「詩の広場」  第1時

「しずくの首かざり」を1回音読する。


説明 1
この詩は全部で9行です。この9行の中に2行だけ、この詩をいい詩にしてい
る行があります。この2行があるから、この詩はただの詩よりもいい詩になっ
ています。
指示 1 この詩をいい詩にしている2行を選んで、その行の上に○印を書きなさい。

 少し時間をとって、印をつけさせる。
「まだ、付けられない人、手を挙げなさい。」
3,4名が挙手。少し時間をとる。
 隣同士で確かめ合ってから、1行ごとに挙手して人数を確かめる。何人の児童が選んだ
かは次の通り。

雨上がりのクモの巣。−−−−− 6人
雨のしずくが、−−−−−−−− 5人
ころころと−−−−−−−−−−10人
たくさん付いて−−−−−−−− 7人
首かざりのようだ。−−−−−−13人
こわれないように、−−−−−− 4人
そっと息をかけてみた。−−−− 8人
「フーッ。」−−−−−−−−− 5人
しずくがつなわたりした。−−−19人

 この結果を見る限り、児童は優れた表現を見分ける基準を持っていないということが分
かる。

説明 2 この詩をいい詩にしている行の一つは、「首かざりのようだ。」という行です
。(児童から歓声が上がる)もう一つの行は「しずくがつなわたりした。」と
いう行です。
指示 2 ノートに「首かざりのようだ。」と書きなさい。そして、その行がこの詩をい
い詩にしている理由を書きなさい。

T1:発表してください。
S1:自分の思ったことを書いているからです。
S2:何かにたとえていることを書いているからです。

指示 3 ノートに「しずくがつなわたりした。」と書きなさい。そして、その行がこの
詩をいい詩にしている理由を書きなさい。
説明 3 ここも、「首かざりのようだ。」と同じく、何かにたとえています。「首かざ
りのようだ。」は「ようだ」という言葉がありますが、こちらはありません。
だから分かりにくいかも知れませんが、同じです。「首かざり」はしずくがま
るで首かざりのようだというわけですね。「つなわたり」はしずくがクモの糸
をすべって動いていくようすが、まるでつなわたりのようだというわけです。
分かりますか?(板書して図で説明)
説明 4 このように、何かで何か別のものをたとえることを「比喩」と言います。(板
書)

T1:では、このネクタイを何かに例えてください。まるで?
S1:わかりません。
S2:へびのようだ。
S3:剣のようだ。

説明 5 たとえる時に、なんでもいいからたとえるのではだめです。他の人が聞いても
何が何だか分からないようなたとえではだめです。そうかと言って、ほとんど
の人がそう思うようなたとえもあまりよくありません。ネクタイがへびのよう
だというのは、たくさんの人がそう思うでしょう?
説明 6 いいたとえというのは、ほかの人がなかなか気が付かないけれども、言われて
みれば、ああなるほどな、と感心したり納得したりするようなたとえです。そ
ういうたとえがあると、いい詩になりますよ。