚目の通信である。黒須氏の通信は記憶に残るもの
が少ない。
 それはなぜか。
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│アク(灰汁)がない                        │
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のである。灰汁とは「洗練されていない、しつこい個性的な感じ。(岩波国語
辞典)」「人の性質や文章などに感じられる癖や個性が強すぎてなじみにくい
性質。(広辞苑)」のことである。
 黒須氏の文章はよく言えば「洗練されていて、癖がない」のだが、悪く言え
ば「個性が弱くあっさりとしすぎている」のである。逆に平塚氏の文章はよく
言えば「個性的で粘りけがある」のだが、悪く言えば「癖が強くしつこくてだ
さい」ということになる。
 では、その黒須氏の文章をみてみよう。
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│  英語の授業                          │
│ 先週の金曜日,アメリカ人のライアン・ウイリアム先生に英語を教えて│
│いただきました。外国人の先生から英語を教えていただく機会は,今のと│
│ころ年に1回しかありません。大変貴重な機会です。子ども達はもちろん│
│のこと,私も楽しみにしていました。                │
│ 授業は,3時間目に行われました。ライアン先生は,職員室で休まれて│
│いましたので,代表委員の子に呼びに行かせました。しかし,ライアン先│
│生にどのように言葉をかけたらいいのかわからないらしく,なかなか先生│
│の所にいけないでいました。という私も,子ども達になんとアドバイスし│
│ていいのか分からずにいました。そんなとき,ライアン先生の方から声を│
│かけてくださり,ようやく代表委員の子はあいさつをすることができまし│
│た。                               │
│ 教室に行くと,子ども達は,そわそわしながら待っていたようでした。│
│ライアン先生が教室に入っていくと,子ども達の顔がぱっと変わりました。│
│早く教わりたい,今日はなにをやるのかな,どんな先生かな,という期待│
│感でいっぱいのようでした。                    │
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 以前にもコメントしたが、黒須氏の通信には叙述が多すぎるのである。つま
り話を進める役割を持つ文が多すぎるのである。話を進めてはいけないのであ
る。話を進めず、場面を止めて、その場面を描くのである。描写である。