行動描写/心理描写/生理描写
 
前時の「風景描写」について、説明を付け足す。
黒板に、ビデオで写した場面の略図を描き、
 
風景描写には、描写する方向があります。(1人の子の文章を読み上げ)○○君の文章の場合、海、道、家、雲、空という順番で書いていますね。ですから、近くから遠くという方向で書いています。これが風景を描写する一つの方向です。
 
このほかにも、右から左に順番に書いていくとか、その反対とか、斜めに左下から右上に書いていくという書き方もあります。また、全体を書いてから部分を書くという書き方もありますが、これは風景を描くときには難しいかもしれません。大切なのは、あっちに行ったりこっちに行ったりという書き方をしないことです。
 
では、自分が書いた文章を読み返して、ある方向で書いてあれば○、あっちこっちしていたら×を書いておきなさい。 
 
この後、数人に発表してもらった。
 
今日は、「行動描写」について勉強します。風景描写というのは物語が進みません。時間がとまっています。行動描写もそれほど物語は進みません。ほんの数秒とか数十秒とかの短い時間での、人物の行動を描きます。
 
ビデオのある場面を見せた。場面は、少年が物置小屋で何か作業をしていると、背後に不審な男が現れ、少年を背後からはがいじめにするという場面である。
 
この場面をノートに書かせ、少し時間をとってから1人の子の文を読み上げた。
 
「少年が小屋で袋をぬっていて、外は夜だった。」
この文はどこを直せばいいでしょうか。
 
「二つのことが書かれているので、別々にすればいいと思います。」
「その通りですね。少年が小屋で袋をぬっていた、ということと、外が夜だったということの二つのことが一つの文に入っているので、これをわけて、一つの文に一つのことが書かれるようにします。」
 
「ある夜のこと。少年が小屋で袋をぬっていた。」
と書けばいいですね。このように、文はなるべく短くして、短い文を積み上げて行動を描くようにするといいです。では、今書いた文を書き直してみましょう。
 
時間をとって書き直しをさせ、その後、数名の文章を音読した。
 
心理描写というのは、その人物が思っていることや考えていること、その時の気分や気持ちのことです。生理描写というのは、汗とか息づかいとか心臓の音とかそういうものですね。例えば、緊張している時には「手に汗をにぎる」って言うでしょう。こういうことを書くと、その場の様子が読んでいる人によくわかります。例えば、ある人物が人に気づかれないように何かをとろうとする場面で、「その日はとても冷える日だったが、背中は汗でじっとりと濡れていた。」なんていうと、緊張してとっているという様子がよく分かります。こういうのを生理描写といいますね。
 
では、今書いた文章に、心理描写と生理描写を赤で書き加えてみましょう。
 
作文をする時間をとり、数人の文章を音読。その後、教師の作文を披露した。