4年国語 実践報告22−⑨
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│単元名 │一つの花                             │
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│配当時間│9/                               │
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┌─発問1(板書)──────────────────────────────┐
│ お父さんは、なぜ一つの花を見つめながら行ってしまったのか?(指示:書けたら│
│見せに来なさい。)                             │
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T:もうこれで会えないかもしれないわけですね。最後の別れになるかもしれません。で
すから、普通だったら、ゆみ子の顔とかお母さんの顔とかを見ながら別れるのではないで
しょうか。それなのに、お父さんはゆみ子の顔でもおかあさんの顔でもなくて、ゆみ子に
あげた一輪のコスモスの花をみつめがら列車に乗って行ってしまいました。どうしてゆみ
子やお母さんを見ないで、コスモスの花を見ながら行ってしまったのでしょう。その理由
を書いてください。
 少し冗長な説明になってしまったと思う。
 児童の主な記述は次の通り。
●最後の最後にゆみ子にコスモスをわたして喜んだし、最後にわたしたのがコスモスだか
 ら、コスモスを見ていたと思う。
●自分と同じようなコスモスを見つめていると、気持ちがおちついて、せんそうに行ける
 から。それに、みんなを見ながら行くと、せんそうに行きづらくなる。少しかなしくな
 るかもしれないから。せんそうをまんきつできない。
●お父さんはゆみ子ではなく一つの花に気をとられて一つの花を見ていってしまったと思
 います。
●ゆみ子の顔やお母さんの顔を見るとさみしくなるからだと思います。
●ゆみ子に最後にわたしたプレゼントだし、お父さんがゆみ子に「いい人になれよ」とあ
 いじょうをこめてわたした花だから。
●ゴミすてばのようなところにわすれられたようにさいていて、それでゆみ子にあげても
 うわすれられてないよといって見つめながらいった。
●自分は生きて帰れるか分からないので、自分の家族を花にたくしたから。だから自分の
 家族を見ていなかった。自分のかわりに、ゆみ子を見守ってくれるようにと。
●さいごにひろってもらったコスモスの花がすごくきれいですごく心がおちついたからせ
 んそうなんか行きたくないのをコスモスを見ていたらおちついた。
●お父さんはコスモスが大きくなるにつれてゆみ子も大きくなるので、お父さんは、コス
 モスをみつめてゆみ子のせいちょうを、そうぞうしていたかもしれない。
●コスモスの花は自分と同じように忘れられたようにあったから、コスモスにお父さんの
 気持ちをこめてあげた。
●お父さんは自分とにている「コスモス」に向かって心の中では「元気に育ってね、さよ
 うなら」と思っていた。お父さんは心の中で、コスモスに伝わるように思っていたか 
 ら、コスモスを見たのだと私は思うからです。 
●自分と似ているので、自分のかわりになるように「たのんだよゆみ子のこと」というこ
 とだから。
●ゆみ子をよろこばせてくれたし、さいごにえがおがみれたから。
●ゆみ子がコスモスをずっとみてたからコスモスの中にかおがうつっていると思いました。
●お父さんは自分のかわりに最後に幸せを贈った。コスモスはお父さんの形見だから。
 児童に発表させながら、ところどころで、
┌─指示───────────────────────────────────┐
│ 今の意見が、「なるほどその通りだ」と思う人はノートに○を、「何をバカなこと│
│を言ってるんだ」と思う人はノートに×を書きなさい。             │
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と言いながら、立ち止まって一人一人に評価させていった。「×」を書いた児童に、その
理由を発表させる時間がなく、評価をしただけで終わってしまったのは残念だった。
 ひとしきり発表させた後で、次のように教師の考えを述べて授業を終えた。
┌─説明1──────────────────────────────────┐
│ お父さんとコスモスはとてもよく似ていたというのは勉強しましたね。お父さんは│
│このコスモスの花に自分自身をこめたのではないでしょうか。コスモスの花がお父さ│
│ん自身だったのですね。そのコスモスの花に、ゆみ子とお母さんを託したのではない│
│でしょうか。そういう気持ちを込めて、コスモスの花を見つめながら列車に乗って行│
│ってしまったのではないかと私は思います。                  │
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