4年国語 実践報告9−①〜② ┌───┬──────────────────────────────────┐ │単元名│せいそう工場の見学 │ ├───┼──────────────────────────────────┤ │時間 │1/6〜2/6 │ └───┴──────────────────────────────────┘ 新しく習う漢字が多いので、一時間では消化仕切れないと思い、2時間に分けて練習す ることにした。ところが、それでは今度は時間が余ってしまうので、前半を漢字の練習と し、後半は教科書の作文例をすることとした。 ところが、漢字の練習に思いの外時間をとられた。それに加えて、児童の視写のスピー ドが相当に遅く、2時間では全く終わらなかった。 視写をする際には、なぜ視写をするのかを説明してから始めた。 ┌─説明1──────────────────────────────────┐ │ これから、教科書に載っている作文を写します。写すのも大切なお勉強です。写す│ │のがどうしてお勉強になるかと言うと、写すことで文の書き方を知ることができるか│ │らです。それから、文がどのように組み立てられているかを知ることもできます。文│ │章を読むだけではなく、よく見て自分で書くので、読むだけよりもよく頭に入るので│ │す。 │ └──────────────────────────────────────┘ こう説明してから実際に視写を始めたのだが、個人差が大きく、全体的に写すスピード は遅い。そこで、 ┌─説明2指示1───────────────────────────────┐ │ もう少し速く写すようにしましょう。速く写すためにはコツがあります。それはな│ │るべく教科書を見ないようにするということです。 │ │ 最初の文を見てください。書き出しは、「五月十六日」となっていますね。これを│ │写す時に、「五」を見てノートに「五」と書き、次に「月」を見てノートに「月」と│ │書き、それから「十六」を見てノートに「十六」と書いていたのでは、教科書を見た│ │りノートを見たりする回数が多くて、とても時間がたくさんかかりますね。 │ │ これを、最初に見たときに「五月十六日、(てん)」まで覚えてしまって、ノート│ │にその通りに書いて、それから次のところを見るようにすると、教科書を見る回数が│ │減って、写す時間が短くて済むようになります。 │ │ なるべく教科書を見ないで写せるようにしてみましょう。 │ └──────────────────────────────────────┘ このように説明・指示をすると児童はそのように努力するようになる。すぐにできるよ うになることはないが、このようなことの積み重ねが大切であろう。 ┌─指示2──────────────────────────────────┐ │ 間違えて写すことがないように、行の先頭の文字と最後の文字が教科書と同じかど│ │うか確かめながら写しましょう。 │ └──────────────────────────────────────┘ 見ていると、行の最後の文字が教科書と違っているために、消しゴムを使っている児童 が相当数見られる。正確に写すということが、いかに難しいかということを物語っている のだろう。たかが視写であるが、なかなか正確にはできないのである。これが速く正確に できれば、相当に力がついているはずである。 なるべく教科書を見ないように努力している児童であるが、そのようにすればするほど 写し間違いも増えるという悪循環に陥っているようである。間違いは行単位には気がつく ので、消しゴムを使う時間も増えてくる。結局、写すスピードが遅くなっていくのである。 それに加えて、なるべく長い部分を覚えるので、次に教科書を見たときに、どの部分を 写しているのかが分かり難くなっているのである。それで、どの部分を写すのかを探す時 間がさらにかかるということになる。そこで、 ┌─説明3──────────────────────────────────┐ │ ページの真ん中ごろまで写してくると、どこまで写したのかが分からなくなるでし│ │ょう。どこまで写したのかを探していると、時間がもったいないですね。どこまで写│ │したのかがすぐに分かるようにする方法があります。簡単な方法です。どんな方法か│ │分かりますか。 │ └──────────────────────────────────────┘ S:教科書に線を引いておきます。 S:消しゴムを置いておきます。 S:指を置いておきます。 ┌─説明4──────────────────────────────────┐ │ そういう方法でももちろん大丈夫です。その他にも、例えば漢字ドリルを今書いて│ │いる行の横に置いておくという方法もありますね。とにかく、そういう方法で、写し│ │ている場所がすぐに分かるようにしておくことが大切です。 │ └──────────────────────────────────────┘ このように説明すると、児童は思い思いの方法で印をつけてやるようになる。どの方法 が自分に適しているかを探るのは今後のことになろうが、とにかくこのような技術を身に 付けさせることが大切である。 前半漢字の練習を行い、後半視写をするという時間を2時間取り、その他に出張時の自 習内容として1時間をあてたが、最後まで終わらない児童が多いのにはびっくりした。