「風景描写の指導」
アニメ「宝島」のビデオを見せる。見せながら、次のように指示する。
これから、このビデオの場面をノートに書いてもらいます。文字で書きます。よく見てください。
この時、ビデオの画面を一時停止せず、流しておく。あっという間に冒頭の海辺の風景の場面
が映って消える。そこでビデオを止めた。
 T:分かりましたね?
 S:分かりません。もう一度見せてください。
 T:ではもう一度だけ見せます。よく見てください。
ビデオをもう一度見せた。
なるべく、様子を詳しく書いてください。
と指示し、数分後、発表させた。

数名に発表させてみると、「海があって、大きな岩があって、緑の上に曲がった道があって〜」
という具合に、ただ見えるものを列挙している文が多い。そこで、
 T:今の文よりも長く書けている人、発表してください。
 T:今の文よりもうまく書けたと思う人、発表してください。
と言いながら、さらに発表させた。すると、中に物語っぽく書いている子がいたので、その子の
文章をおおいにほめ、次のように指示した。
もういちど画面を見せますから、今度は物語のように書いてみてください。

しかし、なかなか物語のようには書けないようで、どうしても説明調の文章になってします。なぜ
説明調になってしまうのか。それは「〜がある。」という文末を多様するからである。そこで、次
のように指示して書き直しをさせた。
「〜がある。」という言葉を使わないで文を書き直しなさい。
それからあまり長い文にしないで、短い文になるように、切れるところでは文を切って、短くす
るようにしてください。

数名に発表させると、説明調から脱して、物語風な書き方になった子が多かった。
「〜がある。」という言葉で文を終わると説明文のような文章になります。ですから、なるべく
「〜がある。」という言葉を使わないで、「〜だった。」とか「〜のようだ。」とか、別の言い方を
考えるようにすると物語文のようになります。そういう風な書き方にするといいでしょう。