4年国語 実践報告22−②
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│単元名 │一つの花                             │
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│配当時間│2/                               │
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┌─指示1──────────────────────────────────┐
│ 6ページの最後までを声に出して一回読みなさい。              │
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┌─発問1(板書)──────────────────────────────┐
│ 食べられない物は何か。(指示:ノートに書きなさい)            │
└──────────────────────────────────────┘
 発問は番号をつけて板書し、児童にはノートに写させて枠を定規で引かせた。机間巡視
をしながら、ノートの記述の具合を見る。
┌─説明1──────────────────────────────────┐
│ ほとんどの人が3つのものを書いています。そして、ほとんどの人がその3つのも│
│のを1行に書いています。でも、1行に1つずつ、3行に書いている人が二人いま │
│す。その人は大変いい書き方ですね。そういうのを箇条書きと言いますが、このよう│
│な時には、1行に一つずつ書くといいのです。(指示:書き直しましょう)    │
└──────────────────────────────────────┘
 机間巡視後、
┌─説明2──────────────────────────────────┐
│ みなさんの中に、今書いた意見が自分の意見だよ、ということが分かるように書い│
│ている人が一人だけいました。その人は立派ですね。自分の意見だということが分か│
│るように書くにはどうしたらいいですか?(「自分って書く」「自分の自って書  │
│く」)では、自分の意見だということが分かるように書いてみましょう。     │
└──────────────────────────────────────┘
 この説明では分からない児童もいたので、周りの子のノートを見させる。
┌─説明3──────────────────────────────────┐
│ 食べられない物は、おまんじゅう、キャラメル、チョコレートですね。(板書)こ│
│の3つをまとめて何て言っているかを書いている人が何人かいます。その人は立派で│
│すね。(指示:では、この3つをまとめて何ていっているか、書いておきましょ  │
│う。)                                   │
└──────────────────────────────────────┘
T:何といっていますか?
S:おやつ。
T:そうですね。ところで、みなさんは、おまんじゅうとか、キャラメルとか、チョコレ
  ートとかが食べられないと困りますか?
S:困りません。
T:困りませんよね。おやつなんかなくたって、困らないのです。じゃあ、何がないと困
  るのでしょうね。
┌─質問1──────────────────────────────────┐
│ これがないと困るというもので、食べられないものがまだ書いてあります。それは│
│何でしょうか。                               │
└──────────────────────────────────────┘
S:お米です。
T:そうですね。どうしてお米がないって分かりますか?
S:お米の代わりに配給されるって書いてあるから。
T:そうです。配給って知ってますか?
S:知りません。(知ってます)
┌─質問2──────────────────────────────────┐
│ おまんじゅうやキャラメルやチョコレートはおやつでしたが、お米は何と言えばい│
│いでしょうか。                               │
└──────────────────────────────────────┘
S:主食です。
T:そうですね。
┌─発問2(板書)──────────────────────────────┐
│ 食べられる物はなんですか。(指示:さっき言われたことをよく思い出してノート│
│に書くんですよ。)                             │
└──────────────────────────────────────┘
 自分の考えの印、箇条書き、上位語が書けているかどうかをチェックする。
S:おいも、豆、かぼちゃです。
T:そうですね。その3つをまとめて何と言えばいいでしょうか。
S:お米の代わり。
S:配給される物。
T:そういうことでいいですね。主食でもいいですよ。
┌─説明4──────────────────────────────────┐
│ 今、他の人が言った意見はメモしておくといいですね。全部書けなくてもいいです│
│よ。ちょっとでもメモをしておきましょう。その時に、誰が言ったかが分かるよう │
│に、何か記号を考えるといいですね。                     │
└──────────────────────────────────────┘
┌─発問3(板書)──────────────────────────────┐
│ 「毎日、てきの飛行機が飛んできて、ばくだんを落としていきました。町は、次々│
│に焼かれて、はいになっていきました。」という文から、どんなことが分かります │
│か?(指示:ノートに書きましょう)                     │
└──────────────────────────────────────┘
T:毎日、てきの飛行機が飛んできた、とか、町が焼かれた、とかではだめだよ。それは
  書いてあることだからね。書いてないことで、何か分かることがあるでしょう?それ
  を考えて書くんです。
 なかなか、期待するようなことは気付かないようである。児童はこんなことを書いてい
るので、いくつか紹介する。
●家が焼かれてはいになって家が少なくなって、人がどんどんやけどをおって人がどんど
んなくなってくると思う。
●いつもくるしいせいかつをしている。
●いつ死ぬかわからない。
●毎日せんそうがはげしかっただろう。
●毎日ゆみことお母さんは、てきのひこうきがとんできてばくだんをおとしていくのをい
 つも見ていた。
●町の人達が、にげていってる。(てきのばくだんから)(夜)
●ばくだんを落として食料がある所や入り口や相手の大事な場所のひみつきちをばくだん
 でぶっこわす。
●町は全めつして人が一人もいなくなってしまうかもしれないと思いました。
●きのうもおとといも、てきの飛行機がとんできた。
●ゆみこの家の近くもばくだん落ちてきて、家が次々に焼かれて、大へんだったことがわ
 かりました。ゆみこも悲しかったこともわかりました。
●町の中で飛行機が飛んできたことをしらないで、家の中でのんびりとしていていきなり
 「ドカーン」となって家が焼かれていて、死んじゃった人がいるかもしれないから、か
 わいそうだと思う。
●ゆみ子とお母さんとお父さんは、毎日いっしょうけんめいにげていたこと。

 ここから、一問一答で、設定を確認する。
T:ばくだんは誰が落とすの。
S:てき。
T:ばくだんは何のために落とすの。
S:人を殺すため。
T:人を殺すためだけかな。
S:建物をこわす。
S:食べ物とかをなくす。
T:人を殺したり、建物をこわしたりするために落とすのですね。
T:毎日って書いてあります。毎日っていうことは、今日だけではなくて、
S:明日とかあさって。
T:きのうも来たし、おとといも来たし、今日も来るし、明日も明後日もくるということ
  ですね。そして、人を殺したり建物をこわしたりするばくだんを落としていくのです
  ね。
T:次々にって書いてあるでしょう。これはどういうことを表しているかな。
S:順々に、隣り隣って。
T:今日はここ、次はその隣り、次はその隣りってばくだんが落とされるのですね。いつ
  自分たちのところにばくだんが落とされるのか分からないわけです。いつ自分たちも
  ばくだんで死んでしまうか分からない。そういうところにゆみ子とお父さんとお母さ
  んは住んでいるのですね。
T:この3行の文から、このようなことが読みとれるわけです。