4年国語 実践報告11−⑧ ┌───┬──────────────────────────────────┐ │単元名│白いぼうし │ ├───┼──────────────────────────────────┤ │時間 │8/10 │ └───┴──────────────────────────────────┘ ┌─指示1──────────────────────────────────┐ │ 教科書52ページの3行目から55ページの最後までを一回読みなさい。 │ └──────────────────────────────────────┘ 児童が音読をしている間に、板書をする。 ┌─板書1──────────────────────────────────┐ │ 松井さんはなぜ、ちょうちょうのかわりに夏みかんを置いたのでしょうか。 │ └──────────────────────────────────────┘ 読み終えた児童から問題文をノートに写す。 だいたい写し終えたのを見計らって、 ┌─説明1──────────────────────────────────┐ │ 松井さんは車道のすぐそばに白いぼうしを見つけましたね。車にひかれないように│ │と、その帽子をつまみあげたとたん、中からもんしろちょうが飛び出しました。それ│ │は、実はたけのたけお君が捕まえておいたものだったのですね。それで、松井さんは│ │ちょうちょうのかわりに自分が持ってきた夏みかんを置いたのですね。 │ └──────────────────────────────────────┘ ┌─発問1──────────────────────────────────┐ │ 松井さんはなぜ、ちょうちょうのかわりに夏みかんをおいたのでしょうか。 │ └──────────────────────────────────────┘ ┌─指示2──────────────────────────────────┐ │ 理由をノートに書きましょう。書けたら見せに来ます。 │ └──────────────────────────────────────┘ 教卓の無い所で待つ。教卓がない場合は、ノートをしっかり支えて見せることを確かめ ながら○をつける。特によく書けているものはAAA、よく書けているものはAA、他はAをつ ける。 全員のノートをチェックしてから、A、AA、AAAそれぞれの代表の児童に発表してもらう。 聞きながらメモをとるように指示する。 S:(A)松井さんがちょうちょうを逃がしてしまったので、男の子ががっかりすると思 って夏みかんを置いた。 S:(AA)男の子の大切なちょうを逃がしてしまたので、かわりに夏みかんを置いた。 S:(AAA)男の子がせっかくつかまえたちょうを松井さんがにがしてしまったので、 松井さんも大切な夏みかんをちょうちょうのかわりに置いた。 ┌─発問2──────────────────────────────────┐ │ 3人の発表は、どこが違っているか分かりますか。 │ └──────────────────────────────────────┘ S:………。 次のように板書する。 ┌─板書2──────────────────────────────────┐ │ たけのたけお ちょうちょう │ │ (せっかくのえもの) │ │ 松井さん 夏みかん │ │ (大切なもの) │ └──────────────────────────────────────┘ ┌─説明2──────────────────────────────────┐ │ たけお君にとってちょうちょうはせっかくのえものだったのですね。松井さんはそ│ │れを知っていたので、持ってきた夏みかんを置いたのです。 │ └──────────────────────────────────────┘ T:夏みかんは松井さんにとって大切なものなの?(S:うんそう。) T:どうして? そこいらで夏みかん売っているよ。 S:だって、田舎のお袋が送ってくれたもんだから。 T:なるほど。 S:速達で。 T:だから、夏みかんは松井さんにとって大切なものなのですね。せっかくのえもののか わりになるのは、松井さんに大切な夏みかんだったということです。 ┌─指示3──────────────────────────────────┐ │ 56ページの最初から最後まで一回読みなさい。 │ └──────────────────────────────────────┘ 読み終えてから、 T:女の子はもんしろちょうだったんだよね。 S:うんそう。 T:そうじゃないという人いる? S:はい、狐が化けていた。(笑い) T:狐が化けていた? そう思う人(3人)。そうか、じゃあ、どうしていなくなった? S:車の中の何かの部品に化けた。 こういう的を大きくはずしている答えは軽くあしらう。 T:それは違うね。女の子はちょうちょうだったと読むのが自然な読みです。 ┌─発問3──────────────────────────────────┐ │ ちょうちょうはどうして女の子に姿を変えたのですか。 │ └──────────────────────────────────────┘ これは簡単に分かると思ったが、意外に分からない。 S:松井さんに助けてもらったから、女の子になって松井さんを喜ばしてあげようと思っ たから。 T:なるほど、松井さんを喜ばそうと思った。……。そうだと思う人はグー、いや違うと 思う人はパーを出す。さんはい。 圧倒的にグーが多い。こんなふうに恩返しをすると読んでしまうのにはびっくりした。 しかし、考えてみると自然な読みかもしれない。 T:こういうふうに、姿を変えて恩返しをする話ってあるよね。 S:鶴の恩返し。 T:そうだね。でも、恩返しならどうして消えちゃうの?……他にはどうだろう。 S:街で男の子につかまって、松井さんに助けてもらって、みんながいるところに帰りた いと思ったから。 S:松井さんに助けてもらったから、団地の前の野原でみんなと飛んでいるところを見せ てあげたいと思ったから。 S:このちょうはお母さん達と街に来て、そこで男の子につかまっちゃって、松井さんに 助けてもらったんだけど、お母さん達が待っている所がどこか分からなくて帰れない から、女の子になって、松井さんにタクシーで乗せていってもらおうとしたから。 T:私もね、今の意見に賛成で、そうだと思っていました。このちょうは仲間のいる所へ 帰れなくなっちゃったんですね。だから、タクシーで乗せていってもらおうとした。 でもちょうちょうのままじゃ、タクシーには乗れませんね。だから、女の子の姿にな ったのです。でもね、松井さんに助けてもらったから恩返しをしているという考えも とてもおもしろいと思いました。私はそのようなことは今まで考えたこともなかった ので、その意見を聞いてとても驚いて、またとても勉強になりました。 S:先生が勉強になるの? T:そうです。とても勉強になりました。○○さんありがとう。