「ごんぎつね」 第7時
発問 1 | 兵十に鉄砲で撃たれたごんは、思い残すことがなかったか、そともくやしく 無念だったか。どちらかを選んで理由も書きなさい。 A 思い残すことがない B くやしく無念だった |
分布は次の通り。
A 思い残すことがない(16人)
B くやしく無念だった(2人)
教師1:くやしく無念だったと考えた人、その理由を発表してください。
児童1:ごんはくりやまつたけを持っていったことが自分だということを兵十に分かって
もらえたけれど、もう大好きないたずらもできなくなってしまうし、兵十にも会
えなくなってしまうから無念だと思う。
児童2:せっかくくりやまつたけをあげたのに撃たれたから。撃たれて殺されてしまって
は無念だと思う。
教師2:では、反対意見がある人発表してください。
児童3:ごんはくりやまつたけを固めて置いたけど、固めて置いたということは、撃たれ
ることを覚悟していたと思うので、兵十に会えなくなってしまうから無念だとい
うのはおかしいと思います。
教師3:どうしてくりが固めて置いてあると、撃たれるのを覚悟しているって分かるのか
な?
児童4:固めて置くっていうのはそれだけ見つかることが多くなるから、それでも固めて
おくから。
児童5:でも、ごんは「うら口から、こっそり中へ入りました」って書いてあって、それ
は見つからないように入っているから、覚悟しているのとは違うと思います。
児童6:でも、もし見つかりたくなければ、くりやまつたけを投げて行ってしまうのに、
そうしないのは覚悟しているからだと思います。
児童7:でも、くりやまつたけを投げて行くほうが見つかりやすいんじゃないですか。だ
から、見つかりたくなくてこっそり入っているのだと思います。
まだ、お互いに話したそうだったが、堂々巡りになってきたので、教師の考えを示して
終わりにすることにした。
説明 1 | くりを固めて置いたのは、ごんが撃たれてもいいと覚悟をしたからではない と思います。それはごんのやさしさではないでしょうか。兵十にくりを食べて もらいたい、だったら投げていくより固めてそっと置いていきたい、そういう 気持ちのあらわれでしょう。でも、覚悟をしていたという読み方はとても優れ た考えだと思いますよ。 |
児童8:ごんは最初はひどいいたずらをしていたけど、だんだんそれを反省していって、
うなぎを逃がした後は、いたずらをぜんぜんしていないし、だから、大好きない
たずらをしたかったというのはおかしいと思います。
児童9:でも、ごんは「つまらないな」とか「引き合わないな」とかと言っていて、つま
らないんじゃないですか。
教師4:それって、いたずらができないからつまらないって言ってるの?
児童10:違います。
教師5:死んでしまうのは無念だという意見に反対の人、理由を言ってください。
児童11:ごんは死んだから兵十にくりやまつたけを持って行ったのはごんだということが
分かったので、死ぬのは無念ではないと思います。
児童12:でも、せっかくくりやまつたけを持っていってるんだから、それで死んでしまっ
ては無念だと思います。
児童13:反対で、ごんは、うなぎをとってしまって兵十のおっ母を殺したと思っていて、
そのつぐないをしたいと思っているので、つぐないができればいいので、くりや
まつたけを持って行ってるからといのはおかしい。
説明 2 | ごんは、うなぎのつぐないがしたかったんですよね。つぐないを自分がして いるっていうことを兵十に気付いてもらえなかったけど、つぐないをしたいと いう強い気持ちがあったのでしょう。最後の鉄砲で撃たれてしまったけれど、 兵十につぐないをしたかったというごんの気持ちは兵十に伝わりましたね。だ からごんは満足して撃たれたのではないでしょうか。 それに、この物語が、もしごんが撃たれて無念でくやしかったらどんな感じ の物語になるでしょうね。最後に撃たれても満足して倒れたということなら、 どんな物語になるでしょうね(感動的な物語) ごんは、満足して倒れたのではないでしょうか。 |
教師6:ごんは最初はものすごく悪いきつねだったけれども、だんだんと変わっていきま
したね。では、今まではごんを中心に見てきましたが、今度は兵十について見て
いきましょう。
発問 2 | 兵十はごんをどう思っているでしょうか。「1」の場面ではどう思っている かをノートにズバリと書きなさい。 |
児童から出された意見は次の通り。
・命しらず
・ぬすっとぎつね
・ひどい
・悪い
・極悪
・悪魔のよう 等々
教師7:これはみんなが「1」の場面で考えたのとほとんど同じですね。では「2」の場
面ではどう思っていたでしょうか。ズバリと書きなさい。
教師8:「2」の場面では兵十はごんに出会っていますか?
児童14:出会っていません。
教師9:ということはごんに対する見方は変わってるかな?
児童15:変わっていません。
教師10:「3」の場面はどう?
児童16:変わっていません。
以下同様に確認する。
教師11:「5」の場面までは兵十はごんに出会ってないですね。ごんに対してはずっと同
じ見方をしているのです。
教師12:結局、兵十のごんに対する見方が変わるのは・・・、
児童17:「6」の場面。
教師13:そうですね。
発問 3 | 兵十のごんに対する見方が変わるのは、「6」の場面のどこからでしょう。 何ページ何行目と書いてください。 |
児童に答えを書かせ、互いに比較させたところで時間となる。