「ごんぎつね」 第3時

指示 1  全員起立。「1」の場面を読みます。52ページの「2」の前までです。一
回読んだら座ってもう一回読みます。

発問 1  「1」の場面の「ごん」はどんなきつねですか。一言ズバリと書きなさい。
(板書)

 児童から次の意見が出された。

Aいたずらぎつね(12人)
Bいたずらずき(2人)
Cあたまがいい(1人)
D一人ぼっちのいたずらぎつね。(1人)
E薄情(1人)
Fぬすっとぎつね(1人)

指示 2  この中から、これはどう考えてもおかしいと思うものを一つ選んで、その記
号をノートに書きなさい。

 挙手させたところ、次のようになった。

Aいたずらぎつね(0人)
Bいたずらずき(0人)
Cあたまがいい(13人)
D一人ぼっちのいたずらぎつね。(0人)
E薄情(5人)
Fぬすっとぎつね(0人)

指示 3  自分がおかしいと思った理由をノートに書きなさい。
説明 1  「なぜ」に強くならなければ国語の力はつきませんよ。なぜそうなのかを考
えると国語の力がつくんですよ。

教師1:では、「C」がおかしいと考えた人、理由を発表してください。
児童1:ごんはただいたずらしたいだけで、頭はそんなに使ってないからおかしい。
児童2:47ページに「いたずらばかりしていました。」と書いてあるのに、Cのこたえ
    は、ぎゃくだと思うから、おかしい。
教師2:Cと書いた○○君、君が頭がいいと思った理由は何?
児童3:ごんは穴を掘って住んでいるから。穴が掘れるから。
教師3:きつねは普通穴の中に住んでいるんですね。だから、だいたいきつねは穴がほれ
    るんです。○○君、どうですか、降参しますか?
児童4:はい。

発問 2  実はね、ごんは頭のいいきつねだ、というのが分かる部分があるんです。そ
れがどこか分かりますか?

児童5:51ページの、うなぎがぬるぬるとすべりぬけるので、頭をびくの中につっこん
    で、うなぎの頭を口にくわえたというところです。
教師4:そこじゃなくて、その近くにあるんだけど、わかりますか?
児童6:「はりきりあみのかかっている所より下手の川の中を目がけて」というところだ
    と思います。
教師5:(はりきりあみのイラストを板書して)はりきりあみっていうのは、こういう網
    ですね。こうやって魚を捕ります。この所より下手の川の中を目がけて、魚を投
    げ込むとどうして頭がいいんでしょうね?
児童7:(黒板の前で説明してもらう)こっちに投げると、網がないから、もう魚は網に
    かからないから。
教師6:そうですね。網の下手になげれば、もう魚は網にかからないのですね。こんなと
    ころが頭がいいのです。でも、頭がいいのはいいのですが、こういう頭のよさは
    何ていうのでしょうね。
児童 :・・・・・。
児童8:ずる賢い。
教師7:そうですね。「ずる賢い」んですね。(板書)

教師8:では、「E」がおかしいと考えた人、理由を発表してください。
児童9:「1」の場面では、薄情な言い方をしていないから。
児童10:愛情がないとか、思いやりがないとか、心がつめたいとか、そういうことを考え
    頭はないと思うから。
教師9:考えることができなくても、薄情な人っていうのはいますよね。
教師10:じゃあ「E」と考えた○○さん、そう思った理由を言ってください。
児童11:兵十がせっかくとった魚を、はりきりあみの下手の方ににがしているから。

指示 4  47ページに、ごんがしたいたずらが三つ書いてあります。そのいたずらに
①②③と番号をつけなさい。

教師12:畑へ入っていもをほり散らした、が①ですね。菜種がらのほしてあるのへ火をつ
    けた、が②ですね。百姓家のうら手につるしてあるとんがらしをむしり取ってい
    た、が③ですね。

指示 5  この三つのいたずらが、「いたずらぎつね」とか「いたずら好き」というの
に、なるほどふさわしいなと思う人は○、「いたずらぎつね」とか「いたずら
好き」というのと、ちょっと違うなという人は×を書きなさい。

 ×を書いた児童が2名。
児童12:三つのいたずらのうち、一つはいいけど、二つは大変ないたずらだから、「いた
    ずら好き」というには度が過ぎてる。
教師13:どのいたずらがひどいと思う?
児童13:「いもをほり散らす」のは、お百姓さんが食べられなくなっちゃうし、菜種がら
    に火をつけると、家が火事になってしまう。

指示 6  今の○○君の意見を聞いて、なるほどそうだなと思う人は○、いや違うなと
思う人は×を書きなさい。

 ×は2名。

説明 2  このいたずらは本当にひどいいたずらですよ。これは江戸時代ですから、畑
で作ったいもをお百姓さんは食べているのですね。それを掘ってぶんなげてお
くんですから、お百姓さんは食べられなくなってしまいます。それから、菜種
というのは、今育てていますけどアブラナですね。その種をとったあとのもの
をほしておくんです。どうしてほしておくかというと、お風呂とかかまどとか
のたき付けにするのですね。だから、とてもよく燃えるんです。そこに火をつ
けてしまうんです。放火ですね。そこに火がついたら、家も焼けてしまうかも
しれないし、人も死んでしまうかもしれません。
 「いたずらぎつね」なんてものじゃないですね。極悪ですよ。畜生です。
 みんなは、このイラストを見て「ああかわいいきつねだ」と思うかもしれな
いですけど、ごんはとんでもなく悪いきつねです。